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面白い本を読みました。
『ド文系女子の株の達人が教える 世界一楽しい!会社四季報の読み方』(藤川里絵著)
四季報マニアを自認する藤川さんが、会社四季報の楽しい読み方、値上がりのチャンスをつかむ数々のヒントを紹介しています。
藤川さんいわく、
「四季報は、推理小説よりもハマる読み物!」
とのこと。
会社四季報をすでに読んでいる方、興味はあるけどまだ読んだことのない方、どちらにも役に立つ一冊です。
この記事では、本著の中から、私自身が特に面白いと感じた切り口を章ごとに紹介します。
■藤川さんの目の付け所
・PART1:「記事欄」の謎を解け!
PART1の目次は以下の通りです。
謎解き02:ポジティブワード満載!なのに、株価が下がる会社の謎
謎解き03:「上方修正する会社」は先回りして見つけられる!!
謎解き04:記事欄に仕込まれた株価上昇の「マジックワード」とは?
謎解き05:材料欄の見出しに仕込まれた「暗号」を読み解け!
謎解き06:材料欄の見出しから、企業の「未来」が浮かび上がる!
謎解き07:記者の会社への「想い」が込められた見出しを探せ!
私が特に気になったのは「謎解き04:記事欄に仕込まれた株価上昇の「マジックワード」とは?」。
藤川先生いわく、そのマジックワードとは、ズバリ!
「積極投資」
もちろん「積極投資」というワードが入っていれば必ず株価が上がるわけではありませんが、積極投資できる会社は、経営者がスピード感を持って決断できるということであり、ある程度財務にも余裕があるはず、という視点です。
投資の方向が間違っていなければ、成果は出るはず、と期待できます。
例として示されていたのが、2021年1集(2020年12月号)のラクス(3923)の記事欄。
【上振れ】IT人材派遣低調でも『楽楽精算』堅調。『楽楽明細』やメール配信も想定超。広告宣伝費急減で営業益急反発。株売却特益。22年3月期はクラウド続伸。IT人材復調だが人件費増。広告宣伝費も再投下。
【楽楽明細】倍増ペースの『楽楽明細』を軸に新年度は営業人員を増やすなど積極投資、次の柱を育成へ。直販に加え代理店活用も積極化。拡大の中で人材育成も再強化。
四季報発売後のラクスの株価を見てみると、確かに大きく上昇しています。
「積極投資」
早速四季報で調べてみたいワードですね。
・PART2:「会社の数字欄」の謎を解け!
PART2の目次は以下の通りです。
謎解き09:「物言う株主の次なる標的は?」
謎解き10:10倍株の条件は「オーナー企業」の不思議
謎解き11:「お金の流れ」から企業のフェーズをつかめ!
謎解き12:株価が「上がる業績欄」「下がる業績欄」の見分け方
謎解き13:「会社予想」と「四季報予想」の大きな乖離はなぜ起こる?
謎解き14:株価が動く「サプライズ」の予兆はココに隠れている!
謎解き15:3800社分のチャート欄から「株価が上がる会社」を一瞬で見つける方法
私が特に気になったのは「謎解き13:「会社予想」と「四季報予想」の大きな乖離はなぜ起こる?」。
すでに四季報を読んでいる方は、四季報の業績予想と会社発表の業績予想とに乖離があり、「どっちが正しいの?」と不思議に思ったこともあるのではないでしょうか。
藤川さんいわく、「会社予想はいつも正確というわけではなく、いろいろな事情から数字をかなり低めに出していたり、逆に数字を大きく盛ってだしていたりすることがある」そうです。
発表した予想を達成できないと株主から責められ株価にも悪影響が出る、すごく儲かっているような予想を出すと取引先から値引きを求められる、など、様々な大人の事情があるようです。
特に新年度がスタートしたばかりだと、会社は控えめな予想を出すことが多く、年度の途中で上方修正することがよくあります。
「会社予想と四季報予想を比べるのは、投資家としてマストな作業」(by藤川さん)
自分の注目している銘柄について、チェックしていきましょう。
なお、紙の四季報では、各社のページの欄外にニコちゃんマークがついている場合があります。
これは営業利益の会社予想と四季報予想が乖離している場合につきます。
乖離率3%以上30未満でマークが1つ、乖離率30%以上だとマークが2つつくそうです。
ぜひ注目してみましょう。
・PART3:「基本情報欄」の謎を解け!
PART3の目次は以下の通りです。
謎解き17:いったい、なにがあった!?企業名チェンジの思惑
謎解き18:地方のキラ星!世界でひっぱりだこの「ニッチ企業」を探せ
謎解き19:有名企業の知られざる「ウラの顔」を暴け!
謎解き20:ブラックorホワイト?「基本情報」から発するアラート
私が特に気になったのは「謎解き16:風が吹けば儲かる桶屋(取引先)はどこ?」。
株式投資は「連想ゲーム」と言われます。
選挙が開催されることになると株価が上昇する銘柄は?
ゴルフの松山選手がマスターズで優勝したとき、上昇した銘柄は?
こうした様々なニュースに対し、「関連する銘柄はなにか?」に思考を巡らせることが大切です。
四季報を活用することで、この連想ゲームの精度を高められる、というお話です。
ポイントは「販売先」。
四季報には製品やサービスの主な販売先が掲載されています。
販売先が儲かっていれば、そこに商品を卸している会社も潤っている可能性が高い、というわけです。
例として示されていたのが東京オリンピックで使用している人が非常に増加していたソニー製のミラーレスカメラ。
ソニーほどの大企業の場合、カメラの売上が全体の売上に与える影響はそれほど大きくありませんが、一方でそのソニーのカメラにレンズを提供しているタムロン(7740)に着目します。
タムロンのページでは、販売先に「ソニー」と書かれ、さらに2021年3集(2021年6月号)の記事欄には「ソニー製ミラーレス向けレンズを6月に2機種発売予定」といったコメントも書かれていました。
「ソニー製のカメラが増えている」 → 「レンズを提供している会社はどこだ?」 → 「あ、たしかタムロンって会社がそうだな、調べてみるか」
という連想ゲームができるようになると、投資の精度は高まっていきそうですね!
なお、1点注意点は、販売先が1社に集中していると、そこから値下げの圧力をかけられたり、場合によっては突然取引を終了されたりするかもしれないリスクがあることです。
こまめに企業の決算資料などを読んで、その傾向がないか確認しましょう!
・PART4:「巻頭・特集」の謎を解け!
PART4の目次は以下の通りです。
謎解き22:毎号変わる「特集企画」の思惑は?
謎解き23:じつは、秋号の特集は毎号同じ!?そのワケは?
謎解き24:手出し無用の「継続性にリスクがある会社」からの、大逆転はあるか!?
謎解き25:誰も知らない、謎だらけの優待の秘密
私が特に気になったのは「謎解き21:巻頭の「見出しランキング」から、経済トレンドを読み解く」。
個別株投資をする上でも、相場の全体感をつかむことは大切です。
その全体感をつかむ上で有益なツールが四季報巻頭の「見出しランキング」です。
藤川さんは、四季報が届いたらまずこの見出しランキングに目を通し、今号の雰囲気をつかむそうです。
見出しランキングは、各社の記事欄でたくさん使われている見出しを、15位までランキングにしているもので、発売号だけでなく過去4号分が並んでいます。
例として、2021年2集(2021年3月号)の見出しランキングが示されました。
2020年2集(2020年3月号)は「連続増益」「堅調」「続伸」など好調な見出しが多かったのに対し、その後の3号は苦しい表現が多くを占めます。
一方、2021年2集(2021年3月号)では、「復調」や「浮上」といった、悪かったところからの回復を表す見出しが目立ちます。
ポジティブワード一色となると、それは天井であることも多く、気を付ける必要があります。
逆に、ネガティブワードがあふれる中で「増額」「独自増額」といったポジティブワードが少し見えてきたタイミングは、買い時とも言えそうです。
全体の空気感を捉えるツールとして、活用していきましょう。
■おわりに
いかがでしたか?
会社四季報から値上がりする銘柄を探すヒントを感じて頂けたのではないでしょうか?
上記はあくまで抜粋で、その他にも様々な切り口が紹介されていて、私自身も「久々に四季報読んでみようかな」という気持ちになりました。
藤川さん自身、四季報を活用した投資によって自己資本を5年で10倍に増やした実績の持ち主ですので、様々な経験に裏打ちされたエピソードはとても面白く読ませて頂きました。
興味のある方はぜひ図書館や書店で手に取ってみてください。
本日もお読み頂きありがとうございました!
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