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会社四季報の記事の中に、こんな言葉を見たことはありませんか?
「継続前提に重要事象」
ん?どういう意味?
と思ったことがあるかたもいるかもしれません。
この記事では、
藤川里絵さん著『ド文系女子の株の達人が教える 世界一楽しい!会社四季報の読み方』から、「継続前提に重要事象」のある会社とは何なのか、書いていきます。
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■「継続前提に重要事象」とは?
業績不振や財務的に問題があり、存続が危うい会社は、決算短信に「継続企業の前提に関する重要事象」を記載しなければなりません。
こちらはとある会社の決算短信からの抜粋です。
決算短信にこのような注記がある場合、四季報の記事欄にも「継続前提に重要事象」と記載されます。
「この記載が決算短信にあったので、気を付けて下さいね」という意味です。
ですので、この言葉を見つけたら、投資判断はより慎重に行う必要があります。
■「継続企業の前提に疑義」とは?
「継続前提に重要事象」よりも危険なのが「継続企業の前提に疑義の注記」がある会社です。
こちらの方がより深刻度が高く、より破綻リスクが高い会社です。
基本的にはこういった会社の株は買わない方がいいでしょう。
■まさに大逆転!玉井商船の事例から・・・
ただし、「ごくまれに逆転満塁ホームランみたいなことをやらかしてくれる会社がある」のです。
本の中で紹介されていたのが玉井商船(9127)という会社。
2021年3集の記事欄に「赤字等続き継続前提疑義注記」と記載があります。
加えて、「1年内返済期日借入金は分割返済等交渉」とあり、かなり資金繰りも厳しそうな記述でした。
ところが、海運市況が過去10年にわたる不況から脱却して絶好調期へと急転換。
玉井商船の4~6月期の決算は営業利益が前年比の9.7倍!
同日に通期の営業利益予想を2億から10億へ5倍も上方修正し、株価も急騰しました。
日本郵船はじめ海運株が大ブームになったあの2021年です。
記憶にある方も多いでしょう。
まさに奇跡の大逆転でした。
■サインポストはどうなる・・・
さて、皆さんの保有銘柄の中に「継続前提に重要事象」の会社はありませんか?
え?私ですか?
実はあるんですよ。。
それが無人決済レジ事業を展開するサインポスト(3996)です。
同社の最新四季報記事はこちらです。
【黒字化】主力の地銀向けITコンサルは受注好調。ネット銀や投資運用会社向け獲得。無人レジはコンビニ向けなど堅調。コンサル拡充への採用費や外注費かさむも、研究開発費中心に販管費抑え小幅黒字化。
【提 携】無人古着屋と業務提携、セルフレジ店全国100店舗計画。スタンダード市場への選択申請。全社員に在宅・物価手当月1・5万円支給。継続前提に重要事象。
なお、冒頭で紹介した決算短信は、サインポストの2024年2月期第1四半期決算からの抜粋です。
四季報記事には「黒字化」と記載がありますが、本当に黒字化するかは怪しいところです。
2024年2月期は営業利益・純利益ともに黒字転換予想となっていますが、第1四半期はいずれも赤字のスタートでした。
前期2023年2月期は黒字転換の予想を発表していましたが、期中に下方修正し赤字で着地しました。
予想が信用できるかは怪しいところです。
過去7年(2017年2月期~2023年2月期)の業績(売上高・営業利益・純利益・EPS)は以下の通りです。(単位:百万円、EPSは円)
ご覧の通り、営業利益・純利益は4期連続で赤字です。
売上高も上場直後の2018年2月期に届いていません。
図解すると以下の通りです。
少子高齢化、労働力不足が社会課題となる日本において、無人決済レジというのは将来性を感じるテーマではありますが、果たして成長していけるのか。
「継続前提に重要事象」からの逆転ホームランを期待して、応援を続けたいと思います。
■おわりに
気軽に手を出してはいけない対象ではあるものの、奇跡の大逆転が起きた時は大きなリターンが得られる「継続前提に重要事象」を抱える会社。
あなたは、投資してみたいと思いましたか?
少なくともいい状態にあるとは言えない会社ですので、投資する時の金額については十分に考慮して、最悪倒産しても自身の資産が崩壊しないように注意しましょう。
会社四季報では、巻末に該当会社の一覧が掲載されています。
怖いもの見たさで見てみたい、という方はご覧ください。
今回紹介した藤川さんの本は、会社四季報を紐解く様々な切り口を提示してくれており、とても面白いです。
「どんな切り口があるのかもっと知りたい!」
という方は、ぜひ一度手に取ってみて下さい。
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本日もお読み頂きありがとうございました!
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