今日はエアトリの決算を
チェックしていきましょう♪
どんだけ~!の、
IKKOさんがCMでてるな~
ロバートの秋山さんから代わりましたね。
航空券を中心にしたオンライン旅行業ですね。
うちは空飛べるから
航空券はいらないわ~
皆さんこんにちは。
個別株投資で毎年資産+10%を目指すサラリーマン投資家、かたつむり君です。
通勤時間や平日の夜、週末の時間を使って、売買候補となる銘柄の研究を行っています。
日々様々な情報が飛び交いますが、年に4回(四半期に1回)行われる決算発表は、企業の業績・状態を把握し、今後の投資戦略を考える上で特に重要な情報です。
この記事では、私が保有中 or 気になっている銘柄の決算発表内容をチェックし、今後の投資戦略について私なりの視点で書いていきます。
記載している銘柄を推奨しているわけではありませんが、私の視点や考え方が読者の皆さんの参考になれば嬉しいです。
■本日のチェック銘柄
今日チェックするのは航空券予約サイト「エアトリ」を運営するエアトリ(証券コード:6191)です。
東証一部上場で、決算期は9月です。
4月からの新市場区分では「プライム市場」に区分されます。
直近の四季報より数値を抜粋すると、時価総額は766億円、従業員数は連結で1,085名です。
同社の経営理念は「One Asia~アジア黄金期におけるリーディングカンパニーになる」です。
ミッションは「アジア経済圏の中で生まれるあらゆる変化を事業機会として捉え、終わりなき成長を続けていく」です。
私がこの会社に注目している理由は、
①主軸の旅行事業は店舗を持たないオンライン販売の形態で、将来の成長が期待できるため
②ITオフショア事業、投資事業など、興味深い事業ポートフォリオを持っているため
です。
現在私はエアトリの株は保有していません。
■決算発表内容の概要
2022/2/14(月)に発表した2022年9月期第1四半期決算の主な内容は以下の通りです。
【主な決算発表内容】(単位:百万円)
売上高 : 4,354(前年同期:6,560 前年同期比: ▲33.6%)
営業利益 : 941(前年同期: 763 前年同期比: +23.3%)
純利益 : 717(前年同期: 432 前年同期比: +65.8%)
資産合計 :21,997(前期末:21,373)
自己資本 : 7,978(前期末: 7,475)
現金 : 9,011(前期末: 8,771)
有利子負債: 7,114(前期末: 7,442)
営業CF :+914(前年同期:▲6)
投資CF : ▲79(前年同期:▲137)
財務CF :▲615(前年同期: ▲119)
■決算発表内容分析のものさし
決算発表内容について、私は主に①成長性、②収益性、③安全性、④キャッシュ創出力、の4つの観点からチェックをしています。
それぞれの観点について、主な指標とその計算方法、優秀と認定する目安は以下の通りです。
優秀と認定する目安をクリアした項目が多い銘柄ほど、買いたい銘柄、保有し続けたい銘柄ということになります。
★成長性
【主な指標】
増収率、増益率(営業利益・純利益)
【計算方法】
増収率(%)=(今期の売上÷前期の売上-1)×100
増益率(%)=(今期の利益÷前期の利益-1)×100
【優秀と認定する目安】
増収率、増益率ともに+10%以上
★収益性
【主な指標】
売上高営業利益率、売上高純利益率、ROE(自己資本利益率)
【計算方法】
売上高営業利益率(%)=営業利益÷売上高×100
売上高純利益率(%) =純利益 ÷売上高×100
ROE(%) =純利益÷自己資本×100
※四半期決算時は純利益を年換算し算定
【優秀と認定する目安】
売上高営業利益率:15%以上
売上高純利益率 :10%以上
ROE :15%以上
★安全性
【主な指標】
自己資本比率、現金>有利子負債か
【計算方法】
自己資本比率(%)=自己資本÷資産合計×100
【優秀と認定する目安】
自己資本比率:30%以上80%以内
現金>有利子負債であること
※ただし、一概に自己資本比率が高ければいいというわけではなく、有利子負債が多いとダメでもなく、業態や企業の成長フェーズによって個別に評価する必要がある、と考えています。)
★キャッシュ創出力
【主な指標】
営業CFがプラスか、営業CF>営業利益か
【優秀と認定する目安】
営業CFがプラスであること
営業CF>営業利益であること
■決算発表内容分析
それでは、上記のものさしに沿って、実際に決算発表内容を分析していきます。
●成長性のチェック
売上高は前年同期比▲33.6%でした。
営業利益は同+23.3%でした。
純利益は同+66.0%でした。
売上高は▲33.6%の減収となりました。
同社の事業は大きく以下の3つのセグメントに区分されます。
→エアトリ旅行事業、訪日旅行事業・Wi-Fiレンタル事業、メディア事業
・ITオフショア開発事業
→ラボ型オフショア開発サービス、BPOサービス
・投資事業
→成長・再生企業への投資
セグメント別の売上高構成比は以下の通りです。
売上高の9割がオンライン旅行事業です。
そのオンライン旅行事業は前年同期比▲33.2%減少しました。
決算説明資料では、「連結範囲の変更で減少があるものの、安定的に推移」と記載されています。
▲33%で「安定的」といえるのかはちょっと違和感があります。
決算短信では「世界的な新型コロナウイルス感染症の拡大と各国の当該感染症の拡大防止策」が大きく影響していると説明しています。
こちらの説明の方がしっくりきますが、決算短信と決算説明資料のトーンの違いが気になります。
ほぼオンライン旅行1本足の状態ですので、今後他の事業からの売上高を伸ばしていけるか、注目したいと思います。
営業利益941はQ1としては過去最高を記録しました。
売上高が減少しているのに、なぜ営業利益が過去最高なのか?
もう少し説明して欲しいなと感じました。
売上総利益は前年より微減で、販管費は前年より増加(今期:▲1,548←前期:▲1,272)しているに、増益です。
損益計算書を見ると「その他の収益:560」というのが計上されています。
これは一体なんでしょうか?
決算書を読み解く力が不十分なためよくわからないのですが(事業譲渡益でしょうか?)、一時的な収益と思われますので、「本業が力強く成長し営業利益が最高益!」という状態ではないのではないかと感じています。
●収益性のチェック
売上高営業利益率は21.6%、売上高純利益率は16.5%でした。
いずれも指標としている数値を上回り、高い収益性を残しました。
ただし、過去5年間の利益率の推移と見比べると今期が一時的に高い数値が出ているようにも見えます。
まだQ1で数値もブレやすいため、Q2、Q3と推移をじっくり見守りたいと思います。
過去5年間(2017年9月期~2021年9月期)の通期利益率の推移は以下の通りです。
売上高営業利益率:13.2%、9.2%、2.8%、▲42.3%、17.9%
売上高純利益率 : 7.6%、6.8%、3.0%、▲40.9%、13.4%
ROEは35.9%でした。
指標の15%を超え、高い水準でした。
●安全性のチェック
自己資本比率は36.3%でした。
現金9,011に対し、有利子負債は7,114と、現金が有利子負債を上回りました。
●キャッシュ創出力のチェック
営業CFは+914と、キャッシュインとなりました。
営業利益941は下回りました。
■業績予想(会社発表)に対する進捗度
会社が発表した業績予想に対する進捗度は、年間の業績予想が妥当なものかを考える上で大切な指標です。
もし進捗度が高い場合は、業績予想の上方修正が発表される可能性もあります。
Q1は25%、Q2は50%、Q3は75%、Q4は100%を超えている場合を優秀と定義して、チェックしていきます。
もちろん企業によって季節波動がありますので、単純に数値だけをみるのではなく、前年度の四半期進捗を参考にするのも大事ですね。
Q1の進捗度は売上高が33.5%、営業利益が94.1%、純利益が102.4%です。
Q1にしてすでに純利益は業績予想を上回りました。
好業績だった、というよりは、かなり保守的な業績予想を開示しているため、という方が正しいかと思います。
会社四季報の業績予想に対する進捗度で見ると、売上高が20.7%、営業利益が39.2%、純利益が43.5%です。
営業利益以下に一時的な収益(「その他の収益」)が含まれていると考えれば、こちらの数値の方がしっくりきます。
同社では、業績予想について以下のように説明しています。
不確実な社会経済情勢に鑑み、GoToトラベル等による国内旅行回復による収益寄与、海外旅行の回復、訪日観光客の回復、投資事業の貢献等のアップサイド要因は織り込まない保守的な業績予想としております。
外部環境の影響が大きい旅行事業が売上高全体の9割ですので、保守的にならざるを得ないのは理解ができます。
今後の修正発表に注目したいと思います。
■来期の業績予想(会社四季報情報)から見る将来成長性
会社四季報では、過去の業績に加えて、今期の業績予想、来期の業績予想が記載されています。
会社四季報の記者が会社に取材をし、分析した結果掲載されている予想値です。
会社が発表している業績予想と一致する場合もあれば、ずれることもあります。
このずれがある時は、注意が必要です。
今期の会社発表業績予想から、来期の四季報発表業績予想への成長性を見ていきます。
売上高は+92.3%、営業利益は+180.0%、純利益は+171.4%です。
上記の通り、今期の会社予想が極めて保守的ですので、あまり参考にはならないかと思います。
今期の四季報予想から、来期の四季報発表業績予想への成長性を見ると、売上高は+19.0%、営業利益は+16.7%、純利益は+15.2%です。
このくらいの数値であればしっくりきます。
■株価水準とチャートの動き
2/18(金)の終値は3,490円。四季報予想の今期純利益で計算したPERは46倍です。
過去5年間の株価の動き(週足)は以下の通りです。
2020年のコロナショックで一時517円まで大きく売られましたが、その後はGoToトラベル事業の追い風や旅行需要の回復期待もあり、大きく戻しました。
コロナ前はなかなか3,000円を突破しきれませんでしたが、昨年3,000円の壁をやぶり、10月には4,595円まで上昇しました。
今年に入ってから多くの銘柄が下落する中、同社の株価は年初来で+13.7%上昇しています。
決算内容での進捗の良さや、オミクロン株減少の兆し、旅行・観光需要復活の期待が大きいのだと思います。
PERは46倍と、決して割安ではありません。
■私の投資戦略
以上の分析内容を簡単に表に整理すると、以下のようになります。
Q1は減収増益でのスタートとなりました。
営業利益はQ1として過去最高を記録しましたが、世界的な新型コロナウイルス感染症の拡大、各国での入国規制などは続いており、売上高の9割がオンライン旅行事業である同社にとってはまだまだ厳しい市場環境が続いています。
過去5年間の売上高・営業利益・純利益・EPSの推移は以下の通りです。
売上高の急拡大がコロナによって急停止し、過去2年減少が続いています。
利益は2020年9月期の赤字から、翌2021年9月期には黒字転換し、回復に向けた動きを見せています。
外部環境(コロナ、ウクライナ、入国制限、GoToトラベル、etc)次第で今期の業績も変動要素が大きいため、今後の環境変化に注目していきたいです。
同社は2024年9月期までに取扱高5,000億円を目指す中期成長戦略「エアトリ5000」の最中ですが、その成長イメージは以下の通りです。
決算説明資料では5つの事業による事業ポートフォリオの分散をうたっていますが、現在の売上高の9割はオンライン旅行事業と、一本足に近い状態です。
今後他の事業からの売上高を伸ばしていけるか、注目したいと思います。
詳しくは上記の通りですが、今回の決算発表内容をみて、以下の3点が気になりました。
1つ目と2つ目については、IRにおける誠実さとしてやや気になるところです。
・営業利益:最高益とアピールしているものの、一時的な要素が大きいだけではないか
・株価:旅行・観光需要復活の期待が入り過ぎてるのではないか
私の投資戦略における同社の位置づけは、「5年で株価2倍」を期待する「成長銘柄」です。
現在の株価から2倍になることは期待しにくいため、大きく下落するまでは仕掛けるつもりはありません。
少なくとも、2,000円(現在の株価▲42%)を割り込んできてから検討する、というスタンスです。
開示や今後の市場環境に不安な部分もありますので、しばらくは様子を見たいと思います。
以上が私の戦略です。
■まとめ
私はだいたい25銘柄程度の注目銘柄を決めて、決算発表内容と会社四季報を見比べながら、上記のような観点で継続的に観察しています。
そして5年で株価2倍が期待できる銘柄を、いいタイミングで買うことを目指しています。
上記の銘柄を推奨するわけではありませんが、銘柄選択の視点や考え方など、読者の皆さんの参考になれば嬉しいです。
私が銘柄選びの基準や、仕掛けるタイミング、投資に対する考え方について参考にしている書籍は以下の通りです。
よろしければ読んでみて下さい。
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ということで、本日は以上です!
お読み頂きありがとうございました!
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