【ライオン】22/2/14決算発表内容と私の投資戦略

決算分析

今日はライオンの決算をチェックしていきましょう♪

キレイキレイか~☆コロナ禍でめっちゃ手洗うようになったな~

前期は特需で利益も増えましたが
今期は反動減や原材料高で苦戦でしたね~

となるとこれも値上げか~
ん? 値上げしないって??

皆さんこんにちは。
個別株投資で毎年資産+10%を目指すサラリーマン投資家、かたつむり君です。
(TWITTER:@posikatatsumuri


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通勤時間や平日の夜、週末の時間を使って、売買候補となる銘柄の研究を行っています。
日々様々な情報が飛び交いますが、年に4回(四半期に1回)行われる決算発表は、企業の業績・状態を把握し、今後の投資戦略を考える上で特に重要な情報です。

この記事では、私が保有中 or 気になっている銘柄の決算発表内容をチェックし、今後の投資戦略について私なりの視点で書いていきます。

記載している銘柄を推奨しているわけではありませんが、私の視点や考え方が読者の皆さんの参考になれば嬉しいです。

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■本日のチェック銘柄

今日チェックするのは歯ブラシ・ハンドソープ・洗濯用洗剤といった日用品大手のライオン(証券コード:4912)です。
東証一部上場で、決算期は12月です。
4月からの新市場区分では「プライム市場」に区分されます。
直近の四季報より数値を抜粋すると、時価総額は5,186億円、従業員数は連結で7,452名です。
同社が掲げる企業理念、PURPOSE(存在意義)は「より良い習慣づくりで、人々の毎日に貢献する(ReDesign)」です。
企業スローガンは「今日を愛する。」です。

私がこの会社に注目している理由は、
①私たちの生活に根差した商品を数多く取り扱っているため
②ハミガキなどで高付加価値・高価格商品の販売にチャレンジしているため
③2030年に売上高海外比率50%目標と、グローバル展開への意識が強いため
④もらって嬉しい株主優待制度があるため
です。

現在私はライオンの株を100株保有しています。

■決算発表内容の概要

2022/2/14(月)に発表した2021年12月期第4四半期決算の主な内容は以下の通りです。

【主な決算発表内容】(単位:百万円)
売上高  :366,234(前年同期:355,352 前年同期比:  +3.1%)
営業利益 :  31,178(前年同期:  44,074 前年同期比:▲29.3%)
純利益  :  23,759(前年同期:  29,870 前年同期比:▲20.5%)
資産合計 :428,025(前期末:435,501)
自己資本 :251,572(前期末:231,723)
現金   :  97,250(前期末:121,534)
有利子負債:    1,803(前期末:    2,044)
営業CF  :+19,296(前年同期:+40,729)
投資CF  :▲34,177(前年同期:▲19,868)
財務CF  :▲10,225(前年同期:  ▲9,140)

■決算発表内容分析のものさし

決算発表内容について、私は主に①成長性、②収益性、③安全性、④キャッシュ創出力、の4つの観点からチェックをしています。

それぞれの観点について、主な指標とその計算方法、優秀と認定する目安は以下の通りです。
優秀と認定する目安をクリアした項目が多い銘柄ほど、買いたい銘柄、保有し続けたい銘柄ということになります。

★成長性
【主な指標】
増収率、増益率(営業利益・純利益)

【計算方法】
増収率(%)=(今期の売上÷前期の売上-1)×100
増益率(%)=(今期の利益÷前期の利益-1)×100

【優秀と認定する目安】
増収率、増益率ともに+10%以上

★収益性
【主な指標】
売上高営業利益率、売上高純利益率、ROE(自己資本利益率)

【計算方法】
売上高営業利益率(%)=営業利益÷売上高×100
売上高純利益率(%) =純利益 ÷売上高×100
ROE(%)      =純利益÷自己資本×100
※四半期決算時は純利益を年換算し算定

【優秀と認定する目安】
売上高営業利益率:15%以上
売上高純利益率 :10%以上
ROE      :15%以上

★安全性
【主な指標】
自己資本比率、現金>有利子負債か

【計算方法】
自己資本比率(%)=自己資本÷資産合計×100

【優秀と認定する目安】
自己資本比率:30%以上80%以内
現金>有利子負債であること
※ただし、一概に自己資本比率が高ければいいというわけではなく、有利子負債が多いとダメでもなく、業態や企業の成長フェーズによって個別に評価する必要がある、と考えています。)

★キャッシュ創出力
【主な指標】
営業CFがプラスか、営業CF>営業利益か

【優秀と認定する目安】
営業CFがプラスであること
営業CF>営業利益であること

■決算発表内容分析

それでは、上記のものさしに沿って、実際に決算発表内容を分析していきます。

●成長性のチェック

売上高は前年同期比+3.1%でした。
営業利益は同▲29.3%でした。
純利益は同▲20.5%でした。

増収減益の決算となりました。
ハンドソープなどコロナ影響による需要拡大があった前期の反動により減収となったものの、海外事業(中国)や産業用品事業(化学品)が牽引し、増収となりました。
海外のハンドソープ市場は2019年比で、タイで1.8倍、マレーシアで2.8倍、韓国で1.6倍と、拡大しました。
営業利益、純利益の減益は、原材料価格の上昇や競争費用の増加が要因です。

セグメント別の売上高構成比、事業利益構成比は以下の通りです。
2030年に向かって、海外比率を50%まで引き上げることを目標に掲げています。
国内市場だけでは需要は限られていますので、海外に打って出る姿勢は好感が持てます。

現在の海外事業の総売上高を地域別に見ると、以下の通りです。
東南アジアは洗濯用洗剤の販売強化により増収となりました。
(前年比+1.3% タイ:+0.9%。マレーシア:+1.4%
北東アジアはECやライブコマースなどの販売強化により継続して好調な中国が牽引し、増収となりました。
(前年比+6.3% 中国:+21.7%、韓国:▲4.7%)

●収益性のチェック

売上高営業利益率は8.5%、売上高純利益率は6.5%でした。
いずれも指標としている数値を下回りました。

過去6年間(2015年12月期~2020年12月期)の利益率推移は以下の通りです。
売上高営業利益率:4.3%、6.2%、6.6%、9.8%、8.6%、12.4%
売上高純利益率 :2.8%、4.0%、4.8%、7.3%、5.9%、 8.4%

ROEは9.4%でした。
指標の15%には届きませんでした。

●安全性のチェック

自己資本比率は58.8%でした。
現金97,250に対し、有利子負債は1,803と、現金が有利子負債を上回りました。
安全性は問題ありません。

●キャッシュ創出力のチェック

営業CFは+19,296と、キャッシュインとなりました。
営業利益31,178は下回りました。

■業績予想(会社発表)に対する進捗度

会社が発表した業績予想に対する進捗度は、年間の業績予想が妥当なものかを考える上で大切な指標です。
もし進捗度が高い場合は、業績予想の上方修正が発表される可能性もあります。
Q1は25%、Q2は50%、Q3は75%、Q4は100%を超えている場合を優秀と定義して、チェックしていきます。
もちろん企業によって季節波動がありますので、単純に数値だけをみるのではなく、前年度の四半期進捗を参考にするのも大事ですね。

通期での達成度は、売上高100.3%、営業利益103.9%、純利益110.5%です。

■来期の業績予想(会社四季報情報)から見る将来成長性

会社四季報では、過去の業績に加えて、今期の業績予想、来期の業績予想が記載されています。
会社四季報の記者が会社に取材をし、分析した結果掲載されている予想値です。
会社が発表している業績予想と一致する場合もあれば、ずれることもあります。
このずれがある時は、注意が必要です。

※SBI証券お客様サイトより、同社の会社四季報情報を抜粋

今期の会社発表業績予想から、来期の四季報発表業績予想への成長性を見ていきます。
売上高は+4.1%、営業利益は+10.0%、純利益は+7.0%と予想されています。

会社予想は四季報予想より保守的な内容になっています。
会社予想でみると、売上高は+2.4%、営業利益は▲11.8%、純利益は▲15.8%です。

※同社の決算短信より抜粋

■株価水準とチャートの動き

2/18(金)の終値は1,509円。PERは21倍です。
過去5年間の株価の動き(週足)は以下の通りです。

※SBI証券お客様サイトより、同社の株価チャートを抜粋

2020年のコロナショック前は、株価は1,900円~2,500円程度で推移してきました。
コロナショック後、衛生意識の高まりによる増収増益(2020年12月期)もあり株価は過去のレンジを抜けて2,822円まで大きく増加しましたが、今期(2021年12月期)は反動で減益、来期(2022年12月期)も減益予想ということもあり、株価は下落基調にあります。
製品の値上げの判断がないと、業績の回復、株価の回復も期待できないのかもしれません。

■私の投資戦略

以上の分析内容を簡単に表に整理すると、以下のようになります。

増収減益の決算となりました。
最近の原油高をはじめとする原材料価格の高騰の影響が大きく、減益となりました。
原材料価格の高騰に対し、製品の値上げを発表する会社が数多く出てきている中、同社は値上げには消極的です。
製品の値上げのスタンスについて決算説明会でアナリストから質問があり、掬川社長は以下のように回答しました。

・現時点では出荷価格の引き上げ、値上げは想定していないし、計画にも織り込んでいない
・ただし、原材料価格上昇により今期すでに60億円程度の減益インパクトがでている
・当面はトータルコストダウンの加速により吸収をはかることを基本スタンスとする
・原材料価格の高止まりが長期で継続、為替が円安に進み実質的な原材料価格上昇がさらにかさ上げされるようであれば、特売頻度の減少など、実質的な値上げにつながる施策は検討する
・(花王は3月から値上げをするが)追随は計画していない
・出荷価格の引き上げは最後の手段と思っている

利用者にとっては優しい会社ですね。
一方で、投資家・株主目線で言うと、自信を持って値上げが出来ない会社(値上げすると顧客が離れてしまう、もしくはそう思っている会社)は将来衰退していくと思いますので、しかるべきタイミングで値上げに踏み切る判断をするのか、注目したいと思います。

過去7年間の売上高・営業利益・純利益・EPSの推移は以下の通りです。
2018年12月期より国際会計基準(IFRS)適用により基準が変わっています。
売上高は2018年12月期以降横ばい、EPSはここ数年凸凹があるものの概ね右肩上がりで推移しています。

私の投資戦略における同社の位置づけは、株主優待を通して株式投資の楽しさ・ありがたさを感じることが目的の「優待銘柄」です。
株主優待が続く限り長期保有、永久保有を前提に考えている銘柄です。
従って、株価が低迷しても売却する予定はありません。
来期は7年連続増配となる1円増配(24円→25円)も予定され、100億円の自己株式取得・消却を発表するなど、優待以外の株主還元方針も示されています。
優待の他に配当もコツコツ頂けるのはありがたいですね。
現在の株価で配当利回りは1.7%、優待を1,000円と計算すると総合利回りは2.3%です。
利回りが特別優れているわけではありませんが、悪くないかなと思っています。
身近な製品、不況にも強い必需品を取り扱っており、不況にも強い銘柄だと思っています。
私のポートフォリオはいわゆるグロース銘柄の割合が多いため、こうした安定感を期待できる銘柄もポートフォリオには入れておきたいと考えています。
以上が私の戦略です。

■まとめ

私はだいたい25銘柄程度の注目銘柄を決めて、決算発表内容と会社四季報を見比べながら、上記のような観点で継続的に観察しています。
そして5年で株価2倍が期待できる銘柄を、いいタイミングで買うことを目指しています。
上記の銘柄を推奨するわけではありませんが、銘柄選択の視点や考え方など、読者の皆さんの参考になれば嬉しいです。

私が銘柄選びの基準や、仕掛けるタイミング、投資に対する考え方について参考にしている書籍は以下の通りです。
よろしければ読んでみて下さい。

私の資産形成モチベーションの原点です!「自分のためにお金を働かせる」という思考を強烈に植え付けられました。

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長期投資家は暴落相場で買って買って買いまくる!

毎年資産+10%達成を目指して、引き続き頑張ります!
ということで、本日は以上です!
お読み頂きありがとうございました!

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