皆さんこんにちは。
個別株投資で毎年資産+10%を目指すサラリーマン投資家、かたつむり君です。
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通勤時間や平日の夜、週末の時間を使って、売買候補となる銘柄の研究を行っています。
日々様々な情報が飛び交いますが、年に4回(四半期に1回)行われる決算発表は、企業の業績・状態を把握し、今後の投資戦略を考える上で特に重要な情報です。
この記事では、私が保有中 or 気になっている銘柄の決算発表内容をチェックし、今後の投資戦略について私なりの視点で書いていきます。
記載している銘柄を推奨しているわけではありませんが、私の視点や考え方が読者の皆さんの参考になれば嬉しいです。
■本日のチェック銘柄
今日チェックするのはセキュリティサービスを提供するクラウド ストライク ホールディングス(ティッカーシンボル:CRWD)です。
NASDAQ上場で、決算期は1月です。
SBI証券お客様サイト内の銘柄サマリー情報より数値を抜粋すると、時価総額は364億ドル、従業員数は5,505人です。
同社には「1-10-60ルール」というのがあります。
「1分で侵害を検知。10分で調査。60分で修復。」というものです。
高い技術力があるからこその標語だと思いますし、今後サイバーセキュリティは間違いなく社会の大きな課題として顕在化してくると思いますので、その中で成長が期待できる同社に注目しています。
なお、現在私はクラウド ストライク ホールディングスの株を保有していません。
■決算発表内容の概要
2022/6/2(木)に発表した2022年2~4月期(第1四半期)決算の主な内容は以下の通りです。
【主な決算内容】(単位:百万ドル)
・売上高 (Total revenue):488(前年同期:303 前年同期比:+61.1%)
・営業利益(Loss from operations):▲24(前年同期:▲31 前年同期比:-)
・純利益 (Net loss attributable to CrowdStrike):▲32(前年同期:▲85 前年同期比:-)
・資産合計(Total assets):3,836(前期末:3,618)
・自己資本(Total CrowdStrike Holdings, Inc. stockholders’ equity):1,103(前期末:1,026)
・現金 (Cash and cash equivalents):2,153(前期末:1,997)
・有利子負債(Long-term debt):740(前期末:740)
・営業CF(Net cash provided by operating activities):+215(前年同期:+148)
・投資CF(Net cash (used in) provided by investing activities):▲61(前年同期:▲385)
・財務CF(Net cash provided by financing activities):+5(前年同期:+3)
■決算発表内容分析のものさし
決算発表内容について、私は主に①成長性、②収益性、③安全性、④キャッシュ創出力、の4つの観点からチェックをしています。
それぞれの観点について、主な指標とその計算方法、優秀と認定する目安は以下の通りです。
優秀と認定する目安をクリアした項目が多い銘柄ほど、買いたい銘柄、保有し続けたい銘柄ということになります。
★成長性
【主な指標】
増収率、増益率(営業利益・純利益)
【計算方法】
増収率(%)=(今期の売上÷前期の売上-1)×100
増益率(%)=(今期の利益÷前期の利益-1)×100
【優秀と認定する目安】
増収率、増益率ともに+10%以上
★収益性
【主な指標】
売上高営業利益率、売上高純利益率、ROE(自己資本利益率)
【計算方法】
売上高営業利益率(%)=営業利益÷売上高×100
売上高純利益率(%) =純利益 ÷売上高×100
ROE(%) =純利益÷自己資本×100
※四半期決算時は純利益を年換算し算定
【優秀と認定する目安】
売上高営業利益率:15%以上
売上高純利益率 :10%以上
ROE :15%以上
★安全性
【主な指標】
自己資本比率、現金>有利子負債か
【計算方法】
自己資本比率(%)=自己資本÷資産合計×100
【優秀と認定する目安】
自己資本比率:30%以上80%以内
現金>有利子負債であること
※ただし、一概に自己資本比率が高ければいいというわけではなく、有利子負債が多いとダメでもなく、業態や企業の成長フェーズによって個別に評価する必要がある、と考えています。
★キャッシュ創出力
【主な指標】
営業CFがプラスか、営業CF>営業利益か
【優秀と認定する目安】
営業CFがプラスであること
営業CF>営業利益であること
■決算発表内容分析
それでは、上記のものさしに沿って、実際に決算発表内容を分析していきます。
●成長性のチェック
Q1の売上高は前年同期比+61.1%でした。
営業利益は前期に続き赤字。▲31から▲24に、赤字幅はやや縮小しました。
純利益は前期に続き赤字。 ▲85から▲32に、赤字幅が拡大しました。
売上高は非常に高い成長率を示しました。
2019年2~4月期(20Q1)以来、約3年間の四半期売上高の推移は以下の通りです。
安定的かつ継続的に成長が続いています。
売上高は「Subscription」と「Professional services」に分かれますが、94%が「Subscription」と大部分を占めています。
営業利益が赤字の理由は、販売管理費を多く投入しているためです。
販管費の50%を占める「Sales and marketing」は前年同期比+43%増加しました。
販管費の32%を占める「Research and development」は同+57%増加しました。
現在は販売管理費をしっかり投入して、トップライン(売上高)を伸ばしていくというフェーズです。
四半期純利益と売上高純利益率の推移は以下の通りです。
22Q1をピークに、赤字幅がだんだんと小さくなっています。
●収益性のチェック
営業利益、純利益はいずれも赤字のため、収益性のチェックは割愛します。
売上総利益(Total gross profit)は318で、粗利率(売上総利益÷売上高)は74%と非常に利益率は高いです。
投資を抑制しても安定的に売上を稼げるようになれば、高い収益性が期待できるのではないかと思っています。
●安全性のチェック
自己資本比率は28.7%でした。
保有している現金は2,153、有利子負債は740で、現金が有利子負債を上回りました。
資産合計のうち現金の占める割合は56%と、現金比率が高いなと感じています。
今後の成長に向けて、現金をどのように使っていくのかにも注目していきたいと思います。
●キャッシュ創出力のチェック
Q1の営業CFは+215と、キャッシュインとなりました。
Q1の営業利益は赤字のため、営業利益を上回るキャッシュインとなりました。
キャッシュフローの概要を図にすると以下の通りです。
参考:危ない会社への投資を回避できる!キャッシュ・フロー8つのパターン!
■業績予想に対する進捗度
SBI証券お客様サイト内の「財務詳細」情報に記載されている今期業績予想に対する進捗度をチェックします。
業績予想に対する進捗度は、年間の業績予想が妥当なものかを考える上で大切な指標です。
もし進捗度が高い場合は、業績予想の上方修正が発表される可能性もあります。
Q1は25%、Q2は50%、Q3は75%、Q4は100%を超えている場合を優秀と定義して、チェックしていきます。
もちろん企業によって季節波動がありますので、単純に数値だけをみるのではなく、前年度の四半期進捗を参考にするのも大事ですね。
業績予想に対する進捗度は、売上高:22.1%でした。
純利益は赤字▲175の通期予想に対し、▲32でした。
■来期の業績予想から見る将来成長性
SBI証券お客様サイト内の「財務詳細」情報より、来期の業績予想をチェックします。
今期の業績予想を起点に、来期の成長性を見ていきます。
来期の売上高成長率は+36.3%です。
過去の増収率と比べるとだんだん成長率が落ちてきていますが、それでもなお高い成長率になると予想されています。
純利益は来期も赤字予想です。
赤字幅は今期と同水準です。
黒字になるタイミングでは株価が大きく上昇することも予想されますので、四半期純利益の動きを観察していきたいと思います。
■株価水準とチャートの動き
6/17(金)の終値は163ドルです。純利益予想が赤字のためPER情報はありません。
過去5年の株価の動き(週足)は以下の通りです。
2020年のコロナショックでは上場来安値の31ドル台まで下落しましたが、その後大きく上昇し、昨年11月には上場来高値298ドルを記録しました。
その後は下落に転じました。
前回の決算発表(3/9)以降一旦上昇したものの、相場全体が軟調であったこともあり、現在は再び下落基調となっています。
現在の株価は最高値から▲45%程の水準です。
■私の投資戦略
以上の分析内容を簡単に表に整理すると、以下のようになります。
四半期純利益は赤字が続いているものの、売上高は力強く成長を続けており、四半期純利益の赤字幅もだんだんと小さくなっており、今後に期待が出来る決算でした。
ただし、SBI証券サイト上の来期(2024年1月期)も純利益は赤字予想となっているため、焦ってエントリーせず、じっくりタイミングを探っていきたいと考えています。
サイバーセキュリティは間違いなく重要な社会課題ではあるものの、なかなか顕在化しない(目に見えない)ため、株式市場の注目テーマど真ん中にはなりにくい印象があることも、二の足を踏んでしまう要素です。
「5年で株価2倍」を狙うためにも、十分に株価が下がるまで、じっくり待ちたいと思います。
3ヶ月前の記事では、「150ドルあたりを最初のエントリーの目安に考えています」と書きましたが、もう10%、20%、下がるのを待ってもいいかなと考えています。
今は円安ドル高が進んでおり、米国株は全体的に様子見中ですので、為替が落ち着くのをじっくり待ちつつ、エントリーの是非を含め考えていきたいと思います。
以上が私の戦略です。
■まとめ
私はだいたい25銘柄程度の注目銘柄を決めて、決算発表内容と会社四季報を見比べながら、上記のような観点で継続的に観察しています。
そして5年で株価2倍が期待できる銘柄を、いいタイミングで買うことを目指しています。
上記の銘柄を推奨するわけではありませんが、銘柄選択の視点や考え方など、読者の皆さんの参考になれば嬉しいです。
毎年資産+10%達成を目指して、引き続き頑張ります!
ということで、本日は以上です!
お読み頂きありがとうございました!
■参考:同社に関する過去の記事
・【クラウドストライク】22/3/9決算発表内容と私の投資戦略
※22/3/9(水)に発表した2021年11月~2022年1月期(第4四半期)決算についての記事です。
・【クラウドストライク】21/12/1決算発表内容と私の投資戦略
※21/12/1(水)に発表した2021年8月~10月期(第3四半期)決算についての記事です。
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