損益計算書(PL)ばかりが注目されがちな決算書ですが、貸借対照表(BS)も投資先を選ぶ上で有益です。
財政状態が危険な会社に投資しないように、貸借対照表を見る目も養い、投資の勝率を高めていきましょう!
この記事では、5大商社の自己資本比率を比較します。
財務の安全性を示す自己資本比率が一番高いのはどこの会社か?
少しでも学びがあれば幸いです。
■5大商社の自己資本比率を比較
過去5年(2018年3月期~2022年3月期)と2023年3月期第3四半期の自己資本比率の推移は以下の通りです。
最も自己資本比率が高いのは三井物産です。
直近2023年3月期第3四半期の自己資本比率は39.3%と、40%まであと一歩のところまで上昇し、他の4社と3~6ポイントの差をつけています。
自己資本比率は「自己資本 ÷ 資産合計 × 100%」で算出します。
自己資本、資産合計の各社の推移は以下の通りです。
規模に関しては、三菱商事が頭一つ抜け出していることがわかります。
■三井物産、過去5年の貸借対照表の推移は?
三井物産の過去5年の貸借対照表の推移は以下の通りです。
2022年3月期に貸借対照表の規模が大きくなりました。
特に流動資産は前期の4兆2,075億円から5兆7,167億円に、約36%も増加しました。
その要因は化学品セグメントにおける欧州農薬販社Balchim Corp Protectionの連結化で、、売掛金が+5,034億円、棚卸資産が+3,345億円、それぞれ増加しました。
連結化によって自己資本比率が目立って悪化することもなく、財務規律を保ちながら規模を拡大させています。
■おわりに
自己資本比率の比較、いかがでしたでしょうか?
三井物産の自己資本比率が一番高い結果となりました。
各社とも2020年3月期はコロナ禍の影響か一時的に下落しましたが、その後は資源価格高騰による好業績も追い風に、改善してきており、特筆すべき懸念のある会社はないと感じました。
最新の自己資本比率が何%かも大切ですが、過去数年の推移を捉えることも重要です。
今後も定期的にチェックしていこうと思います。
少しでも皆さんの投資の役に立てば幸いです。
本日もお読み頂きありがとうございました!
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