【ビザ】22/4/26決算発表内容と私の投資戦略

決算分析

皆さんこんにちは。
個別株投資で毎年資産+10%を目指すサラリーマン投資家、かたつむり君です。
通勤時間や平日の夜、週末の時間を使って、売買候補となる銘柄の研究を行っています。
日々様々な情報が飛び交いますが、年に4回(四半期に1回)行われる決算発表は、企業の業績・状態を把握し、今後の投資戦略を考える上で特に重要な情報です。

この記事では、私が保有中 or 気になっている銘柄の決算発表内容をチェックし、今後の投資戦略について私なりの視点で書いていきます。

記載している銘柄を推奨しているわけではありませんが、私の視点や考え方が読者の皆さんの参考になれば嬉しいです。

スポンサーリンク

■本日のチェック銘柄

今日チェックするのはクレジットカード大手のビザ(ティッカーシンボル:V)です。
ニューヨーク証券取引所(NYSE)上場で、決算期は9月です。
SBI証券お客様サイト内の「銘柄サマリー」情報より数値を抜粋すると、時価総額は4,216億ドル、従業員数は21,500名です。

私がこの会社に注目している理由は、
①世界的な知名度とブランド力を持っているから
②収益性の高いビジネスモデルを持っているから

③グローバルなキャッシュレス化の流れの中で今後も成長が続くと思っているから
です。

なお、現在私は、ビザの株を保有していません。

■決算発表内容の概要

2022/4/26(火)に発表した2022年1~3月期(第2四半期)決算の主な内容は以下の通りです。

【主な決算内容】(単位:百万ドル)
売上高 (Net revenues):7,189(前年同期:5,729 前年同期比: +25.5%)
営業利益(Operating income):4,802(前年同期:3,581 前年同期比:+34.1%)
純利益 (Net income):3,647(前年同期:3,026 前年同期比:+20.5%)
資産合計(Total assets):81,808(前期末:82,896)
自己資本(Total equity):35,989(前期末:37,589)
現金  (Cash and cash equivalents):12,299(前期末:16,487)
有利子負債(Current maturities of debt, Long-term debt):21,027(前期末:20,977)
営業CF(Net cash provided by operating activities):+7,721(前年同期:+6,842)※累計
投資CF(Net cash provided by (used in) investing activities):▲2,332(前年同期:+1,474)※累計
財務CF(Net cash used in financing activities):▲8,367(前年同期:▲7,945)※累計

■決算発表内容分析のものさし

決算発表内容について、私は主に①成長性、②収益性、③安全性、④キャッシュ創出力、の4つの観点からチェックをしています。

それぞれの観点について、主な指標とその計算方法、優秀と認定する目安は以下の通りです。
優秀と認定する目安をクリアした項目が多い銘柄ほど、買いたい銘柄、保有し続けたい銘柄ということになります。

★成長性
【主な指標】
増収率、増益率(営業利益・純利益)

【計算方法】
増収率(%)=(今期の売上÷前期の売上-1)×100
増益率(%)=(今期の利益÷前期の利益-1)×100

【優秀と認定する目安】
増収率、増益率ともに+10%以上

★収益性
【主な指標】
売上高営業利益率、売上高純利益率、ROE(自己資本利益率)

【計算方法】
売上高営業利益率(%)=営業利益÷売上高×100
売上高純利益率(%) =純利益 ÷売上高×100
ROE(%)      =純利益÷自己資本×100
※四半期決算時は純利益を年換算し算定

【優秀と認定する目安】
売上高営業利益率:15%以上
売上高純利益率 :10%以上
ROE      :15%以上

★安全性
【主な指標】
自己資本比率、現金>有利子負債か

【計算方法】
自己資本比率(%)=自己資本÷資産合計×100

【優秀と認定する目安】
自己資本比率:30%以上80%以内
現金>有利子負債であること
※ただし、一概に自己資本比率が高ければいいというわけではなく、有利子負債が多いとダメでもなく、業態や企業の成長フェーズによって個別に評価する必要がある、と考えています。

★キャッシュ創出力
【主な指標】
営業CFがプラスか、営業CF>営業利益か

【優秀と認定する目安】
営業CFがプラスであること
営業CF>営業利益であること

■決算発表内容分析

それでは、上記のものさしに沿って、実際に決算発表内容を分析していきます。

●成長性のチェック

Q2の売上高は前年同期比+25.5%、営業利益は同+34.1%、純利益は同+20.5%でした。
累計の売上高は前年同期比+24.8%、営業利益は同+29.0%、純利益は同+23.6%でした。
いずれも20%を超える高成長となりました。

同社が重要視している以下の指標(Key Business Drivers)は、それぞれ増加しました。
・決済総額(Payments Volume) 前年同期比+17%
・クロスボーダー決済額(Cross-border volume) 同+38%
・決済処理件数(Processed Transactions) 同+19%

クロスボーダー決済額は、ヨーロッパ域内での決済額を除くと+47%伸びました。

●収益性のチェック

Q2の売上高営業利益率は66.8%、売上高純利益率は50.7%でした。
累計の売上高営業利益率は67.2%、売上高純利益率は53.4%でした。
いずれも50%超と、非常に高い収益性を誇っています。

ROEも42.3%と非常に高い数値となりました。

●安全性のチェック

自己資本比率は44.5%でした。
保有している現金は12,299、有利子負債は21,027と、有利子負債が現金を上回りました。

●キャッシュ創出力のチェック

Q2累計の営業CFは+7,721と、キャッシュインとなりました。
累計営業利益9,578は下回りました。

キャッシュフローの概要を図にすると以下の通りです。


財務CFが▲8,367と大きく、営業CFを上回っています。
財務CFの主な要因は自社株買い(Repurchase of class A common stock:▲7,053)、配当金の支払い(Dividends paid:▲1,611)です。
積極的な株主還元姿勢がキャッシュフローに表れています。
参考:危ない会社への投資を回避できる!キャッシュ・フロー8つのパターン!

■業績予想に対する進捗度

SBI証券お客様サイト内の「財務詳細」情報に記載されている今期業績予想に対する進捗度をチェックします。
業績予想に対する進捗度は、年間の業績予想が妥当なものかを考える上で大切な指標です。
もし進捗度が高い場合は、業績予想の上方修正が発表される可能性もあります。
Q1は25%、Q2は50%、Q3は75%、Q4は100%を超えている場合を優秀と定義して、チェックしていきます。
もちろん企業によって季節波動がありますので、単純に数値だけをみるのではなく、前年度の四半期進捗を参考にするのも大事ですね。

業績予想に対す進捗度は売上高:50.2%、純利益:50.2%と順調に進捗しました。

■来期の業績予想から見る将来成長性

SBI証券お客様サイト内の「財務詳細」情報より、来期の業績予想をチェックします。
今期の業績予想を起点に、来期の成長性を見ていきます。

※SBI証券お客様サイトより、同社の業績予想を抜粋

来期の売上高成長率は+13.0%、純利益成長率は+15.1%と、増収増益が予想されています。

■株価水準とチャートの動き

4/27(水)の終値は214ドルです。PERは28倍です。
過去5年の株価の動き(週足)は以下の通りです。

※SBI証券お客様サイトより、同社の株価チャートを抜粋

コロナショックで2020年には一時的に大きく株価が調整しましたが、その後すぐ右肩上がりのトレンドに戻し、上昇してきました。
しかし、2021年中盤以降株価がやや低迷し、移動平均線が下向きになってきています。

■私の投資戦略

以上の分析内容を簡単に表に整理すると、以下のようになります。

売上高は+25%の増収、純利益は+20.5%の増益と、Q1に続いて好調な決算でした。
毎回驚かされますが、売上高営業利益率は66.8%、売上高純利益率は50.7%と、極めて高い利益率を残しました。
インフレにより消費が冷え込むのかなと思っていましたが、現時点ではそのような気配はありません。
むしろ、今後単価の大きい旅行需要が戻ってくると、さらに力強く成長するのかもしれませんね。

過去10年間の売上高・営業利益・純利益・EPSの推移は以下の通りです。

全体的に右肩上がりで推移しており、業績の推移と株価の推移が連動していることを感じます。
また、他社と比較して、営業利益・純利益の棒グラフが非常に長いです。
利益率の高さが表れています。

同じ10年間の利益率の推移は以下の通りです。

10年間の平均利益率は売上高営業利益率が64%、売上高純利益率が43%です。
驚異的としか言いようがありません。

業績・株価が安定的に推移していることから、大きな下落は期待できないかもしれませんが、180ドルあたりまで下がれば、仕掛けていきたいと思っています。(現在の株価▲16%程の水準)
同社は配当利回りが高いわけではないので(この金額で買えても0.8%ほど)、やはり値上がり益を狙いたいところです。
そうすると安くなるまでじっくり待ちたい。
もし下がらなければ買えなくても仕方ない。
そんな気持ちで観察を続けたいと思います。

以上が私の戦略です。

■まとめ

私はだいたい25銘柄程度の注目銘柄を決めて、決算発表内容と会社四季報を見比べながら、上記のような観点で継続的に観察しています。
そして5年で株価2倍が期待できる銘柄を、いいタイミングで買うことを目指しています。
上記の銘柄を推奨するわけではありませんが、銘柄選択の視点や考え方など、読者の皆さんの参考になれば嬉しいです。

毎年資産+10%達成を目指して、引き続き頑張ります!
ということで、本日は以上です!
お読み頂きありがとうございました!

■参考:同社に関する過去の記事

【ビザ】22/1/27決算発表内容と私の投資戦略
※22/1/27(木)に発表した2021年10月~12月期(第1四半期)決算についての記事です。
【ビザ】21/10/26決算発表内容と私の投資戦略
※21/10/26(火)に発表した2021年7月~9月期(第4四半期)決算についての記事です。

コメント

タイトルとURLをコピーしました