【ネットフリックス】21/10/19決算発表内容と私の投資戦略

決算分析

私は毎年資産+10%達成を目標に投資に励むサラリーマン投資家です。

通勤時間や平日の夜、週末の時間を使って、売買候補となる銘柄の研究を行っています。
日々様々な情報が飛び交いますが、特に年に4回(四半期に1回)行われる決算発表は、企業の業績・状態を把握し、今後の投資戦略を考える上でとても重要な情報です。

この記事では、私が保有中 or 気になっている銘柄の決算発表内容をチェックし、今後の投資戦略について私なりの視点で書いていきます。
記載している銘柄を推奨しているわけではありませんが、私の視点や考え方が読者の方の参考になれば嬉しいです。

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■本日のチェック銘柄

今日チェックするのは動画配信サービスを提供するネットフリックス(ティッカーシンボル:NFLX)です。
NASDAQ所属で、決算期は12月です。
SBI証券お客様サイト内の銘柄サマリー情報より数値を抜粋すると、時価総額は2,945億ドル、従業員数は9,400人です。
主な事業内容は、サブスクリプションストリーミングエンターテインメントサービスです。
190カ国以上で事業を展開し、利用者はメンバーシップを支払うことで、様々なジャンルや言語で、様々なテレビシリーズ、ドキュメンタリー、長編映画を視聴することができます。

私がこの会社に注目している理由は、未来のメディアの在り方を変える可能性があると思っているからです。
スポンサーからの広告収入ではなく、利用者からお金を取るビジネスモデルである同社。
継続的に利用してもらうためには魅力的なコンテンツを作り続ける必要があり、そのためにコンテンツに対して莫大な資金を投じています。
ユーザーにとっての価値を追求する姿勢が現在のテレビとは全く異なり、近い将来テレビは駆逐され、エンターテイメントの中心になっているのではないかと予想しています。

なお、現在私はネットフリックスの株を1株保有しています。

■決算発表内容の概要

2021/10/19(火)に発表した2021年7~9月期(第3四半期)決算の主な内容は以下の通りです。

【主な決算内容】(単位:百万ドル)

売上高 (Revenues):7,483(前年同期:6,436 前年同期比: +16.3%)
営業利益(Operating Income):1,755(前年同期:1,315 前年同期比:+33.5%)
純利益 (Net income):1,449(前年同期:790 前年同期比:+83.4%)
資産合計(Total assets):42,740(前期末:39,280)
自己資本(Total stockholders’ equity):15,315(前期末:11,065)
現金  (Cash and cash equivalents):7,527(前期末:8,206)
有利子負債(Short-term debt, Long-term debt):15,493(前期末:16,309)
営業CF(Net cash provided by operating activities):+82(前年同期:+1,264)
投資CF(Net cash used in investing activities):▲189(前年同期:▲119)
財務CF(Net cash provided by financing activities):▲82(前年同期:+69)

■決算発表内容分析のものさし

決算発表内容について、私は主に①成長性②収益性③安全性④キャッシュ創出力、の4つの観点からチェックをしています。

それぞれの観点について、主な指標とその計算方法、優秀と認定する目安は以下の通りです。
優秀と認定する目安をクリアした項目が多い銘柄ほど、買いたい銘柄、保有し続けたい銘柄ということになります。

★成長性
【主な指標】
増収率、増益率(営業利益・純利益)

【計算方法】
増収率(%)=(今期の売上÷前期の売上-1)×100
増益率(%)=(今期の利益÷前期の利益-1)×100

【優秀と認定する目安】
増収率、増益率ともに+10%以上

★収益性
【主な指標】
売上高営業利益率、売上高純利益率、ROE(自己資本利益率)

【計算方法】
売上高営業利益率(%)=営業利益÷売上高×100
売上高純利益率(%) =純利益 ÷売上高×100
ROE(%)      =純利益÷自己資本×100
※四半期決算時のROEは純利益を年換算し算定

【優秀と認定する目安】
売上高営業利益率:15%以上
売上高純利益率 :10%以上
ROE      :15%以上

★安全性
【主な指標】
自己資本比率、現金>有利子負債か

【計算方法】
自己資本比率(%)=自己資本÷総資本×100

【優秀と認定する目安】
自己資本比率:30%以上80%以内
現金>有利子負債であること

※ただし、一概に自己資本比率が高ければいいというわけではなく、有利子負債が多いとダメでもなく、業態や企業の成長フェーズによって個別に評価する必要がある、と考えています。)

★キャッシュ創出力
【主な指標】
営業CFがプラスか、営業CF>営業利益か

【優秀と認定する目安】
営業CFがプラスであること
営業CF>営業利益であること

■決算発表内容分析

それでは、上記のものさしに沿って、実際に決算発表内容を分析していきます。

●成長性のチェック

売上高は前年同期比+16.3%でした。
営業利益は同+33.5%、純利益は同+83.4%でした。

売上高は+15%超、営業利益、純利益については大幅な増益となりました。
韓国で制作したドラマ「イカゲーム」の大ヒットによって、会員数も増え、売上・利益の増加につながったようです。
全世界での会員数(Global Streaming Paid Memberships)は2億1356件と、前年同期の1億9515件から9.4%伸びました。

●収益性のチェック

売上高営業利益率は23.5%、売上高純利益率は19.4%、ROEは39.3%でした。

いずれの利益率も、優秀の目安としている指標を8~9ポイントも上回りました。
年換算のROEも39.3と非常に高く、収益性の高さが伺えます。

●安全性のチェック

自己資本比率は35.8%でした。
前期末は28.2%でしたので、安全性は7.6ポイント改善しています。

保有している現金7,527に対し、有利子負債は15,493と、現金を大きく上回っています。
積極的に借り入れを行い投資している同社の姿勢が表れています。
有利子負債が多くても、そこから利益をあげ、営業CFがプラスで入ってきていれば、心配はありません。
利益、そしてキャッシュの推移に、今後も注目していきたいと思います。

●キャッシュ創出力のチェック

営業CFは+82と、キャッシュインとなりました。

前年同期の+1,264に比べても、営業利益1,755と比べても、キャッシュインが弱い印象です。
1月~9月の累計でみると、営業CFは+796、投資CFは▲386と、営業CFが上回っていますが、前年の営業CF+2,565と比べるやはり見劣りします。
営業CFの水準を今後も注目していきたいと思います。

■業績予想に対する進捗度

会社が発表した業績予想に対する進捗度は、年間の業績予想が妥当なものかを考える上で大切な指標です。
もし進捗度が高い場合は、業績予想の上方修正が発表される可能性もあります。
1Qは25%、2Qは50%、3Qは75%、4Qは100%を超えている場合を優秀と定義して、チェックしていきます。
もちろん企業によって季節波動がありますので、単純に数値だけをみるのではなく、前年度の四半期進捗を参考にするのも大事ですね。

業績予想に対する売上高の進捗度は74.0%でした。
営業利益の進捗度は91.8%、純利益の進捗度は72.4%でした。

売上高はほぼ計画通りであるのに対し、営業利益・純利益が予想を上回って進捗しています。
株価が上場来最高値圏にあるのも頷けます。

■来期の業績予想から見る将来成長性

SBI証券お客様サイト内の財務詳細情報より、来期の業績予想をチェックします。
今期の会社発表の業績予想を起点に、来期の成長性を見ていきます。

※SBI証券お客様サイトより、同社の業績予想を抜粋

来期の売上高成長率は+14.9%です。
営業利益は業績予想の掲載がないため割愛します。
来期の純利益成長率は+22.1%

売上高の成長率は今期並み、純利益の成長率は今期の+83.4%と比べるとペースは落ち着きますが、それでも+10%を超えるので大変優秀です。
高成長の今期と比べるのはかわいそうですね。

良いコンテンツを生み出せるか、という同社自身に関する要素と、コロナからの経済回復状況でおうち時間が減るかもしれないといった外部要素と、変動の要素は様々抱えているとは思いますが、それでもなお期待できる予想かと思います。

■株価水準とチャートの動き

直近の株価とPERは以下の通りです。
株価は上場来高値圏にあり、PERは60倍を超える水準です。

※SBI証券お客様サイトより、同社の株価情報を抜粋

過去5年間の株価の動き(週足)は以下の通りです。

※SBI証券お客様サイトより、同社の株価チャートを抜粋

時折数カ月にわたる横ばいや調整の局面も見受けられますが、それでも全体としては右肩上がりのトレンドとなっています。

コロナ禍の2020年中盤まで大きく上昇した後、600円を抜けられずに横ばっていましたが、ここにきてその600円の壁を抜けたので、今後の上昇が期待できるかもしれません。

■私の投資戦略

以上の分析内容を簡単に表に整理すると、以下のようになります。

成長性、収益性に関しては申し分なく、素晴らしい決算でした。
一方で気になるのはキャッシュ創出力です。
有利子負債が多く、積極的な借入から積極的に投資をしていくのは同社のスタイルですが、本業からしっかりキャッシュを生み出せているかは、要注目な点です。
前年同期に比べて営業CFが弱いのは気になりますので、今後も注目していきたいと思います。

株価は現在上場来高値圏ですので、追加での購入は考えていません。
また、保有が1株のみですし、5年10年と先にこの会社がどうなっているのかが楽しみでもありますので、株価が今後さらに上昇しても基本的には手仕舞いは考えず、長期保有を続ける考えです。

現在のポートフォリオの中での同社の割合は3%以下であまり全体に影響は与えませんので、株価の上下動はあまり気にせず、将来の同社の姿、新しいメディアの在り方を楽しみに、じっくり保有していこうと考えています。

■まとめ

長くなりましたが、お読み頂きありがとうございました!

私はだいたい25銘柄程度の注目銘柄を決めて、上記のような観点で継続的に観察を続けています。そして5年で株価2倍が期待できる銘柄を、いいタイミングで買うことを目指して日々観察をしています。
上記の銘柄を推奨するわけではありませんが、銘柄選択の視点や考え方など、読者の皆さんの参考になったのであれば嬉しいです。

毎年資産+10%達成を目指して、引き続き頑張ります!
ということで、本日は以上です!
お読み頂きありがとうございました!

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