個別株投資で毎年資産+10%を目指し、気になっている銘柄の決算発表内容を分析し、今後の投資戦略について私なりの視点で書いていきます。
株式投資を学ぶならファイナンシャルアカデミー■本日のチェック銘柄
今日チェックするのは仮想デスクトップソリューションを提供するアセンテック(証券コード:3565)です。
東証プライム市場上場で、決算期は1月です。
直近の四季報より数値を抜粋すると、時価総額は70億円、従業員数は84名です。
同社が掲げる企業理念は「簡単、迅速、安全に!お客様のビジネスワークスタイルの変革に貢献する」です。
私がこの会社に注目している理由は
①同社のサービスがテレワークの普及、働き方改革の実現に貢献すると考えているから
②テレワークが増える中でセキュリティ対策は今後ますます必要になっていくと考えているから
です。
現在私はアセンテックの株を100株保有しています。
■決算発表内容の概要
2022/12/14(水)に発表した2023年1月期第3四半期決算の主な内容は以下の通りです。
■決算発表内容分析のものさし
私は主に①成長性、②収益性、③安全性、④キャッシュ創出力、の4つの観点からチェックをしています。
それぞれの観点について、主な指標とその計算方法、優秀と認定する目安は以下の通りです。
優秀と認定する目安をクリアした項目が多い銘柄ほど、買いたい銘柄、保有し続けたい銘柄ということになります。
■決算発表内容分析
それでは、上記のものさしに沿って、実際に決算発表内容を分析していきます。
●成長性のチェック
売上高は前年同期比▲7.9%、営業利益は同▲22.9%、純利益は同▲11.7%でした。
減収の主な要因は半導体供給問題に起因する製品の納期遅延の発生、減益の主な要因は急激な円安によるコスト増です。
同社のビジネスにとって、厳しい外部環境が続いています。
7期連続増収増益を目指した今期ですが、厳しくなっています。
過去5年(2018年1月期~2022年1月期)と今期Q3の増収率の推移は以下の通りです。
増収率が低下していることがわかります。
●収益性のチェック
売上高営業利益率は9.5%、売上高純利益率は7.6%でした。
目安である15%、10%には届きませんでした。
直近6年間(2017年1月期~2022年1月期)と今期Q3の利益率の推移は以下の通りです。
だんだんと利益率が高まっています。
ここ4年ほどは利益率がだんだんと高まっていましたが、今期は売上高営業利益率が低下しています。
ROEは18.8%でした。
目安の15%を上回りました。
●安全性のチェック
自己資本比率は66.0%でした。
現金1,607百万円に対し、有利子負債は0、無借金経営です。
過去4年(2019年1月期~2022年1月期)と今期Q3の貸借対照表の推移は以下の通りです。
流動資産が負債合計を大きく上回り、財務の安全性は問題ありません。
●キャッシュ創出力のチェック
キャッシュフロー計算書は非開示のため、割愛します。
■業績予想(会社発表)に対する進捗度
前回9月の決算発表時に下方修正した通期業績予想に対する進捗度は、売上高:74.4%、営業利益:73.3%、純利益:78.4%です。
■来期の業績予想(会社四季報情報)から見る将来成長性
会社四季報から、来期の業績予想を見ていきます。
今期の会社予想から来期の四季報業績予想への成長率は、売上高:+12.7%、営業利益:+30.0%、純利益:+20.5%と予想されています。
目先の状況からすると、来期に大きく回復するかはまだ疑わしいので、次回3月の決算発表時に示される来期予想に注目したいと思います。
■株価水準とチャートの動き
12/16(金)の終値は473円、PERは約14倍です。
過去5年間の株価の動き(週足)は以下の通りです。
2017年4月の上場以降、1,000円を少し超えたあたりをなかなか抜けられずに来ましたが、2020年に入り、その壁を突破。
コロナショックで一旦は大きく調整しますが、テレワーク銘柄としての期待を集め、コロナショックの安値856円から3倍近くの水準まで上昇しました。
2020年10月以降は下落を続け、現在はコロナ前を下回り上場来安値です。
最高値から▲81%ほど下落した水準です。
■私の投資戦略
以上の分析内容を簡単に表に整理すると、以下のようになります。
半導体供給問題に起因する製品の納期遅延の発生や、急激な円安によるコスト増など、厳しい外部環境の影響もあり、7期連続増収増益は難しくなってきました。
前回決算発表での業績予想の下方修正もあり、今期は減収減益での着地が濃厚です。
過去6年間(2017年1月期~2022年1月)、今期予想(会社発表)、来期予想(四季報予想)の売上高・営業利益・純利益・EPSの推移は以下の通りです。
来期は復調する動きになっていますが、果たして四季報予想通りに来期予想がたてられるのかはやや疑わしいところです。
次回3月の決算発表時に示される来期予想に注目したいと思います。
「5年で株価2倍」を狙って、今年1月に100株を購入しました。
コロナ禍でテレワーク銘柄として大きな注目を集めた反動で株価が大きく下落することは理解できますが、コロナ前の水準を下回るほどに下落した現在の株価はさすがに下がり過ぎだと考えてエントリーしました。
前回決算発表以降は、550円(第1次買付から▲26%)をターゲットに観察していましたが、現在の株価はこの水準を大きく下回っています。
株価的には追加買付をしてもいい水準ではありますが、来期予想を確認したいこと、2023年の景気後退懸念で相場全体が軟調に推移する可能性があることから、もうしばらく様子をみたいと思っています。
2020年ほど一気にテレワークニーズが高まることはもうないと思いますが、アフターコロナの世界でもテレワークがなくなることはなく、長い時間をかけてテレワーク定着がじわじわ進んでいくと考えていますので、これからもじっくり応援していきます。
以上が私の戦略です。
■おわりに
私はだいたい25銘柄程度の注目銘柄を決めて、決算発表内容と会社四季報を見比べながら、上記のような観点で継続的に観察しています。
そして5年で株価2倍が期待できる銘柄を、いいタイミングで買うことを目指しています。
上記の銘柄を推奨するわけではありませんが、銘柄選択の視点や考え方など、読者の皆さんの参考になれば嬉しいです。
毎年資産+10%達成を目指して、引き続き頑張ります!
ということで、本日は以上です!
お読み頂きありがとうございました!
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■参考:同社に関する過去の記事
・【アセンテック】22/9/14決算発表内容と私の投資戦略
※22/9/14(水)に発表した2023年1月期第2四半期決算についての記事です。
・【アセンテック】22/6/13決算発表内容と私の投資戦略
※22/6/13(月)に発表した2023年1月期第1四半期決算についての記事です。
・【アセンテック】22/3/14決算発表内容と私の投資戦略
※22/3/14(金)に発表した2022年1月期第4四半期決算についての記事です。
・【アセンテック】21/12/10決算発表内容と私の投資戦略
※21/12/10(金)に発表した2022年1月期第3四半期決算についての記事です。
・【銘柄研究!】本日の気になる銘柄~アセンテック
※21/9/10(金)に発表した2022年1月期第2四半期決算についての記事です。
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