【アセンテック】22/9/14決算発表内容と私の投資戦略

決算分析

個別株投資で毎年資産+10%を目指し、気になっている銘柄の決算発表内容を分析し、今後の投資戦略について私なりの視点で書いていきます。

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■本日のチェック銘柄

今日チェックするのは仮想デスクトップソリューションを提供するアセンテック(証券コード:3565)です。

東証プライム市場上場で、決算期は1月です。
直近の四季報より数値を抜粋すると、時価総額は85億円、従業員数は84名です。

同社が掲げる企業理念は「簡単、迅速、安全に!お客様のビジネスワークスタイルの変革に貢献する」です。


私がこの会社に注目している理由は
①同社のサービスがテレワークの普及、働き方改革の実現に貢献すると考えているから
②テレワークが増える中でセキュリティ対策は今後ますます必要になっていくと考えているから

です。


現在私はアセンテックの株を100株保有しています。

■決算発表内容の概要

2022/9/14(水)に発表した2023年1月期第2四半期決算の主な内容は以下の通りです。

■決算発表内容分析のものさし

決算発表内容について、私は主に①成長性、②収益性、③安全性、④キャッシュ創出力、の4つの観点からチェックをしています。

それぞれの観点について、主な指標とその計算方法、優秀と認定する目安は以下の通りです。
優秀と認定する目安をクリアした項目が多い銘柄ほど、買いたい銘柄、保有し続けたい銘柄ということになります。

★成長性
【主な指標】
増収率、増益率(営業利益・純利益)

【計算方法】
増収率(%)=(今期の売上÷前期の売上-1)×100
増益率(%)=(今期の利益÷前期の利益-1)×100

【優秀と認定する目安】
増収率、増益率ともに+10%以上

★収益性
【主な指標】
売上高営業利益率、売上高純利益率、ROE(自己資本利益率)

【計算方法】
売上高営業利益率(%)=営業利益÷売上高×100
売上高純利益率(%) =純利益 ÷売上高×100
ROE(%)      =純利益÷自己資本×100
※四半期決算時は純利益を年換算し算定

【優秀と認定する目安】
売上高営業利益率:15%以上
売上高純利益率 :10%以上
ROE      :15%以上

★安全性
【主な指標】
自己資本比率、現金>有利子負債か

【計算方法】
自己資本比率(%)=自己資本÷資産合計×100

【優秀と認定する目安】
自己資本比率:30%以上80%以内
現金>有利子負債であること
※ただし、一概に自己資本比率が高ければいいというわけではなく、有利子負債が多いとダメでもなく、業態や企業の成長フェーズによって個別に評価する必要がある、と考えています。)

★キャッシュ創出力
【主な指標】
営業CFがプラスか、営業CF>営業利益か

【優秀と認定する目安】
営業CFがプラスであること
営業CF>営業利益であること

■決算発表内容分析

それでは、上記のものさしに沿って、実際に決算発表内容を分析していきます。

●成長性のチェック

売上高は前年同期比▲9.8%、営業利益は同▲16.6%、純利益は同▲8.5%でした。

7期連続増収増益を目指す今年度ですが、Q1に続きQ2でも減収減益となり、業績の下方修正も発表されました。

減収の主な要因は半導体供給問題に起因する製品の納期遅延の発生、減益の主な要因は急激な円安によるコスト増です。

同社のビジネスにとって、厳しい外部環境が続いています。
7期連続増収増益は厳しくなっています。

●収益性のチェック

売上高営業利益率は11.0%、売上高純利益率は8.3%でした。
目安である15%、10%には届きませんでした。

直近6年間(2017年1月期~2022年1月期)の利益率の推移は以下の通りです。
だんだんと利益率が高まっています。


ROEは20.2%でした。
目安の15%を上回りました。

●安全性のチェック

自己資本比率は61.8%でした。
現金1,841百万円に対し、有利子負債は0、無借金経営です。
現金が負債合計(1,437)を上回っており、財務の安全性は問題ありません。

過去4年(2019年1月期~2022年1月期)と今期Q2の貸借対照表の推移は以下の通りです。

流動資産が負債合計を大きく上回り、財務の安全性は問題ありません。

●キャッシュ創出力のチェック

営業CFは+581百万円と、キャッシュインでした。
営業利益336百万円を上回るキャッシュインでした。


キャッシュフローの概要を図にすると以下の通りです。

本業で得たキャッシュ(営業CF)の範囲内で有価証券取得等の投資(投資CF)や配当金による株主還元(財務CF)を行っており、健全なキャッシュのサイクルと言えます。

参考:危ない会社への投資を回避できる!キャッシュ・フロー8つのパターン!

■業績予想(会社発表)に対する進捗度

今回の業績発表と同時に業績予想の下方修正が発表されました。

※同社のリリース資料より引用

下方修正後の通期業績予想に対する進捗度は、売上高:49.3%、営業利益:56.0%、純利益:56.8%です。

参考までに、修正前の通期業績予想に対する進捗度は、売上高:46.4%、営業利益:43.1%、純利益:47.1%です。

■来期の業績予想(会社四季報情報)から見る将来成長性

会社四季報から、来期の業績予想を見ていきます。

※SBI証券お客様サイトより、同社の会社四季報情報を抜粋

今期の会社予想業績予想(下方修正後)から来期の四季報業績予想への成長率は売上高:+12.7%、営業利益:+40.0%、純利益:+29.5%と予想されています。

高い成長性に見えますが、今回の下方修正は四季報予想には織り込まれていませんので、今後四季報予想が下方修正されると思われます。

■株価水準とチャートの動き

9/21(水)の終値は581円。下方修正後の1株純利益から計算したPERは約17倍です。
過去5年間の株価の動き(週足)は以下の通りです。

※SBI証券お客様サイトより、同社の株価チャートを抜粋

2017年4月の上場以降、1,000円を少し超えたあたりをなかなか抜けられずに来ましたが、2020年に入り、その壁を突破。

コロナショックで一旦は大きく調整しますが、テレワーク銘柄としての期待を集め、コロナショックの安値856円から3倍近くの水準まで上昇しました。

2020年10月以降は下落を続け、現在はコロナ前を下回り、最高値から▲77%ほど下落した水準です。

■私の投資戦略

以上の分析内容を簡単に表に整理すると、以下のようになります。

7期連続増収増益を目指す今年度ですが、業績の下方修正もあり、今後の見通しは明るくありません。

半導体供給問題に起因する製品の納期遅延の発生や、急激な円安によるコスト増など、厳しい外部環境の影響もあり、増収増益の継続は今期で途絶えてしまいそうです。

過去6年間(2017年1月期~2022年1月)、今期予想、来期予想の売上高・営業利益・純利益・EPSの推移は以下の通りです。

売上高の伸びが弱いものの、EPSは着実に右肩上がりで成長してきました。

安定して増収増益を続けている点、利益率が毎年改善されている点、無借金経営と安全性が高い点、とても私好みの銘柄ですが、目先1年程度は厳しい状況が続くのではと予想しています。

「5年で株価2倍」を狙って、今年1月に100株を購入しました。
コロナ禍でテレワーク銘柄として大きな注目を集めた反動で株価が大きく下落することは理解できますが、コロナ前の水準を下回るほどに下落した現在の株価はさすがに下がり過ぎだと考えてエントリーしました。


600円(第1次買付から▲20%)をターゲットに、追加買付を検討していましたが、今回の下方修正もあり、さらに株価が下落することも想定されることから、買付目安を550円に引き下げました。

2020年ほど一気にテレワークニーズが高まることはもうないと思いますが、アフターコロナの世界でもテレワークがなくなることはなく、長い時間をかけてテレワーク定着がじわじわ進んでいくと考えていますので、これからもじっくり応援していきます。

以上が私の戦略です。

■おわりに

私はだいたい25銘柄程度の注目銘柄を決めて、決算発表内容と会社四季報を見比べながら、上記のような観点で継続的に観察しています。

そして5年で株価2倍が期待できる銘柄を、いいタイミングで買うことを目指しています。
上記の銘柄を推奨するわけではありませんが、銘柄選択の視点や考え方など、読者の皆さんの参考になれば嬉しいです。


毎年資産+10%達成を目指して、引き続き頑張ります!
ということで、本日は以上です!

お読み頂きありがとうございました!


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■参考:同社に関する過去の記事

【アセンテック】22/6/13決算発表内容と私の投資戦略
※22/6/13(月)に発表した2023年1月期第1四半期決算についての記事です。
【アセンテック】22/3/14決算発表内容と私の投資戦略
※22/3/14(金)に発表した2022年1月期第4四半期決算についての記事です。
【アセンテック】21/12/10決算発表内容と私の投資戦略
※21/12/10(金)に発表した2022年1月期第3四半期決算についての記事です。
【銘柄研究!】本日の気になる銘柄~アセンテック 
※21/9/10(金)に発表した2022年1月期第2四半期決算についての記事です。

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