今日はインパクトHDの決算を
チェックしていきましょう♪
インパクトのある名前だな~
インドでコンビニ事業をやろうとしていたり、
事業計画もなかなかインパクトありますね~
インドは人口多いからな~
実現したらすごいのかもな~
皆さんこんにちは。
個別株投資で毎年資産+10%を目指すサラリーマン投資家、かたつむり君です。
通勤時間や平日の夜、週末の時間を使って、売買候補となる銘柄の研究を行っています。
日々様々な情報が飛び交いますが、年に4回(四半期に1回)行われる決算発表は、企業の業績・状態を把握し、今後の投資戦略を考える上で特に重要な情報です。
この記事では、私が保有中 or 気になっている銘柄の決算発表内容をチェックし、今後の投資戦略について私なりの視点で書いていきます。
記載している銘柄を推奨しているわけではありませんが、私の視点や考え方が読者の皆さんの参考になれば嬉しいです。
■本日のチェック銘柄
今日チェックするのは電子看板を中心とした店頭販売促進事業等を展開するインパクトHD(証券コード:6067)です。
東証マザーズ上場で、決算期は12月です。
4月からの新市場区分では「グロース市場」に区分されます。
直近の四季報より数値を抜粋すると、時価総額は247億円、従業員数は連結で408名です。
同社の経営理念は「社会性ある事業の創造」です。
私がこの会社に注目している理由は、インド・コンビニ事業に将来性を感じるからです。
現在私はインパクトHDの株は保有していません。
■決算発表内容の概要
2022/2/14(月)に発表した2021年12月期第4四半期決算の主な内容は以下の通りです。
【主な決算発表内容】(単位:百万円)
売上高 :13,333(前年同期:11,074 前年同期比: +20.3%)
営業利益 : 1,678(前年同期: 1,029 前年同期比: +62.9%)
純利益 : 1,208(前年同期: ▲187 前年同期比: - )
資産合計 : 8,902(前期末:8,595)
自己資本 : 4,067(前期末:2,673)
現金 : 4,048(前期末:4,172)
有利子負債: 3,348(前期末:4,291)
営業CF : +870(前年同期: +725)
投資CF : ▲221(前年同期: ▲48)
財務CF : ▲761(前年同期:+2,020)
■決算発表内容分析のものさし
決算発表内容について、私は主に①成長性、②収益性、③安全性、④キャッシュ創出力、の4つの観点からチェックをしています。
それぞれの観点について、主な指標とその計算方法、優秀と認定する目安は以下の通りです。
優秀と認定する目安をクリアした項目が多い銘柄ほど、買いたい銘柄、保有し続けたい銘柄ということになります。
★成長性
【主な指標】
増収率、増益率(営業利益・純利益)
【計算方法】
増収率(%)=(今期の売上÷前期の売上-1)×100
増益率(%)=(今期の利益÷前期の利益-1)×100
【優秀と認定する目安】
増収率、増益率ともに+10%以上
★収益性
【主な指標】
売上高営業利益率、売上高純利益率、ROE(自己資本利益率)
【計算方法】
売上高営業利益率(%)=営業利益÷売上高×100
売上高純利益率(%) =純利益 ÷売上高×100
ROE(%) =純利益÷自己資本×100
※四半期決算時は純利益を年換算し算定
【優秀と認定する目安】
売上高営業利益率:15%以上
売上高純利益率 :10%以上
ROE :15%以上
★安全性
【主な指標】
自己資本比率、現金>有利子負債か
【計算方法】
自己資本比率(%)=自己資本÷資産合計×100
【優秀と認定する目安】
自己資本比率:30%以上80%以内
現金>有利子負債であること
※ただし、一概に自己資本比率が高ければいいというわけではなく、有利子負債が多いとダメでもなく、業態や企業の成長フェーズによって個別に評価する必要がある、と考えています。)
★キャッシュ創出力
【主な指標】
営業CFがプラスか、営業CF>営業利益か
【優秀と認定する目安】
営業CFがプラスであること
営業CF>営業利益であること
■決算発表内容分析
それでは、上記のものさしに沿って、実際に決算発表内容を分析していきます。
●成長性のチェック
売上高は前年同期比+20.4%でした。
営業利益は同+63.0%でした。
純利益は前期の赤字▲188から今期は1,209と黒字転換しました。
売上高・営業利益はいずれの指標とも前年同期比+10%を大きく上回っての増収増益となり、いずれも過去最高となりました。
純利益も3期ぶりの黒字着地となりました。
同社の事業は①HRソリューション事業、②IoTソリューション事業、③MRソリューション事業の3つに大きく分けられます。
HRソリューション事業の売上高は前年同期比+12.1%、IoTソリューション事業は同+62.3%、MRソリューションは同+1.3%でした。
特にIoTソリューション事業の成長が著しい1年でした。
●収益性のチェック
売上高営業利益率は12.6%、売上高純利益率は9.1%でした。
いずれも指標には届きませんでした。
過去5年間の利益率の推移は以下の通りです。
売上高営業利益率 4.4%、4.6%、6.5%、 6.5%、 9.3%
売上高純利益率 2.8%、8.1%、5.3%、▲20.0%、▲1.7%
ROEは29.7%でした。指標の15%を上回りました。
●安全性のチェック
自己資本比率は45.7%でした。
現金4,048に対し、有利子負債は3,348と、現金が有利子負債を上回りました。
前期末から現金は▲124減少しましたが、有利子負債はそれ以上に▲943減少しました。
自己資本比率も前期末の31.1%から15ポイント近く改善し、財務の安全性は高まりました。
●キャッシュ創出力のチェック
営業CFは+870と、キャッシュインとなりました。
営業利益1,678は下回りました。
■業績予想(会社発表)に対する進捗度
会社が発表した業績予想に対する進捗度は、年間の業績予想が妥当なものかを考える上で大切な指標です。
もし進捗度が高い場合は、業績予想の上方修正が発表される可能性もあります。
Q1は25%、Q2は50%、Q3は75%、Q4は100%を超えている場合を優秀と定義して、チェックしていきます。
もちろん企業によって季節波動がありますので、単純に数値だけをみるのではなく、前年度の四半期進捗を参考にするのも大事ですね。
通期の達成度は、売上高は102.6%、営業利益は104.9%、純利益は130.0%でした。
予想を上回っての着地となりました。
■来期の業績予想(会社四季報情報)から見る将来成長性
会社四季報では、過去の業績に加えて、今期の業績予想、来期の業績予想が記載されています。
会社四季報の記者が会社に取材をし、分析した結果掲載されている予想値です。
会社が発表している業績予想と一致する場合もあれば、ずれることもあります。
このずれがある時は、注意が必要です。
今期の実績から、来期の四季報発表業績予想への成長性を見ていきます。
売上高は+15.4%、営業利益は+37.5%、純利益は+29.0%と、いずれも大幅な増収増益が予想されています。
ただし、今回の決算発表で、会社としては業績予想の開示をしませんでした。
特にM&Aの部分が気になります。
なんだと~非開示かよ~
強気に宣言していこうぜ~
■株価水準とチャートの動き
2/16(水)の終値は2,497円。PERは四季報予想の純利益1,200から計算すると13倍程度になるかと思います。
過去5年間の株価の動き(週足)は以下の通りです。
5年前の株価は500円台でしたので、当時と比べれば現在でも4倍以上の水準です。
過去の株価を見ると、2019年の急激な上昇が目立ちます。
インド・コンビニ事業への期待で一時6,200円台まで一気に高まり、その後現地提携会社の会長の死去もあり、一気に下落しました。
まさにジェットコースターのようなチャートです。
他社に比べて株価の上下動の大きい銘柄と言えそうです。
■私の投資戦略
以上の分析内容を簡単に表に整理すると、以下のようになります。
前期、前々期は、インド・コンビニ事業の混沌もあり、持分法による投資損失の計上や、貸倒引当金繰入額の計上により、2期連続での最終赤字でしたが、今期は純利益も黒字転換しました。
売上高・営業利益はともに過去最高と、好決算の1年となりました。
特に伸びを牽引したのはIoTソリューション事業で、飲食店向けテーブルトップオーダー端末や広告メディアサイネージ等、非販促領域での事業拡大が業績へ大きく貢献しました。
過去6年間の売上高・営業利益・純利益・EPSの推移は以下の通りです。
2019年12月期以降売上高は着実に右肩上がりで成長し、インド事業の混沌により2019年12月期、2020年12月期と続いた赤字からも脱却しています。
このまま来期も右肩上がりの成長を示すのか、来期業績予想が非開示のため読みにくいところではありますが、今後の推移を見守っていきたいです。
今回の決算発表を受けて、株価は大きく調整しました。
決算発表翌日の2/15(火)は▲17.2%のストップ安(2,910円→2,410円)となりました。
おそらく、来期の業績予想を発表しなかったことを投資家が嫌気したのではないかと考えています。
企業側も大変ですね。
個人的に同社の事業で一番期待しているのは、インド・コンビニ事業です。
新型コロナの感染拡大が収束するまで当面の間は、コンビニへの業態転換は控える方針ですが、再開されたら同社の株価は上昇していくのではと思っています。
今期絶好調だった反動、不透明な業績予想、コロナの長期化によるインド事業の停滞継続など、不確実な要素も多く、今後も株価は調整するかもしれません。
3ヶ月前の記事では買付目安は2,500円と書きましたが、今後一層下がる可能性もあるような感じがしますので、もう少し下がってくるのを引きつけたいと思います。
チャートを見ても、2,000円あたりまでは下がる余地があるような気がしています。
じっくり観察を続けながら、2,000円を下回ってきたら、具体的にエントリーに向けて動き出そうと思います。
これが私の戦略です。
■まとめ
私はだいたい25銘柄程度の注目銘柄を決めて、決算発表内容と会社四季報を見比べながら、上記のような観点で継続的に観察しています。
そして5年で株価2倍が期待できる銘柄を、いいタイミングで買うことを目指しています。
上記の銘柄を推奨するわけではありませんが、銘柄選択の視点や考え方など、読者の皆さんの参考になれば嬉しいです。
私が銘柄選びの基準や、仕掛けるタイミング、投資に対する考え方について参考にしている書籍は以下の通りです。
よろしければ読んでみて下さい。
私の資産形成モチベーションの原点です!「自分のためにお金を働かせる」という思考を強烈に植え付けられました。
4人の著者の視点から、テンバガーが期待できる銘柄の選び方を学べました!
ウォーレン・バフェットが味わった数々の教訓(苦みも含めて)は、長期投資を志す方には有益な学びがありますね!
世界中を旅する冒険投資家ならではの視点の広さ、歴史から学べる投資家の取るべき行動、とてもためになりました!
長期投資において大切な考え方がシンプルに伝わってくる一冊でした。
長期投資家は暴落相場で買って買って買いまくる!
毎年資産+10%達成を目指して、引き続き頑張ります!
ということで、本日は以上です!
お読み頂きありがとうございました!
■参考:同社に関する過去の記事
・【インパクトHD】21/11/12決算発表内容と私の投資戦略
※21/11/12(金)に発表した2021年12月期第3四半期決算についての記事です。
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