【ナイキ】22/6/27決算発表内容と私の投資戦略

決算分析

皆さんこんにちは。
個別株投資で毎年資産+10%を目指すサラリーマン投資家、かたつむり君です。
(TWITTER:@posikatatsumuri

通勤時間や平日の夜、週末の時間を使って、売買候補となる銘柄の研究を行っています。

日々様々な情報が飛び交いますが、年に4回(四半期に1回)行われる決算発表は、企業の業績・状態を把握し、今後の投資戦略を考える上で特に重要な情報です。

この記事では、私が保有中 or 気になっている銘柄の決算発表内容をチェックし、今後の投資戦略について私なりの視点で書いていきます。

記載している銘柄を推奨しているわけではありませんが、私の視点や考え方が読者の皆さんの参考になれば嬉しいです。

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■本日のチェック銘柄

今日チェックするのは米・スポーツ用品大手のナイキ(ティッカーシンボル:NKE)です。

ニューヨーク証券取引所(NYSE)上場で、決算期は5月です。
SBI証券お客様サイト内の銘柄サマリー情報より数値を抜粋すると、時価総額は1,592億ドル、従業員数は73,300人です。

多くのスポーツ選手に愛されている世界的なブランドです。
スポーツをしている方に限らず、私たちの生活にとても馴染みのある企業ということで、注目しています。

なお、現在私はナイキの株を保有していません。

■決算発表内容の概要

2022/6/27(月)に発表した2022年3~5月期(第4四半期)決算の主な内容は以下の通りです。

【主な決算内容】(単位:百万ドル)
売上高 (Revenues):12,234(前年同期:12,344 前年同期比:▲0.9%)
営業利益(”Gross profit” - “Total selling and administrative expense”):1,468(前年同期:1,913(前年同期比:▲23.3%)
純利益 (Net income):1,439(前年同期:1,509 前年同期比:▲4.6%)
資産合計(Total assets):40,321(前年同期:37,740)
自己資本(Shareholders’ equity):15,281(前年同期:12,767)
現金  (Cash and equivalents):8,574(前年同期:9,889)
有利子負債(Long-term debt):9,420(前期末:9,413)
営業CF: - (前年同期: - ) ※非開示
投資CF: - (前年同期: - ) ※非開示
財務CF: - (前年同期: - ) ※非開示

■決算発表内容分析のものさし

決算発表内容について、私は主に①成長性、②収益性、③安全性、④キャッシュ創出力、の4つの観点からチェックをしています。

それぞれの観点について、主な指標とその計算方法、優秀と認定する目安は以下の通りです。
優秀と認定する目安をクリアした項目が多い銘柄ほど、買いたい銘柄、保有し続けたい銘柄ということになります。

★成長性
【主な指標】
増収率、増益率(営業利益・純利益)

【計算方法】
増収率(%)=(今期の売上÷前期の売上-1)×100
増益率(%)=(今期の利益÷前期の利益-1)×100

【優秀と認定する目安】
増収率、増益率ともに+10%以上

★収益性
【主な指標】
売上高営業利益率、売上高純利益率、ROE(自己資本利益率)

【計算方法】
売上高営業利益率(%)=営業利益÷売上高×100
売上高純利益率(%) =純利益 ÷売上高×100
ROE(%)      =純利益÷自己資本×100
※四半期決算時は純利益を年換算し算定

【優秀と認定する目安】
売上高営業利益率:15%以上
売上高純利益率 :10%以上
ROE      :15%以上

★安全性
【主な指標】
自己資本比率、現金>有利子負債か

【計算方法】
自己資本比率(%)=自己資本÷資産合計×100

【優秀と認定する目安】
自己資本比率:30%以上80%以内
現金>有利子負債であること
※ただし、一概に自己資本比率が高ければいいというわけではなく、有利子負債が多いとダメでもなく、業態や企業の成長フェーズによって個別に評価する必要がある、と考えています。

★キャッシュ創出力
【主な指標】
営業CFがプラスか、営業CF>営業利益か

【優秀と認定する目安】
営業CFがプラスであること
営業CF>営業利益であること

■決算発表内容分析

それでは、上記のものさしに沿って、実際に決算発表内容を分析していきます。

●成長性のチェック

Q4の売上高は前年同期比▲0.9%、営業利益は同▲23.3%、純利益は同▲4.6%でした。

通期の売上高は同+4.9%、営業利益は同▲3.8%、純利益は同+5.6%でした。

Q4では減収減益、通期では増収増益の決算となりました。
通期と比べると、Q4が大変苦戦したことが伺えます。

売上高の95%はNIKEブランドの売上で、残りの5%はConverseの売上です。

NIKEブランドの通期売上を地域別に見ると以下の通りです。

主力は、NIKEブランドの売上の41%を占める北米(North America)です。
北米市場は、通期では+6.8%と成長しましたが、Q4は前年同期比▲5.0%と苦戦しました。

売上の28%を占めるヨーロッパ・中東・アフリカ(Europe, Middle East & Africa)は、Q4は同+9.1%、通期では+8.9%といずれも増加しました。

中華圏(Greater China)は、Q4は▲19.2%、通期では▲9.0%と、年間を通して減速しました。

製品別の売上高構成比は以下の通りです。
運動靴(Footwear)が全体の66%を占めています。

直販(NIKE Direct sales)は通期で+14.4%増加しました。

Q4の営業利益は▲23.3%と四半期では減益でした。
同社のPLに「営業利益(Operating Income)」の表示はないため、売上総利益(Gross profit)から、販売費及び一般管理費(Total selling and administrative expense)を差し引いて算出しています。
売上総利益が▲2.7%減少したことに加え、販管費が7.8%増加したことにより、減益となりました。

●収益性のチェック

Q4の売上高営業利益率は12.0%、売上高純利益率は11.8%でした。
通期の売上高営業利益率は14.3%、売上高純利益率は12.9%でした。

売上高営業利益率は目安の15%には届きませんでしたが、売上高純利益率は目安の10%を上回りました。

過去12年(2011年5月期~2022年5月期)の利益率の推移は以下の通りです。

2018年5月期は純利益が前年比▲54.4%と大きく落ち込んだ年でした。
2020年5月期は新型コロナウイルスの影響もあり減収減益と苦しい1年でした。
それ以外の年は十分に高い利益率を残しています。

ROEは39.6%でした。
株主資本を非常に効率的に利益に結び付ける経営ができていることを示しており、投資家からの人気があるのもうなずけます。

●安全性のチェック

自己資本比率は37.9%でした。
保有している現金は8,574、有利子負債は9,420と、有利子負債が現金を上回りました。

自己資本比率は、前年同期は33.8%でしたが、利益の積み上げにより改善しています。

●キャッシュ創出力のチェック

キャッシュ・フロー計算書は開示がないため、割愛します。

■業績予想に対する進捗度

SBI証券お客様サイト内の「財務詳細」情報に記載されている今期業績予想に対する進捗度をチェックします。
業績予想に対する進捗度は、年間の業績予想が妥当なものかを考える上で大切な指標です。
もし進捗度が高い場合は、業績予想の上方修正が発表される可能性もあります。
Q1は25%、Q2は50%、Q3は75%、Q4は100%を超えている場合を優秀と定義して、チェックしていきます。
もちろん企業によって季節波動がありますので、単純に数値だけをみるのではなく、前年度の四半期進捗を参考にするのも大事ですね。

業績予想に対する達成度は、売上高:99.7%、純利益:102.6%着地でした。

■来期の業績予想から見る将来成長性

SBI証券お客様サイト内の「財務詳細」情報より、来期の業績予想をチェックします。
今期の業績予想を起点に、来期の成長性を見ていきます。

※SBI証券お客様サイトより、同社の業績予想を抜粋

来期の成長率は、売上高:+8.9%、純利益:+9.4%と予想されています。
いずれも目安の+10%には届きませんが、増収増益と予想されています。

■株価水準とチャートの動き

7/1(金)の終値は101ドルです。PERは24倍です。
過去5年の株価の動き(週足)は以下の通りです。

※SBI証券お客様サイトより、同社の株価チャートを抜粋

過去5年、右肩上がりで株価は上昇してきましたが、昨年11月以来株価は調整局面に入り、現在の株価は昨年11月の最高値179ドルから▲44%ほど下落した水準です。
PERは6ヶ月前の45倍から、現在は24倍と、手を出しやすい水準に落ちてきています。

■私の投資戦略

以上の分析内容を簡単に表に整理すると、以下のようになります。

通期では増収増益だったものの、Q4は減収減益と、期末にかけて減速しました。
ベトナム工場の数カ月にわたる閉鎖、サプライチェーン問題による中国市場での減速、資源高に伴うインフレの加速など、厳しい市場環境での1年でした。

過去12年(2011年5月期~2022年5月期)の売上高・営業利益・純利益・EPSの推移は以下の通りです。

営業利益・純利益・EPSに絞ると以下の通りです。

来期は増収増益予想となっていますが、現在の厳しい市場環境がどの程度続くのか、どの程度業績に悪影響をもたらすのか、引き続き注目していきたいと思います。

ROEをはじめ収益性は高く、世界的なブランドをもっていることから、狙っていきたいと考えている銘柄です。

株価は目安としていた100ドルまで下落してきました。

あとは為替次第、というところです。

さすがに1ドル135円は円安過ぎるため、しばらく様子を見ますが、1ドル120円を割ってくれば、現在の株価は十分に割安かなと考えています。

今後も為替の動きをにらみながら、エントリーのタイミングを考えていきたいと思います。

以上が私の戦略です。

■まとめ

私はだいたい25銘柄程度の注目銘柄を決めて、決算発表内容と会社四季報を見比べながら、上記のような観点で継続的に観察しています。

そして5年で株価2倍が期待できる銘柄を、いいタイミングで買うことを目指しています。
上記の銘柄を推奨するわけではありませんが、銘柄選択の視点や考え方など、読者の皆さんの参考になれば嬉しいです。


毎年資産+10%達成を目指して、引き続き頑張ります!
ということで、本日は以上です!


お読み頂きありがとうございました!


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■参考:同社に関する過去の記事

【ナイキ】22/3/21決算発表内容と私の投資戦略
※22/3/21(月)に発表した2021年12月~2022年2月期(第3四半期)決算についての記事です。
【ナイキ】21/12/20決算発表内容と私の投資戦略
※21/12/20(月)に発表した2021年9月~11月期(第2四半期)決算についての記事です。

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