【ビヨンドミート】22/2/24決算発表内容と私の投資戦略

決算分析

今日はビヨンドミートの決算を
チェックしていきましょう♪

牛肉が食べたい~

私も食べたことはないのですが、
味は普通のお肉と遜色ないみたいですよ。

それでも牛肉が食べたい~

皆さんこんにちは。
個別株投資で毎年資産+10%を目指すサラリーマン投資家、かたつむり君です。
(TWITTER:@posikatatsumuri


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通勤時間や平日の夜、週末の時間を使って、売買候補となる銘柄の研究を行っています。

日々様々な情報が飛び交いますが、年に4回(四半期に1回)行われる決算発表は、企業の業績・状態を把握し、今後の投資戦略を考える上で特に重要な情報です。

この記事では、私が保有中 or 気になっている銘柄の決算発表内容をチェックし、今後の投資戦略について私なりの視点で書いていきます。

記載している銘柄を推奨しているわけではありませんが、私の視点や考え方が読者の皆さんの参考になれば嬉しいです。

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■本日のチェック銘柄

今日チェックするのは植物由来の肉を提供する食品会社であるビヨンドミート(ティッカーシンボル:BYND)です。
NASDAQ上場で、決算期は12月です。
SBI証券お客様サイト内の銘柄サマリー情報より数値を抜粋すると、時価総額は31億ドル、従業員数は700人です。

私がこの会社に注目している理由は、大豆ミート等植物由来の肉の提供・普及が、消費者目線での脱炭素化のシンボルになると考えているからです。
あのビル・ゲイツ氏も、気候変動に対する貢献を期待して同社に投資をしています。

なお、現在私はビヨンドミートの株を10株保有しています。

■決算発表内容の概要

2022/2/24(木)に発表した2021年10~12月期(第4四半期)決算の主な内容は以下の通りです。

【主な決算内容】(単位:百万ドル)
・売上高 (Net revenues):101
(前年同期:102 前年同期比:▲1.2%)
・営業利益(Loss from operations):▲78
(前年同期:▲25 前年同期比: - )
・純利益 (Net loss):▲80
(前年同期:▲25 前年同期比: - )
・資産合計(Total assets):1,379(前期末:468)
・自己資本(Total stockholders’ equity):132(前期末:367)
・現金  (Cash and cash equivalents):733(前期末:159)
・有利子負債(Short-term borrowings under revolving credit facility、Convertible senior notes):1,130(前期末:25)
・営業CF(Net cash used in operating activities):▲301(前年同期:▲400)※通期
・投資CF(Net cash used in investing activities):▲147(前年同期:▲75)※通期
・財務CF(Net cash provided by financing activities):+1,022(前年同期:▲2)※通期

■決算発表内容分析のものさし

決算発表内容について、私は主に①成長性、②収益性、③安全性、④キャッシュ創出力、の4つの観点からチェックをしています。

それぞれの観点について、主な指標とその計算方法、優秀と認定する目安は以下の通りです。
優秀と認定する目安をクリアした項目が多い銘柄ほど、買いたい銘柄、保有し続けたい銘柄ということになります。

★成長性
【主な指標】
増収率、増益率(営業利益・純利益)

【計算方法】
増収率(%)=(今期の売上÷前期の売上-1)×100
増益率(%)=(今期の利益÷前期の利益-1)×100

【優秀と認定する目安】
増収率、増益率ともに+10%以上

★収益性
【主な指標】
売上高営業利益率、売上高純利益率、ROE(自己資本利益率)

【計算方法】
売上高営業利益率(%)=営業利益÷売上高×100
売上高純利益率(%) =純利益 ÷売上高×100
ROE(%)      =純利益÷自己資本×100
※四半期決算時は純利益を年換算し算定

【優秀と認定する目安】
売上高営業利益率:15%以上
売上高純利益率 :10%以上
ROE      :15%以上

★安全性
【主な指標】
自己資本比率、現金>有利子負債か

【計算方法】
自己資本比率(%)=自己資本÷資産合計×100

【優秀と認定する目安】
自己資本比率:30%以上80%以内
現金>有利子負債であること
※ただし、一概に自己資本比率が高ければいいというわけではなく、有利子負債が多いとダメでもなく、業態や企業の成長フェーズによって個別に評価する必要がある、と考えています。

★キャッシュ創出力
【主な指標】
営業CFがプラスか、営業CF>営業利益か

【優秀と認定する目安】
営業CFがプラスであること
営業CF>営業利益であること

■決算発表内容分析

それでは、上記のものさしに沿って、実際に決算発表内容を分析していきます。

●成長性のチェック

Q4の売上高は前年同期比▲1.2%でした。
営業利益は前期に続き赤字。▲25から▲78に赤字幅が拡大しました。
純利益は前期に続き赤字。▲25から▲80に赤字幅が拡大しました。

通期の売上高は前年同期比+14.2%でした。
営業利益は前期に続き赤字。▲49から▲175に赤字幅が拡大しました。
純利益は前期に続き赤字。▲53から▲182に赤字幅が拡大しました。

売上高は通期では+14.2%でしたが、Q4では▲1.2%の減収と、直近での弱さが目立ちました。
2018年~2021年の4年間の四半期売上高・純利益・売上高純利益率の推移は以下の通りです。

売上高は2019年までは高成長していましたが、2020年以降伸び悩んでいます。
通期の増収率は以下の通りです。
2018年:+169.9%
2019年:+238.8%
2020年: +36.6%
2021年: +14.2%
2020年、2021年も決して低いわけではありませんが、2018年、2019年と比べるとどうしても見劣りしてしまいます。
特にこのQ4は上場以来初めて四半期売上高が減収となりましたので、成長性が気になるところです。
純利益も上場来最大幅まで赤字が膨らんでいます。

●収益性のチェック

営業利益、純利益はいずれも赤字のため、収益性のチェックは割愛します。

●安全性のチェック

自己資本比率は9.6%でした。
保有している現金は733、有利子負債は1,130で、有利子負債が現金を上回りました。
前期末の自己資本比率は78.4%でしたので、大幅に悪化しました。
現金は前期末から574増えましたが、それ以上に有利子負債は1,105増えました。
転換社債(Convertible senior notes)という形で1,150を調達したことにより、財務体質は大きく悪化しました。
社債が増加したことにより、PL上の支払利息(interest expense)は通期で前年比40%以上増加しています。(前期:2,576→今期:3,648)
自己資本比率は低く、有利子負債も大きく増加し、安全性は決していい状態状態とは言えないため、今後も注意深く観察していきたいと思います。

●キャッシュ創出力のチェック

通期の営業CFは▲301と、キャッシュアウトとなりました。
通期の営業利益▲175の額を超えてのキャッシュアウトとなりました。
本業(営業CF:▲301)及び投資(投資CF:▲147)によってキャッシュアウトしてしまっている中、資金調達(財務CF:+1,022)によってキャッシュをまかなっているという状態です。
今後事業が成長していき、まずは本業からのキャッシュである営業CFがプラスになることを期待して見守りたいと思います。

■業績予想に対する進捗度

SBI証券お客様サイト内の「財務詳細」情報に記載されている今期業績予想に対する進捗度をチェックします。
業績予想に対する進捗度は、年間の業績予想が妥当なものかを考える上で大切な指標です。
もし進捗度が高い場合は、業績予想の上方修正が発表される可能性もあります。
Q1は25%、Q2は50%、Q3は75%、Q4は100%を超えている場合を優秀と定義して、チェックしていきます。
もちろん企業によって季節波動がありますので、単純に数値だけをみるのではなく、前年度の四半期進捗を参考にするのも大事ですね。

売上高の進捗度は99.8%でした。
営業利益は▲87の予想に対し、▲175でした。
純利益は▲144の予想に対し、▲182でした。
売上高は通期予想に対してわずかに届かず、営業利益・純利益は通期予想の赤字幅を超えての着地となりました。

■来期の業績予想から見る将来成長性

SBI証券お客様サイト内の「財務詳細」情報より、来期の業績予想をチェックします。
今期の業績予想を起点に、来期の成長性を見ていきます。

※SBI証券お客様サイトより、同社の業績予想を抜粋

来期の売上高成長率は+36.9%、純利益は赤字幅がやや縮小する予想となっています。
過去の高い売上高成長力に陰りが見えてきている中、来期は+36%と改善の予想となっていますが、今回の決算では上場来初の減収となるなど減速もありますので、鵜呑みにせず慎重に今後の決算発表の数字を観察していきたいと思います。

■株価水準とチャートの動き

2/25(金)の終値は44ドルです。純利益予想が赤字のため、PER情報はありません。
上場来の株価の動き(週足)は以下の通りです。

※SBI証券お客様サイトより、同社の株価チャートを抜粋

2019年の上場後は投資家の期待を集め、株価も大きく上昇しましたが、その後大きく調整し、上げ下げを繰り返しています。
株価の値動きが大きい銘柄といえます。
昨年7月頃から半年以上下落基調が続いており、当時の株価(160ドル)から1/4程度の水準まで下落しており、上場来安値圏です。
今回の決算発表を受けて、株価は1日で▲9%と大きく下落しました。
前回Q3決算発表時も▲10%超で下落しており、前回に続いての大幅下落となりました。

■私の投資戦略

以上の分析内容を簡単に表に整理すると、以下のようになります。

売上高は上場来初の四半期減収、純利益は上場来最大の赤字幅と、よろしくない決算でした。
まだ利益が黒字化していない成長フェーズの中で減収になってしまったということで、将来性に対する不安が残りました。
また、転換社債による資金調達により、この1年で自己資本比率も大きく下がり、有利子負債も増加し、安全性への不安は高まりました。

私は将来的にこの会社はまだまだ成長する余地があると考えています。
・大豆ミートの普及は世界の脱炭素に貢献するから
・同社の商品を通して、消費者が脱炭素への取り組みを実感できるから
・同社と組みたいと考える会社はまだたくさんあると考えられるから(マクドナルド、ケンタッキー、他)

目下のところ、ロシアによるウクライナ侵攻、インフレ懸念、FRBによる利上げ(引き締め)などが株式市場の話題を独占していますが、3年後5年後も同じ話題が中心とは思えません。
脱炭素がまた相場テーマの中心になる時、同社の業績が上向いて入れば、株価も大きく上昇する余地があると考えています。
まだまだ続くコロナ禍により、外食需要なども本格的には戻ってきていません。
これも3年後5年後には景色が変わっていると想像します。

現在保有中の10株については基本的に長期保有で考えています。
株価が買付時の2倍になれば、半分を売却することも検討してきます。
また、大きく株価が下がっていますので、追加の買い付けも検討しています。
目安は40ドルです(現在の株価▲10%)。
その後も株価下落が続けば、35ドル、30ドルを目安にさらに追加での買い付けも検討しています。
現在は厳しい状況ですが、将来、3年後、5年後への期待感を持って、買っていきたいと思っています。
私はマイルールで投資資産に対する1銘柄の比率を「20%以内」にすることを目安にしています。 この銘柄に関しては、安全性に不安がありますので、より厳しく、「10%以内」まででコントロールするように心がけていこうと考えています。
以上が私の戦略です。

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■まとめ

私はだいたい25銘柄程度の注目銘柄を決めて、決算発表内容と会社四季報を見比べながら、上記のような観点で継続的に観察しています。
そして5年で株価2倍が期待できる銘柄を、いいタイミングで買うことを目指しています。
上記の銘柄を推奨するわけではありませんが、銘柄選択の視点や考え方など、読者の皆さんの参考になったのであれば嬉しいです。

私が銘柄選びの基準や、仕掛けるタイミング、投資に対する考え方について参考にしている書籍は以下の通りです。
よろしければ読んでみて下さい。

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毎年資産+10%達成を目指して、引き続き頑張ります!
ということで、本日は以上です!
お読み頂きありがとうございました!

■参考:同社に関する過去の記事

【ビヨンドミート】21/11/10決算発表内容と私の投資戦略
※21/11/10(水)に発表した2021年7月~9月期(第3四半期)決算についての記事です。

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