【ビザ】22/7/26決算発表内容と私の投資戦略

皆さんこんにちは。
個別株投資で毎年資産＋10%を目指すサラリーマン投資家、かたつむり君です。
（TWITTER：@posikatatsumuri）

通勤時間や平日の夜、週末の時間を使って、売買候補となる銘柄の研究を行っています。

日々様々な情報が飛び交いますが、年に4回（四半期に1回）行われる決算発表は、企業の業績・状態を把握し、今後の投資戦略を考える上で特に重要な情報です。

この記事では、私が保有中 or 気になっている銘柄の決算発表内容をチェックし、今後の投資戦略について私なりの視点で書いていきます。

記載している銘柄を推奨しているわけではありませんが、私の視点や考え方が読者の皆さんの参考になれば嬉しいです。

■本日のチェック銘柄

今日チェックするのはクレジットカード大手のビザ（ティッカーシンボル：V）です。
ニューヨーク証券取引所（NYSE）上場で、決算期は9月です。
SBI証券お客様サイト内の「銘柄サマリー」情報より数値を抜粋すると、時価総額は4,387億ドル、従業員数は21,500名です。

私がこの会社に注目している理由は、
①世界的な知名度とブランド力を持っているから
②収益性の高いビジネスモデルを持っているから
③グローバルなキャッシュレス化の流れの中で今後も成長が続くと思っているから
です。

なお、現在私は、ビザの株を保有していません。

■決算発表内容の概要

2022/7/26（火）に発表した2022年4～6月期（第3四半期）決算の主な内容は以下の通りです。

【各数値の定義】（決算書のどの数値からとっているか）
売上高：Net revenues
営業利益：Operating income
純利益：Net income
資産合計：Total assets
自己資本：Total equity
現金：Cash and cash equivalents
有利子負債：Current maturities of debt, Long-term debt
営業CF：Net cash provided by operating activities
投資CF：Net cash provided by (used in) investing activities
財務CF：Net cash used in financing activities）

■決算発表内容分析のものさし

決算発表内容について、私は主に①成長性、②収益性、③安全性、④キャッシュ創出力、の４つの観点からチェックをしています。

それぞれの観点について、主な指標とその計算方法、優秀と認定する目安は以下の通りです。
優秀と認定する目安をクリアした項目が多い銘柄ほど、買いたい銘柄、保有し続けたい銘柄ということになります。

■決算発表内容分析

それでは、上記のものさしに沿って、実際に決算発表内容を分析していきます。

●成長性のチェック

Q3の売上高は前年同期比＋18.7%、営業利益は同＋2.1%、純利益は同＋32.5%でした。
累計の売上高は前年同期比＋22.7%、営業利益は同＋19.5%、純利益は同＋26.6%でした。

累計では目安の＋10%を大きく上回りました。

同社が重要視している以下の指標（Key Business Drivers）は、それぞれ増加しました。
・決済総額（Payments Volume）　前年同期比＋12%
・クロスボーダー決済額（Cross-border volume）　同＋40%
・決済処理件数（Processed Transactions）　同＋16%

クロスボーダー決済額は、ヨーロッパ域内での決済額を除くと＋48%伸びました。

過去10年（2012年9月期～2021年9月期）の売上高・営業利益・純利益・EPSの推移は以下の通りです。

多少のデコボコはありますが、売上高・利益ともに着実に増加しています。

●収益性のチェック

Q3の売上高営業利益率は57.0%、売上高純利益率は46.9%でした。
累計の売上高営業利益率は63.8%、売上高純利益率は51.2%でした。

過去10年（2012年9月期～2021年9月期）と今期Q3累計の利益率の推移は以下の通りです。
驚異的な利益率の高さを安定的に維持しています。

ROEも41.4%と非常に高い数値となりました。

●安全性のチェック

自己資本比率は41.5%でした。
保有している現金は14,047百万ドル、有利子負債は23,795百万ドルと、有利子負債が現金を上回りました。

過去4年（2018年9月期～2021年9月期）と今期Q3時点の貸借対照表の推移は以下の通りです。

短期的な安全性を示す流動比率（流動資産÷流動負債×100%）は142%と問題ありません。

毎年安定的に利益をあげているにも関わらず純資産があまり増えていないところに、自社株買いなどによる株主還元姿勢が表れています。

●キャッシュ創出力のチェック

Q3累計の営業CFは＋12,973百万ドルと、キャッシュインとなりました。
累計営業利益13,726百万円は下回りました。

キャッシュフローの概要を図にすると以下の通りです。

財務CF（▲8,656百万ドル）の主な要因は自社株買い（Repurchase of class A common stock：▲9,486）、配当金の支払い（Dividends paid：▲2,409）です。
積極的な株主還元姿勢がキャッシュフローに表れています。

本業で稼いだキャッシュ（営業CF）を使い、投資（投資CF）や株主還元（財務CF）を行っており、非常に良いキャッシュの循環といえます。
参考：危ない会社への投資を回避できる！キャッシュ・フロー8つのパターン！

■業績予想に対する進捗度

SBI証券お客様サイト内の「財務詳細」情報に記載されている今期業績予想に対する進捗度をチェックします。

業績予想に対す進捗度は売上高：74.1%、純利益：72.5%でした。
Q3目安の75%にはわずかに届きませんでした。

■来期の業績予想から見る将来成長性

SBI証券お客様サイト内の「財務詳細」情報より、来期の業績予想をチェックします。
今期の業績予想を起点に、来期の成長性を見ていきます。

来期の売上高成長率は＋11.6%、純利益成長率は＋15.3%と、増収増益が予想されています。

■株価水準とチャートの動き

8/11（木）の終値は211ドルです。PERは30倍です。
過去5年の株価の動き（週足）は以下の通りです。

コロナショックで2020年には一時的に大きく株価が調整しましたが、その後すぐ右肩上がりのトレンドに戻し、上昇してきました。
2021年中盤以降はやや低迷し、下落基調となっています。
200ドルという金額の節目が抵抗になっているようにも見えますが、今後の推移に注目です。

■私の投資戦略

以上の分析内容を簡単に表に整理すると、以下のようになります。

まず売上高は前年同期比＋18.7%、累計でも22.7%との増収となりました。

直近四半期の売上高推移は、
Q1：7,059百万ドル　→　Q2：7,189百万ドル　→　Q3：7,275百万ドル
です。

世界的なインフレにより消費が大幅に冷え込むのかなと思っていましたが、現時点ではそのようにはなっていません。
今後単価の大きい旅行需要が戻ってくると、さらに力強く成長するのかもしれませんね。

業績・株価が安定的に推移していることから、大きな株価下落は期待できないかもしれませんが、180ドルあたりまで下がれば、仕掛けていきたいと思っています。（現在の株価▲15%程の水準）

同社は配当利回りが高いわけではないので（この金額で買えても利回り0.8%ほど）、やはり値上がり益を狙いたいところです。

そうすると安くなるまでじっくり待ちたい。
もし下がらなければ買えなくても仕方ない。
そんな気持ちで観察を続けたいと思います。

以上が私の戦略です。

■おわりに

私はだいたい25銘柄程度の注目銘柄を決めて、決算発表内容と会社四季報を見比べながら、上記のような観点で継続的に観察しています。

そして5年で株価2倍が期待できる銘柄を、いいタイミングで買うことを目指しています。
上記の銘柄を推奨するわけではありませんが、銘柄選択の視点や考え方など、読者の皆さんの参考になれば嬉しいです。

毎年資産＋10％達成を目指して、引き続き頑張ります！
ということで、本日は以上です！

お読み頂きありがとうございました！

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■参考：同社に関する過去の記事

・【ビザ】22/4/26決算発表内容と私の投資戦略
※22/4/26（火）に発表した2022年1月～3月期（第2四半期）決算についての記事です。
・【ビザ】22/1/27決算発表内容と私の投資戦略
※22/1/27（木）に発表した2021年10月～12月期（第1四半期）決算についての記事です。
・【ビザ】21/10/26決算発表内容と私の投資戦略
※21/10/26（火）に発表した2021年7月～9月期（第4四半期）決算についての記事です。