皆さんこんにちは。
個別株投資で毎年資産+10%を目指すサラリーマン投資家、かたつむり君です。
通勤時間や平日の夜、週末の時間を使って、売買候補となる銘柄の研究を行っています。
日々様々な情報が飛び交いますが、年に4回(四半期に1回)行われる決算発表は、企業の業績・状態を把握し、今後の投資戦略を考える上で特に重要な情報です。
この記事では、私が保有中 or 気になっている銘柄の決算発表内容をチェックし、今後の投資戦略について私なりの視点で書いていきます。
記載している銘柄を推奨しているわけではありませんが、私の視点や考え方が読者の皆さんの参考になれば嬉しいです。
■本日のチェック銘柄
今日チェックするのは個人、小規模事業者向けECプラットフォーム「BASE」を運営するBASE(証券コード:4477)です。
東証マザーズ上場で、決算期は12月です。
4月からの新市場区分では「グロース市場」に区分されます。
直近の四季報より数値を抜粋すると、時価総額は464億円、従業員数は連結で211名です。
同社が掲げるミッションは「Payment to the People, Power to the People.」です。
また、3つの行動指針は「Be Hopeful」(楽観的でいること)、「Move Fast」(速く動くこと)、「Speak Openly」(率直に話すこと)です。
これからは個人の時代。
個人から個人へ様々なものが売買されることが今後ますます増えていく中で、そのプラットフォームである同社の成長も期待されていますので、今回チェックしてみました。
なお、現在私はBASEの株を保有していません。
■決算発表内容の概要
2022/2/9(水)に発表した2021年12月期第4四半期決算の主な内容は以下の通りです。
【主な決算発表内容】(単位:百万円)
売上高 : 9,931(前年同期: 8,288 前年同期比:+19.8%)
営業利益 : ▲977(前年同期: 803 前年同期比:-)
純利益 :▲1,194(前年同期: 584 前年同期比:-)
資産合計 : 31,991(前期末:28,505)
自己資本 : 15,105(前期末:16,217)
現金 : 24,053(前期末:22,271)
有利子負債: 0(前期末: 0)
営業CF :+1,782(前年同期: +3,128)
投資CF : ▲21(前年同期: ▲471)
財務CF : +21(前年同期:+12,419)
■決算発表内容分析のものさし
決算発表内容について、私は主に①成長性、②収益性、③安全性、④キャッシュ創出力、の4つの観点からチェックをしています。
それぞれの観点について、主な指標とその計算方法、優秀と認定する目安は以下の通りです。
優秀と認定する目安をクリアした項目が多い銘柄ほど、買いたい銘柄、保有し続けたい銘柄ということになります。
★成長性
【主な指標】
増収率、増益率(営業利益・純利益)
【計算方法】
増収率(%)=(今期の売上÷前期の売上-1)×100
増益率(%)=(今期の利益÷前期の利益-1)×100
【優秀と認定する目安】
増収率、増益率ともに+10%以上
★収益性
【主な指標】
売上高営業利益率、売上高純利益率、ROE(自己資本利益率)
【計算方法】
売上高営業利益率(%)=営業利益÷売上高×100
売上高純利益率(%) =純利益 ÷売上高×100
ROE(%) =純利益÷自己資本×100
※四半期決算時は純利益を年換算し算定
【優秀と認定する目安】
売上高営業利益率:15%以上
売上高純利益率 :10%以上
ROE :15%以上
★安全性
【主な指標】
自己資本比率、現金>有利子負債か
【計算方法】
自己資本比率(%)=自己資本÷資産合計×100
【優秀と認定する目安】
自己資本比率:30%以上80%以内
現金>有利子負債であること
※ただし、一概に自己資本比率が高ければいいというわけではなく、有利子負債が多いとダメでもなく、業態や企業の成長フェーズによって個別に評価する必要がある、と考えています。)
★キャッシュ創出力
【主な指標】
営業CFがプラスか、営業CF>営業利益か
【優秀と認定する目安】
営業CFがプラスであること
営業CF>営業利益であること
■決算発表内容分析
それでは、上記のものさしに沿って、実際に決算発表内容を分析していきます。
●成長性のチェック
売上高は前年同期比+19.8%でした。
営業利益は前期803から今期▲977と、赤字転落しました。
純利益は前期584から今期▲1,194と、赤字転落しました。
売上高は指標の+10%を越えての増収となりました。
直近4年の増収率は+105.1%、+63.6%、+115.3%、+19.8%と高成長が続いています。
特に前期(2020年12月期)は+115.3%と、コロナ禍の追い風を受けて大きく成長しました。
営業利益、純利益は前期の黒字から赤字に転落しました。
前期(2020年12月期)こそ黒字でしたが、過去5年中4年が赤字です。
過去5年間の売上高・営業利益・純利益・EPSの推移は以下の通りです。
●収益性のチェック
今期は営業利益、純利益ともに赤字のため、収益性のチェックについては割愛します。
●安全性のチェック
自己資本比率は47.2%でした。
現金24,053に対し、有利子負債は0と、無借金経営です。
●キャッシュ創出力のチェック
営業CFは+1,782と、キャッシュインとなりました。
営業利益は▲977でしたが、営業CFは大きくプラスでした。
営業未払金が増加(+3,756)したことが要因です。
■業績予想(会社発表)に対する進捗度
会社が発表した業績予想に対する進捗度は、年間の業績予想が妥当なものかを考える上で大切な指標です。
もし進捗度が高い場合は、業績予想の上方修正が発表される可能性もあります。
Q1は25%、Q2は50%、Q3は75%、Q4は100%を超えている場合を優秀と定義して、チェックしていきます。
もちろん企業によって季節波動がありますので、単純に数値だけをみるのではなく、前年度の四半期進捗を参考にするのも大事ですね。
通期予想はレンジで発表されていましたが、それぞれレンジの範囲内での着地となりました。
売上高 :(予想)9,750~10,536 (着地)9,931
営業利益:(予想)▲1,433~▲929 (着地)▲977
純利益 :(予想)▲1,437~▲933 (着地)▲1,194
■来期の業績予想(会社四季報情報)から見る将来成長性
会社四季報では、過去の業績に加えて、今期の業績予想、来期の業績予想が記載されています。
会社四季報の記者が会社に取材をし、分析した結果掲載されている予想値です。
会社が発表している業績予想と一致する場合もあれば、ずれることもあります。
このずれがある時は、注意が必要です。
来期の売上高成長率は+10.8%と増収が予想されていますが、過去数年の増収率に比べると弱さを感じます。
営業利益、純利益は来期も赤字、かつ赤字幅は過去最大と予想されています。
なお、会社発表では、新料金プランの導入状況及び戦略的な投資の時期や金額の規模により大きな業績変動が見込まれることもあり、合理的な業績予想の算定が困難、ということで、業績予想は開示されていません。
■株価水準とチャートの動き
3/31(木)の終値は447円。純利益が赤字のためPER情報はありません。
上場来の株価の動き(週足)は以下の通りです。
2020年のコロナショック後に株価が10倍以上に大きく上昇しましたが、その後大きく調整しています。現在の株価は2020年10月につけた最高値3,448円から約▲87%の水準です。
■私の投資戦略
以上の分析内容を簡単に表に整理すると、以下のようになります。
個人から個人へ様々なものが売買される時代の中での成長が期待されていますが、売上高の成長が鈍化しているところが気になります。
まだまだ投資・成長フェーズですので営業利益・純利益が赤字なのは問題ないと思いますが、その分しっかり売上高が伸びていくことが求められますので、来期以降の売上高の伸びに注目していきたいです。
最新の会社四季報の業績記事・材料記事では以下のように書かれています。
材料記事に「25年度黒字目標」とあるように、少なくともあと3年は赤字が継続することが見込まれていますし、しばらくは手を出さずに観察しようと思います。
しっかり売上高が伸び続け、黒字転換の見通しが見え始めた2~3年後に、株価が割安な状態であれば、その時に買うかどうか検討したいと思います。
以上が私の戦略です。
■まとめ
私はだいたい25銘柄程度の注目銘柄を決めて、決算発表内容と会社四季報を見比べながら、上記のような観点で継続的に観察しています。
そして5年で株価2倍が期待できる銘柄を、いいタイミングで買うことを目指しています。
上記の銘柄を推奨するわけではありませんが、銘柄選択の視点や考え方など、読者の皆さんの参考になれば嬉しいです。
毎年資産+10%達成を目指して、引き続き頑張ります!
ということで、本日は以上です!
お読み頂きありがとうございました!
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