個別株投資で毎年資産+10%を目指し、気になっている銘柄の決算発表内容を分析し、今後の投資戦略について私なりの視点で書いていきます。
■本日のチェック銘柄
今日チェックするのは高齢者向け配食サービスを展開するシルバーライフ(証券コード:9262)です。
東証プライム市場上場で、決算期は7月です。
直近の四季報より数値を抜粋すると、時価総額は167億円、従業員数は173名です。
同社が掲げるミッションは「私たちは、食の観点から誰もが安心して歳をかさねていける社会を作ります」です。
私がこの会社に注目している理由は
①今後高齢化が進む日本において、成長が期待できるビジネスだから
②将来(需要拡大が見込まれる2025年)を見据えて積極的に投資を行っているから
です。
現在私はシルバーライフの株を100株保有しています。
■決算発表内容の概要
2023/3/10(金)に発表した2023年7月期第2四半期決算の主な内容は以下の通りです。
■決算発表内容分析のものさし
私は主に①成長性、②収益性、③安全性、④キャッシュ創出力、の4つの観点からチェックをしています。
それぞれの観点について、主な指標とその計算方法、優秀と認定する目安は以下の通りです。
優秀と認定する目安をクリアした項目が多い銘柄ほど、買いたい銘柄、保有し続けたい銘柄ということになります。
■決算発表内容分析
それでは、上記のものさしに沿って、実際に決算発表内容を分析していきます。
●成長性のチェック
売上高は前年同期比+10.4%、営業利益は同+33.6%、純利益は同+24.6%でした。
いずれも目安の+10%を越えての増収増益となりましたが、Q1時点では営業利益が前年同期比+144.3%、純利益が同+94.5%でしたので、やや物足りなく感じます。
売上高の増減分析は以下の通りです。
「FC加盟店」売上高は、コロナ療養者向けがなくなり、Q1からは減少しましたが、+7.6%の増収となりました。
店舗数は、前年度末から▲15店舗減少し、975店舗となりました。
加盟獲得に苦戦しました。
「直販・その他」売上高は積極的な販売促進活動などの効果により+30.1%の増収となりました。
営業利益・純利益はともに大幅増益となりました。
原材料値上がりのマイナス要因があった中ですが、販売の増加と外部委託商材を自社製造に移行したことなどが増益につながりました。
前年度までに工場及び物流センターの大型投資が一段落し、いよいよ果実(利益)を収穫するフェーズに入っていきます。
●収益性のチェック
売上高営業利益率は6.9%、売上高純利益率は5.3%でした。
いずれも目安としている15%、10%には届きませんでした。
直近6年(2017円7月期~2022年7月期)と今期Q2の利益率の推移は以下の通りです。
前年度までは積極的な投資もあり、利益率は低下していましたが、大型投資も一段落し、利益率が改善されました。
ROEは11.6%でした。
目安の15%には届きませんでした。
前年度通期のROEが7.6%でしたので、こちらも改善されました。
●安全性のチェック
自己資本比率は61.0%でした。
現金1,733百万円に対し、有利子負債は2,071百万円と、有利子負債が現金を上回りました。
2021年3月に栃木工場稼働、2022年3月に加須物流センター稼働と、積極的に設備投資を進めてきたこともあり、有利子負債が増えました。
将来のより大きな需要を取りに行くための投資ですので、前向きに捉えています。
過去4年間(2019年7月期~2022年7月期)と今期Q2の貸借対照表の推移は以下の通りです。
2021年7月期に貸借対照表が大きくなっています。
負債の部では長期借入金が大きく増加し、資産の部では建物、機械及び装置が増加しました。
借入を行い積極的に設備投資したことが貸借対照表にも表れています。
●キャッシュ創出力のチェック
営業CFは+629百万円と、キャッシュインとなりました。
営業利益417百万円を上回りました。
キャッシュフローの概要を図にすると以下の通りです。
本業で得たキャッシュ(営業CF)の範囲内で設備投資(投資CF)や借入金の返済(財務CF)を行い、健全なキャッシュの循環と言えます。
■業績予想(会社発表)に対する進捗度
業績予想に対する進捗度は、売上高:47.4%、営業利益:59.6%、純利益:57.7%でした。
特に利益面は高い進捗を見せています。
原材料高の影響もあり、Q1で期待したほど業績予想の上方修正の可能性は高くないかもしれませんが、順調な進捗に期待します。
■来期の業績予想(会社四季報情報)から見る将来成長性
会社四季報から、来期の業績予想を見ていきます。
今期予想から、来期の四季報予想業績への成長性を見ていきます。
売上高:+11.8%、営業利益:+11.4%、純利益は+9.1%と予想されています。
売上高・営業利益は2桁成長と予想されています。
■株価水準とチャートの動き
3/13(月)の終値は1,542円。PERは30倍です。
過去5年間の株価の動き(週足)は以下の通りです。
2017年10月の上場後、順調に上昇を続け、2018年9月には上場来高値の3,690円を記録しました。
2020年のコロナショックで大きく下げた後、一度持ち直しましたが、昨年6月以来下落が続き、上場来安値に迫る955円まで下落しました。
昨年9月の2022年7月期第4四半期決算発表後は、3日で▲16.7%と大きく下落しましたが、その後株価は持ちなおし、移動平均線も上向きになりつつあります。
が、今回の決算発表後の3/13(月)は▲15.3%と大幅下落となりました。
■私の投資戦略
以上の分析内容を簡単に表に整理すると、以下のようになります。
前期は積極的な設備投資、広告宣伝費の投入もあり増収減益でしたが、今期は増収増益、特に利益面では大幅な増益予想の中、順調に中間期を折り返しました。
高齢者人口増加によって需要拡大が見込まれる2025年を見据えて積極的に設備投資を行ってきた同社。
大規模設備投資の効果が利益面であらわれてきていますが、投資の果実を得られるのはまだまだこれからだと思いますので、今後の業績に期待しています。
前回、昨年12月の決算発表では、決算発表の2週間ほど後に数値の修正を発表し、株価が大きく下げました。
今回の決算発表内では在庫管理体制の改善に向けた具体的な再発防止策も示されていました。
IR情報は投資判断の大切な基礎となりますので、信頼できるIR姿勢に期待したいと思います。
2022年1月、980円台で買付をしました。
「5年で株価2倍」を十分に狙えると考えてエントリーし、これまでは順調に株価も伸びてきてくれています。
あくまで本格的な成長は2025年以降だと思いますので、仮に株価2倍に達しても、保有を継続する方針です。
2023年7月期から配当も開始されることになり、保有継続を後押しする材料になっています。
長期保有を前提に、事業と株価の成長をじっくり見守りたいと思います。
以上が私の戦略です。
■おわりに
私はだいたい25銘柄程度の注目銘柄を決めて、決算発表内容と会社四季報を見比べながら、上記のような観点で継続的に観察しています。
そして5年で株価2倍が期待できる銘柄を、いいタイミングで買うことを目指しています。
上記の銘柄を推奨するわけではありませんが、銘柄選択の視点や考え方など、読者の皆さんの参考になれば嬉しいです。
毎年資産+10%達成を目指して、引き続き頑張ります!
ということで、本日は以上です!
お読み頂きありがとうございました!
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■参考:同社に関する過去の記事
・【簿記】在庫が減ると利益が減る?!どゆこと?!(シルバーライフの事例から)
※以下の決算修正発表を題材に、在庫が減ると利益は増えるのか、減るのか、簿記の観点でまとめた記事です。
・【シルバーライフ】22/12/9決算発表内容と私の投資戦略≪12/26数値訂正後≫
※22/12/26(月)に修正発表した2023年7月期第1四半期決算(数値修正後)についての記事です。
・【シルバーライフ】22/12/9決算発表内容と私の投資戦略
※22/12/9(金)に発表した2023年7月期第1四半期決算(数値修正前)についての記事です。
・【シルバーライフ】22/9/13決算発表内容と私の投資戦略
※22/9/13(火)に発表した2022年7月期第4四半期決算についての記事です。
・【シルバーライフ】22/6/7決算発表内容と私の投資戦略
※22/6/7(火)に発表した2022年7月期第3四半期決算についての記事です。
・【シルバーライフ】22/3/10決算発表内容と私の投資戦略
※22/3/10(木)に発表した2022年7月期第2四半期決算についての記事です。
・【シルバーライフ】21/12/8決算発表内容と私の投資戦略
※21/12/8(水)に発表した2022年7月期第1四半期決算についての記事です。
・【銘柄研究!】本日の気になる銘柄~シルバーライフ
※21/9/10(金)に発表した2021年7月期決算についての記事となります。
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