上方修正確実?!手間いらず第3四半期決算を検証!

投資の考え方

4/30(火)に第3四半期決算を発表した手間いらず≪2477≫。

業績予想に対して高い進捗率を示し、上方修正が期待されます!

上方修正の可能性について、過年度の進捗率から検証してみました!

スポンサーリンク

■第3四半期決算の内容は?!

第3四半期決算の主な内容は以下の通りです。

・PLの主な内容は?

売上高・営業利益・純利益はともに10%を超えて増収増益でした。

売上高営業利益率は73.5%、売上高純利益は47.4%と、極めて利益率が高いのが同社の特徴です。

過去13年と今期3Qまでの利益率の推移は以下の通りです。

・BSの主な内容は?

資産合計6,592百万円に対し、自己資本が6,297百万円、自己資本比率は95.5と非常に高いです。

資産に占める現金の比率は93.9%と現金比率が高く、有利子負債はなしの無借金経営と、財務の安全性は極めて高いです。(手元の現金を今後いかに使っていくか、は課題かもしれませんが。)

直近約5年の自己資本・現金・自己資本比率の四半期推移は以下の通りです。

・通期予想に対する進捗率は?

通期予想に対する進捗率は以下の通りです。

※同社の決算説明資料より抜粋

第3四半期ですので75%(1年の3/4)が1つの目安になりますが、売上高:78.3%、営業利益:85.5%、純利益:86.0%と、それぞれ高い進捗率となりました。

今回の決算発表では業績の上方修正は行いませんでしたが、今後上方修正が期待できるでしょうか?

■過去5年の進捗率は?

上方修正の可能性を検証するために、売上高・営業利益・純利益の過去5年の四半期ごとの比率を検証していきます。

今期については、会社が開示している業績予想で着地した場合を仮定してのパーセンテージです。

まず、同社は業績に安定感があり、四半期ごとのブレ小さいことが、過去5年の四半期比率をみるとわかります。

直近5年、第4四半期が占める比率の平均値は、売上高:25.0%、営業利益:25.3%、純利益:25.7%です。

業績予想通りでシミュレーションした24Q4の比率は明らかに低いですので、上方修正が大いに期待できそうですね!

■どれだけ上方修正しそう?!

上方修正の確率は極めて高いとして、気になるのはどれだけ上方修正するかですね。

Excelで色々とシミュレーションしてみました。

第4四半期の比率が直近5年の平均値並みだと仮定した場合、以下の着地が想定されます。

【売上高 】4Q:502百万円 通期:2,012百万円 業績予想比+4.4%

【営業利益】4Q:376百万円 通期:1,485百万円 業績予想比+14.5%

【純利益 】4Q:247百万円 通期:963百万円 業績予想比+15.9%

営業利益・純利益はおよそ14-16%上方修正される計算です。

第4四半期の比率が直近5年で最もよかった2019年6月期水準と仮定した場合、以下の着地が想定されます。

【売上高 】4Q:558百万円 通期:2,068百万円 業績予想比+7.3%

【営業利益】4Q:433百万円 通期:1,542百万円 業績予想比+18.9%

【純利益 】4Q:279百万円 通期:995百万円 業績予想比+19.7%

営業利益・純利益はおよそ18-20%上方修正される計算です。

いいですね!

■株価は上がるか!?

上記のシミュレーションから、上方修正される可能性が高く、株価の上昇も期待できそう、と思いたいところですが、1つ落とし穴がありました。

それは「市場予想」との対比です。

市場予想の1つである会社四季報(3月号)の業績予想を見ると、以下の通りです。

こちらは3月時点で発売された四季報の情報ですが、すでに会社予想よりも高い水準での着地を予想しています。

四季報予想は会社予想と同額になっている会社も多くありますが、手間いらずの場合、「会社予想が保守的すぎる」と四季報が予想していることとなります。

市場参加者が、会社予想をベースに考えているのか四季報予想をベースに考えているのかによって、今後の上方修正した場合でも、株価の動きは大きく異なりそうです。

なお、上記で2パターンのシミュレーションを行いましたが、四季報予想比を見ると以下の通りです。

・第4四半期の比率が直近5年の平均値並みと仮定
売上高:四季報比▲1.9% 営業利益:同▲1.0% 純利益:同+0.3%

・第4四半期の比率が直近5年で最もよかった2019年6月期水準と仮定
売上高:四季報比+0.9% 営業利益:同+2.8% 純利益:同+3.6%

直近5年平均値並みだと、むしろ四季報予想に届かない水準での着地となってしまい、直近5年で最もよかった水準でも営業利益・純利益で+2-4%程度にとどまります

となると、上方修正をしても、あまり大きな上昇は期待できないかもしれませんね。。。

さて、皆さんはどう予想しますか??

■おわりに

手間いらずの第3四半期決算発表から、今後の上方修正の可能性を検証してみました。

上方修正することは濃厚ではあるものの、すでに四季報予想は会社予想よりも高い水準での着地を予想しており、上方修正しても株価の上昇は限定的か?

というのが個人的な見方です。

実際は上方修正するかどうかも、いくらで着地するかも、蓋を開けてみないとわかりません。

投資判断は皆さまそれぞれでお願いできればと思います。

なお、第3四半期決算を受けて、高い進捗率にも関わらず上方修正が発表されなかったことを嫌気したのか、翌日、翌々日と株価は下落しました。

ただ、その後すぐに決算発表前の株価近くまで戻ってきています。

市場参加者も評価に迷っているのかもしれません。

私個人的な投資の切り口ですが、同社は決して高配当ではなく(配当利回り1%程度)、株主優待もありませんので、買うとしたら「5年で株価2」の株価成長を狙って買うことになります。
(私の投資の切り口についてはこちらの記事をご参照ください → 【NTTを追加買付!現在年初来+2.9%】今週の株式投資ポートフォリオ振り返り#240510

過去6,000円台をつけたこともありますし、業績の安定性・利益率の高さからまだまだ上昇余地はあると思いますが、株価2倍を狙うとなると、2,500円程度まで下がるのを待ちたいと考えています。

現在の株価から約▲21%程低い水準ですので、なかなか下がらないと思いますが。
買えなければ買えないで仕方ない!
そんなスタンスで今後も株価と業績の推移を観察したいと思います。

足元の業績と業績予想に対する進捗率を見ていくことで、投資のチャンスを見つけることや、リスクを早めに察知することができる可能性があります。

進捗率は決算発表を見る面白さでもありますので、皆さんもぜひ気にしてみてください。

本日もお読み頂きありがとうございました!


サラリーマン投資家ランキング

コメント

タイトルとURLをコピーしました