ビジネス会計検定3級基礎講座③~自己資本比率

投資の考え方

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ビジネス会計検定3級に出てくる基礎的な財務諸表分析について、事例を交えて解説します。

今日解説するのは「自己資本比率」です。

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■自己資本比率とは?

ビジネス会計検定3級のテキストでは「安全性の分析」の項目の中で取り上げられています。

「自己資本比率」は、貸借対照表における資金の調達側のバランスを見る指標です。

貸借対照表の構造を簡単に示すと、以下の通りです。

右側の負債と純資産が調達源泉を示し、左側の資産が運用形態を示します。

負債は、企業にとって企業経営上の外部者からの資金の調達であるため弁済を要し、「他人資本」とも呼ばれます。

一方、純資産は、資本主からの資金とこれまでに積み上げてきた利益であり、「自己資本」とも呼ばれます。

自己資本比率は、資金の源泉全体(負債・純資産合計)に占める自己資本の割合のことです。

弁済を要する負債ではなく、弁済を要しない純資産が多い方が、長期的に財政状態が安定しているという視点から、一般的には自己資本比率は高い方が望ましいとされます。

■自己資本比率の計算方法

自己資本比率の計算方法は以下の通りです。

上記の貸借対照表の数値を例にとると、以下の通りとなります。

理解できましたか?

■2つのチェックポイントと具体例

株式投資において、投資対象会社の自己資本比率をチェックする際に大切なチェックポイントは2点です。

・自己資本比率の水準は高いか、低いか
・過去からの推移で、財務状態の変化を捉える

・自己資本比率の水準は高いか、低いか

GAFAの一角であるアルファベット(2022年12月期第3四半期)とアップル(2022年9月期第3四半期)の貸借対照表を図解で比べると、以下の通りです。

自己資本比率はアルファベットが70.8%と十分に高い一方、アップルは17.3%と低いです。

アップルは有利子負債が108,709百万ドルと非常に多く、14,653百万ドルのアルファベットの約7.4倍あります。

貸借対照表全体の規模はそれほど違いませんが、資金の調達源泉は大きく異なることがわかります。

一般的に、自己資本比率は高い方が望ましいとされ、少なくとも30%程度は確保した方がいいと言われます。

自己資本比率が30%を切る会社の場合は、投資先として危険がないか、よくよくチェックする必要があります。

事業は今後も成長していきそうか本業からキャッシュを生み出せているか、等はチェックするべきポイントになるでしょう。

・過去からの推移で、財務状態の変化を捉える

自己資本比率の推移を複数年で見ることで、会社の成長度合いや、直近での財務状況、資金調達の方針がよくわかります。

・テスラ

近年急成長した会社の代表例は米・電気自動車のテスラです。

自己資本比率の推移は以下の通りです。

総資産、自己資本の推移もあわせて示していますが、業績の成長により自己資本が増え、自己資本比率も改善していることがわかります。

特に、20Q3(2020年7月~9月期)にグッと自己資本比率が高まりました。

長らく赤字が続いていましたが、19Q3以降は四半期黒字が続き、自己資本比率も大きく改善しました。

・エクスペディア

業績悪化によって自己資本比率が悪化した例として、米・オンライン旅行予約のエクスペディアの自己資本比率の推移を見ていきます。

20Q1(2020年1月~3月期)、新型コロナウイルス感染症拡大により旅行需要が世界的に蒸発し、同社の業績も打撃を受けました。

それまで安定していた自己資本が急激に減少し、自己資本比率もガクッと悪化しました。

急激な業績悪化の中で20Q2(2020年4月~6月期)には有利子負債(借入金)による資金調達を行い、さらに自己資本比率は悪化しました。

ただ、直近では明るい兆しがあります。

22Q1(2022年1月~3月期)以降は有利子負債がだんだんと減少し、自己資本比率も改善の兆しを見せています。 自己資本比率がコロナ禍前の水準に戻る頃には、業績もかなり改善していることでしょう。

■おわりに

自己資本比率、財務の安全性を測る、大変重要な指標となります。

・自己資本比率の水準は高いか、低いか
・過去からの推移で、財務状態の変化を捉える

複数社による比較過年度との比較によって、会社の個性状態方向性を捉え、投資判断に活かしていきましょう!

ビジネス会計検定3級の知識は、私の株式分析の基礎になっています。

合格に必要な勉強時間は50時間と言われます。

独学で十分に合格が狙え、得た知識をすぐ投資に活かすこともでき、学習のモチベーションを高く維持しやすい資格と言えると思います。

次回の試験日は310日(日)です。
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ぜひ基礎的な財務諸表分析力を身に付けて、株式投資に活かしていきましょう!

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本日もお読み頂きありがとうございました!

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