新型コロナ、高インフレで苦戦を強いられている外食産業。
その代表格がすかいらーくHDです。
『ガスト』『バーミヤン』『ジョナサン』など、全国3,000店舗で営業しています。
15年ぶりの社長交代を発表し、金谷 実 新社長のもと、新たなスタートを切りました。
2023/4/6(木)のテレビ東京「日経モーニングプラスFT」に、15年間社長として会社を牽引してきた谷会長が出演し、ポストコロナの経営戦略について語りました。
そのポイントについてまとめました。
■①インフレ対策
インフレ対策として、
②DXがかなり推進され、従業員全体に効率のいい仕事の仕方が根付き、結果インフレ対策が実行できている。
また、ポストコロナをにらんだメニューの見直しとして、4/13(木)から、全国4つの区分での地域別価格の導入、小皿メニューの拡充を始める。
低価格のレストランビジネスは日本の大切なインフラであると考えており、社是としてこれからも深堀りしたい。
■②深夜需要に応えるDX戦略
コロナ禍で営業時間の短縮をしてきたが、現在はニーズが膨らんでいる。
8月までに2,000店規模で深夜営業店を増やす方針である。
課題である人材確保については、ロボット・テーブル端末・キャッシュレスレジ・深夜専用セグメントメニューの導入などにより、従業員の定着率は飛躍的に上がった。
このネコ型配膳ロボットは導入からおよそ1年半がたち、2,100店舗で3,000台が稼働している。
働きやすい環境実現を目指して導入した結果、従業員の歩行数は42%削減、片付け時間は35%削減された。
■③時代を読む新業態展開
今年1月に「八郎そば」(はちろうそば)、2月に「飲茶テラス 桃菜」(とうさい)という新業態の出店を始めた。
それぞれ年内10店舗の出店を予定している。
基幹業態はファミリーレストランの『ガスト』『バーミヤン』だが、今後時代に合わせた新業態の出店も進めていく方針である。
特に、目的型来店の専門店が増えている。
ファミリーレストランとカジュアルレストランの両輪で展開していきたい。
また、出店エリアについては、これまで地方のロードサイドが多かったが、今は都心部、商業集積域域、人口25万人以上の県庁所在地の駅前などに集中して出店している。
お店で仕事をする人、集うために時間を過ごす人が増えており、そうした動機・ニーズを捉えていく。
■10年後のすかいらーくの姿
「ファミリーダイニング」と「カジュアルダイニング」の両輪で展開していく。
加えて、通販ビジネスが伸び、海外も高収益化している。
海外は10年後には500~1,000店に拡大させる。
M&Aによって一緒に働く仲間を増やしていくことも考えている。
全国10の工場で製造し、毎日3,000の店舗に届ける物流システムを持っており、そのシステムに乗って一緒に業績を改善していく仲間を増やすことだと考えている。
■現在の株価水準
2023/4/7(金)時点の株価、PER、PBR、配当利回り、総合利回り、ROEは以下の通りです。
2023年12月期の予想純利益は1,000百万円で、コロナ禍前の2018年12月期(11,438百万円)、2019年12月期(9,487百万円)と比べても大きく見劣りします。
上述の様々な変革による改善が期待されます。
株価の推移は以下の通りで、コロナ禍前の水準には戻っていません。
■おわりに
ファミリーレストランとして身近な存在であるすかいらーくHD、コロナ禍からの回復、新業態展開による成長、楽しみですね。
長期投資をする上では、5年後、10年後、経営者がどのような方向を目指すのかを知ることは重要です。
番組内で語られた「10年後の姿」に共感できるか、成長性を感じられるかは、投資判断をする上で大切な視点ですね。
皆さんはいかがですか?
新社長に就任した金谷社長の手腕に注目しましょう。
私自身は、特にバーミヤンが子供の頃から大好きではありますが、純利益予想がまだまだ弱く、予想配当水準もコロナ禍前には大きく及ばない状況ですので、しばらく様子見をしたいと考えています。
業績の回復、優待+配当の総合利回りで3%以上を期待できるタイミングが来たところで、改めて投資するかどうか検討したいと思います。
本日もお読み頂きありがとうございました!
コメント