私は毎年資産+10%達成を目標に投資に励むサラリーマン投資家です。
通勤時間や平日の夜、週末の時間を使って、売買候補となる銘柄の研究を行っています。
日々様々な情報が飛び交いますが、特に年に4回(四半期に1回)行われる決算発表は、企業の業績・状態を把握し、今後の投資戦略を考える上でとても重要な情報です。
この記事では、私が保有中 or 気になっている銘柄の決算発表内容をチェックし、今後の投資戦略について私なりの視点で書いていきます。
記載している銘柄を推奨しているわけではありませんが、私の視点や考え方が読者の方の参考になれば嬉しいです。
■本日のチェック銘柄
今日チェックするのは全国の病院や介護関連施設を通じて利用者にタオルなどをレンタルする「CSセット」事業を展開するエラン(証券コード:6099)です。
東証一部上場で、決算期は12月です。
直近の四季報より数値を抜粋すると、時価総額は759億円、従業員数は連結で333名です。
私がこの会社に注目している理由は、
①高齢化、核家族化、単身世帯の増加といった時代背景が事業の追い風になると考えているから
②ストック型のビジネスモデルで安定感のある業績成長を続けているから
です。
現在私はエランの株は保有していません。
■決算発表内容の概要
2021/11/11(木)に発表した2021年12月期第3四半期決算の主な内容は以下の通りです。
【主な決算発表内容】(単位:百万円)
売上高 :23,279(前年同期:18,854 前年同期比:+23.5%)
営業利益 : 2,159(前年同期: 1,536 前年同期比:+40.5%)
純利益 : 1,482(前年同期: 1,042 前年同期比:+42.1%)
資産合計 :12,422(前期末:11,689)
自己資本 : 7,056(前期末: 6,184)
現金 : 4,913(前期末: 4,498)
有利子負債: 0(前期末: 0)
営業CF : - (前年同期: - ) ※開示なし
投資CF : - (前年同期: - ) ※開示なし
財務CF : - (前年同期: - ) ※開示なし
■決算発表内容分析のものさし
決算発表内容について、私は主に①成長性、②収益性、③安全性、④キャッシュ創出力、の4つの観点からチェックをしています。
それぞれの観点について、主な指標とその計算方法、優秀と認定する目安は以下の通りです。
優秀と認定する目安をクリアした項目が多い銘柄ほど、買いたい銘柄、保有し続けたい銘柄ということになります。
★成長性
【主な指標】
増収率、増益率(営業利益・純利益)
【計算方法】
増収率(%)=(今期の売上÷前期の売上-1)×100
増益率(%)=(今期の利益÷前期の利益-1)×100
【優秀と認定する目安】
増収率、増益率ともに+10%以上
★収益性
【主な指標】
売上高営業利益率、売上高純利益率、ROE(自己資本利益率)
【計算方法】
売上高営業利益率(%)=営業利益÷売上高×100
売上高純利益率(%) =純利益 ÷売上高×100
ROE(%) =純利益÷自己資本×100
※四半期決算時は純利益を年換算し算定
【優秀と認定する目安】
売上高営業利益率:15%以上
売上高純利益率 :10%以上
ROE :15%以上
★安全性
【主な指標】
自己資本比率、現金>有利子負債か
【計算方法】
自己資本比率(%)=自己資本÷総資本×100
【優秀と認定する目安】
自己資本比率:30%以上80%以内
現金>有利子負債であること
※ただし、一概に自己資本比率が高ければいいというわけではなく、有利子負債が多いとダメでもなく、業態や企業の成長フェーズによって個別に評価する必要がある、と考えています。)
★キャッシュ創出力
【主な指標】
営業CFがプラスか、営業CF>営業利益か
【優秀と認定する目安】
営業CFがプラスであること
営業CF>営業利益であること
■決算発表内容分析
それでは、上記のものさしに沿って、実際に決算発表内容を分析していきます。
●成長性のチェック
売上高は前年同期比+23.5%でした。
営業利益は同+40.5%でした。
純利益は同+42.1%でした。
指標としている10%を大きく超えて、売上高は20%以上、各利益は40%以上と、非常に好調な決算でした。
利用者数の堅調な推移と、新型コロナウイルスの影響による営業活動費抑制により、増収・増益となりました。
契約施設数は前年同期比で46施設増加し(+2.8%)、1,766施設になりました。
新規契約が54施設、解約が8施設でした。
契約施設のうち1,156施設は病院であり、同社のビジネスの中核となります。
決算説明資料によると、同社がターゲットとしている病院は7,413施設ということでまだ開拓率は15.6%です。
まだまだ成長余地を感じさせてくれる数値です。
月間利用者数は前年同期比で9,865人増加し(+3.3%)、313,365人となりました。
●収益性のチェック
売上高営業利益率は9.3%、売上高純利益率は6.4%、ROEは28.0%でした。
利益率は指標としている水準には届きませんでしたが、ROEは28%と大変高い数値でした。
●安全性のチェック
自己資本比率は56.8%でした。
現金4,913に対し、有利子負債は0と、無借金経営を行っています。
安全性は心配なしです。
●キャッシュ創出力のチェック
キャッシュ・フロー計算書は非開示のため、チェックは割愛します。
■業績予想(会社発表)に対する進捗度
会社が発表した業績予想に対する進捗度は、年間の業績予想が妥当なものかを考える上で大切な指標です。
もし進捗度が高い場合は、業績予想の上方修正が発表される可能性もあります。
Q1は25%、Q2は50%、Q3は75%、Q4は100%を超えている場合を優秀と定義して、チェックしていきます。
もちろん企業によって季節波動がありますので、単純に数値だけをみるのではなく、前年度の四半期進捗を参考にするのも大事ですね。
同社では、今回の決算発表に合わせて、業績予想の上方修正を行いました。
売上高 :(前回)31,000 (今回)31,400 +1.3%
営業利益:(前回) 2,500 (今回) 2,700 +8.0%
純利益 :(前回) 1,680 (今回) 1,800 +7.1%
前回予想、今回予想、それぞれについての進捗度を記載します。
売上高 の進捗度は対前回予想で75.1%、対今回予想で74.1%でした。
営業利益の進捗度は対前回予想で86.4%、対今回予想で80.0%でした。
純利益 の進捗度は対前回予想で88.2%、対今回予想で82.3%でした。
前回予想に対してはいずれもQ3の指標である75%を上回り、特に営業利益・純利益は80%を超えており、上方修正をしたことも頷けます。
■来期の業績予想(会社四季報情報)から見る将来成長性
会社四季報では、過去の業績に加えて、今期の業績予想、来期の業績予想が記載されています。
会社四季報の記者が会社に取材をし、分析した結果掲載されている予想値です。
会社が発表している業績予想と一致する場合もあれば、ずれることもあります。
このずれがある時は、注意が必要です。
今期の会社発表業績予想から、来期の四季報発表業績予想への成長性を見ていきます。
売上高は+22.6%、営業利益は+20.0%、純利益は+16.7%です。
いずれも指標の+10%を越えての増収増益で、売上・利益ともに過去最高の予想がたてられています。 上記の表を見てもわかる通り、売上高・営業利益・純利益いずれも、2016年12月期から増収増益を継続しています。
非常に安定感のある事業成長を続けていることがわかります。
■株価水準とチャートの動き
11/12の終値は1,273円。予想PERは45倍です。
過去5年間の株価の動き(週足)は以下の通りです。
業績の成長と同じように、安定感のある右肩上がりのチャートになっています。
PERは45倍とやや高いのですが、非常に魅力的な銘柄であると考えています。
■私の投資戦略
以上の分析内容を簡単に表に整理すると、以下のようになります。
増収増益に加え、今期業績予想の上方修正もあり、素晴らしい決算発表でした。
過去5年以上にわたり安定的に売上高・利益が増加し続けており、ストック型ビジネスの安定感を感じる会社です。
契約施設の中心である病院もまだまだ開拓率15.6%と今後の成長余地もあります。
高齢化、核家族化、単身世帯の増加といった時代背景は同社の事業の追い風になると考えており、今後が引き続き楽しみな会社です。
PERが45倍とやや高く、仕掛けるにあたってはもう少し下がって欲しいな、というところです。
PERが35倍近くになる1,000円あたりまで下がったら是非買いたいと思いますが、果たして下がりますか。。。
同社のビジネスは大変安定感がありますので、同社固有の理由というより、相場全体が軟調になるタイミングが今後来たら、その時がチャンスかなと思って待ちたいと思います。
これが私の戦略です。
■まとめ
長くなりましたが、お読み頂きありがとうございました!
私はだいたい25銘柄程度の注目銘柄を決めて、上記のような観点で継続的に観察を続けています。
そして5年で株価2倍が期待できる銘柄を、いいタイミングで買うことを目指して日々観察をしています。
上記の銘柄を推奨するわけではありませんが、銘柄選択の視点や考え方など、読者の皆さんの参考になったのであれば嬉しいです。
毎年資産+10%達成を目指して、引き続き頑張ります!
ということで、本日は以上です!お読み頂きありがとうございました!
コメント