【アセンテック】21/12/10決算発表内容と私の投資戦略

決算分析

皆さんこんにちは。
個別株投資で毎年資産+10%を目指すサラリーマン投資家、かたつむり君です。
(TWITTER:@posikatatsumuri


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通勤時間や平日の夜、週末の時間を使って、売買候補となる銘柄の研究を行っています。
日々様々な情報が飛び交いますが、特に年に4回(四半期に1回)行われる決算発表は、企業の業績・状態を把握し、今後の投資戦略を考える上でとても重要な情報です。

この記事では、私が保有中 or 気になっている銘柄の決算発表内容をチェックし、今後の投資戦略について私なりの視点で書いていきます。

記載している銘柄を推奨しているわけではありませんが、私の視点や考え方が読者の方の参考になれば嬉しいです。

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■本日のチェック銘柄

今日チェックするのは仮想デスクトップソリューションを提供するアセンテック(証券コード:3565)です。
東証一部上場で、決算期は1月です。
直近の四季報より数値を抜粋すると、時価総額は172億円、従業員数は80名です。

同社が掲げる企業理念は「簡単、迅速、安全に!お客様のビジネスワークスタイルの変革に貢献する」です。

私がこの会社に注目している理由は、
①同社のサービスがテレワークの普及、働き方改革の実現に貢献すると考えているから
②テレワークが増える中でセキュリティ対策は今後ますます必要になっていくと考えているから
です。

現在私はアセンテックの株は保有していません。

■決算発表内容の概要

2021/12/10(金)に発表した2022年1月期第3四半期決算の主な内容は以下の通りです。

【主な決算発表内容】(単位:百万円)

売上高  : 5,018(前年同期: 4,654 前年同期比:  +7.8%)
営業利益 :    570(前年同期:    501 前年同期比:+13.7%)
純利益  :    397(前年同期:    363 前年同期比:  +9.4%)
資産合計 : 3,597(前期末:3,511)
自己資本 : 2,224(前期末:2,093)
現金   : 1,022(前期末:1,712)
有利子負債:        0(前期末:       0)
営業CF  : - (前年同期: - ) ※開示なし
投資CF  : - (前年同期: - ) ※開示なし
財務CF  : - (前年同期: - ) ※開示なし

■決算発表内容分析のものさし

決算発表内容について、私は主に①成長性、②収益性、③安全性、④キャッシュ創出力、の4つの観点からチェックをしています。

それぞれの観点について、主な指標とその計算方法、優秀と認定する目安は以下の通りです。
優秀と認定する目安をクリアした項目が多い銘柄ほど、買いたい銘柄、保有し続けたい銘柄ということになります。

★成長性
【主な指標】
増収率、増益率(営業利益・純利益)

【計算方法】
増収率(%)=(今期の売上÷前期の売上-1)×100
増益率(%)=(今期の利益÷前期の利益-1)×100

【優秀と認定する目安】
増収率、増益率ともに+10%以上

★収益性
【主な指標】
売上高営業利益率、売上高純利益率、ROE(自己資本利益率)

【計算方法】
売上高営業利益率(%)=営業利益÷売上高×100
売上高純利益率(%) =純利益 ÷売上高×100
ROE(%)      =純利益÷自己資本×100
※四半期決算時は純利益を年換算し算定

【優秀と認定する目安】
売上高営業利益率:15%以上
売上高純利益率 :10%以上
ROE      :15%以上

★安全性
【主な指標】
自己資本比率、現金>有利子負債か

【計算方法】
自己資本比率(%)=自己資本÷総資本×100

【優秀と認定する目安】
自己資本比率:30%以上80%以内
現金>有利子負債であること
※ただし、一概に自己資本比率が高ければいいというわけではなく、有利子負債が多いとダメでもなく、業態や企業の成長フェーズによって個別に評価する必要がある、と考えています。)

★キャッシュ創出力
【主な指標】
営業CFがプラスか、営業CF>営業利益か

【優秀と認定する目安】
営業CFがプラスであること
営業CF>営業利益であること

■決算発表内容分析

それでは、上記のものさしに沿って、実際に決算発表内容を分析していきます。

●成長性のチェック

売上高は前年同期比+7.8%でした。
営業利益は同+13.7%でした。
純利益は同+9.4%でした。

売上高・純利益は指標の+10%には届きませんでしたが、増収増益の決算となりました。

コロナ禍という環境の中で、在宅勤務・テレワーク導入及びサイバーセキュリティ対策の増加により、同社の製品やソリューションに対する需要は堅調でした。
大型の仮想デスクトップ基盤及びサーバ、ストレージ需要の復調や、自社製品である「リモートPCアレイ」の地方自治体での導入が増加したことが増収の要因のようです。

●収益性のチェック

売上高営業利益率は11.4%、売上高純利益率は7.9%、ROEは23.8%でした。

ROEは指標としている15%を上回りました。
一方で利益率は指標にはもう一息届きませんでした。
なお、過去3年間の推移を確認すると、
売上高営業利益率は6.9%、7.7%、10.1%、
売上高純利益率は4.9%、5.4%、7.1% です。
指標には届いていませんが、着実に利益率が高まっていることがわかります。

●安全性のチェック

自己資本比率は61.9%でした。
現金1,022に対し、有利子負債は0、無借金経営となります。
財務の安全性は問題ありません。

●キャッシュ創出力のチェック

キャッシュ・フロー計算書の開示がないため、キャッシュ創出力については割愛します。

■業績予想(会社発表)に対する進捗度

会社が発表した業績予想に対する進捗度は、年間の業績予想が妥当なものかを考える上で大切な指標です。
もし進捗度が高い場合は、業績予想の上方修正が発表される可能性もあります。
Q1は25%、Q2は50%、Q3は75%、Q4は100%を超えている場合を優秀と定義して、チェックしていきます。
もちろん企業によって季節波動がありますので、単純に数値だけをみるのではなく、前年度の四半期進捗を参考にするのも大事ですね。

売上高の進捗度は77.2%でした。
営業利益の進捗度は81.5%でした。
純利益の進捗度は82.0%でした。

Q2に続き、Q3決算でも順調な進捗を見せました。
業績予想を上回る数値での期末着地が予想されます。
なお、会社四季報では、会社予想よりも利益は若干高い数値が予想されています。

会社発表の業績予想 :売上高:6,500 営業利益:700 当期純利益:485
会社四季報の業績予想:売上高:6,500 営業利益:730 当期純利益:500

四季報予想に対する進捗度は売上高77.2%(会社発表と同じ)、営業利益は78.1%、純利益は79.5%でした。

例年この会社は保守的に業績予想を発表している印象がありますので、会社四季報予想に近い数値での着地になるのではないかなと思っています。

■来期の業績予想(会社四季報情報)から見る将来成長性

会社四季報では、過去の業績に加えて、今期の業績予想、来期の業績予想が記載されています。
会社四季報の記者が会社に取材をし、分析した結果掲載されている予想値です。
会社が発表している業績予想と一致する場合もあれば、ずれることもあります。
このずれがある時は、注意が必要です。

※SBI証券お客様サイトより、同社の会社四季報情報を抜粋

来期の売上高成長率は+7.7%、営業利益成長率は+21.4%、純利益成長率は+23.7%と予想されています。

売上高成長率+10%には届きませんでしたが、営業利益、純利益はいずれも20%を越えて大きく成長することが予想されています。

この成長率は今期の会社発表予想から、来期の会社四季報予想への成長率を計算していますが、今期の着地が会社発表の方が保守的ですので、実際の成長率は上記よりも低い水準にはなると思いますが、それでも15%以上の増益は期待できそうです。

■株価水準とチャートの動き

12/10(金)の終値は1,176円。PERは31倍です。
過去5年の株価の動き(週足)は以下の通りです。

※SBI証券お客様サイトより、同社の株価チャートを抜粋

2017年4月の上場以降、1,000円を少し超えたあたりをなかなか抜けられずに来ましたが、2020年に入り、その壁を突破。
コロナショックで一旦は大きく調整しますが、テレワーク銘柄としての期待を集め、コロナショックの安値から3倍近くの水準まで上昇しました。
2020年10月以降は調整を続け現在はコロナ前の水準まで下落しています。

■私の投資戦略

以上の分析内容を簡単に表に整理すると、以下のようになります。

派手さや爆発力、特筆して素晴らしい点があるわけではないのですが、着実に増収増益を続けており、利益率は毎年改善され、安全性の面でも問題ない。
なかなかいい財務状態ではないかと思います。

Q3決算では決算説明資料がないため短信のみでのチェックとなりますが、テレワークの普及やセキュリティ対策の重要性が増している中、ビジネスも順調に伸びてきているようです。

株価が大きく下げているのは、昨年コロナ禍でのテレワーク銘柄としての期待値が異常に上がってしまったため、その反動ではないかと思います。
在宅勤務から出社に戻す企業が増えている、というニュースなどもありますので、昨年ほどの株価上昇を演じることは期待できない、と考えている投資家が多いのではないでしょうか。

私自身、以前同社の株式を保有していたことがありました。
「将来的にテレワークが伸びていくだろう」と期待して2018年に購入し、コロナ禍でテレワーク銘柄として注目を集めた2020年8月に売却しました。
長期保有を前提に考えていましたが、2年で株価2.5倍となったため、利益確定しました。
今振り返ると、利益確定して良かったなと。
株価は永遠に上がり続けるとは限らない、ある程度自分が満足いく水準になったら手仕舞うことも大切であると、この銘柄から学ばせてもらいました。
昨年の上昇時に感じた勢い(時代の後押し)と比べると、今はテレワーク化の追い風は肌感覚としても弱いかなと感じますので、多くの投資家にもその感覚があるのではないでしょうか。

テレワークや在宅勤務が根付くのには時間がかかりますし、爆発的な成長は期待できないと思います。
とはいっても着実に成長していく可能性を秘めた市場であると考えていますので、株価が大きく調整している今はチャンスだと感じています。

「5年で株価2倍」の確率を高めるため、もう一段下げてくれたら、仕掛けていきたいと思っています。
目安としては900円です。(現在の株価から▲23.5%)
以上が私の戦略です。

■まとめ

長くなりましたが、お読み頂きありがとうございました!

私はだいたい25銘柄程度の注目銘柄を決めて、上記のような観点で継続的に観察を続けています。
そして5年で株価2倍が期待できる銘柄を、いいタイミングで買うことを目指して日々観察をしています。
上記の銘柄を推奨するわけではありませんが、銘柄選択の視点や考え方など、読者の皆さんの参考になったのであれば嬉しいです。

毎年資産+10%達成を目指して、引き続き頑張ります!
ということで、本日は以上です!お読み頂きありがとうございました!

■参考:同社に関する過去の記事

【銘柄研究!】本日の気になる銘柄~アセンテック 
 ※9/10(金)に発表した2022年1月期第2四半期決算についての記事となります。

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