【ペイパル】22/2/1決算発表内容と私の投資戦略

決算分析

今日はペイパルの決算を
チェックしていきましょう♪

去年日本の企業を
買収したんだったな~

後払いサービスを手がける「ペイディ」
という会社を買収しましたね。

もう日本中どこに行ってもアメリカの会社の
サービスだらけになっちゃうな~

皆さんこんにちは。
個別株投資で毎年資産+10%を目指すサラリーマン投資家、かたつむり君です。

通勤時間や平日の夜、週末の時間を使って、売買候補となる銘柄の研究を行っています。
日々様々な情報が飛び交いますが、年に4回(四半期に1回)行われる決算発表は、企業の業績・状態を把握し、今後の投資戦略を考える上で特に重要な情報です。

この記事では、私が保有中 or 気になっている銘柄の決算発表内容をチェックし、今後の投資戦略について私なりの視点で書いていきます。

記載している銘柄を推奨しているわけではありませんが、私の視点や考え方が読者の皆さんの参考になれば嬉しいです。

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■本日のチェック銘柄

今日チェックするのは米・オンライン決済大手のペイパル ホールディングス(ティッカーシンボル:PYPL)です。
NASDAQ上場で、決算期は12月です。
SBI証券お客様サイト内の「銘柄サマリー」情報より数値を抜粋すると、時価総額は2,020億ドル、従業員数は26,500人です。

同社はもともと米・電子商取引(EC)のイーベイにあったオンライン決済事業で、2015年に分割して誕生しました。
昨年9月には、日本で後払いサービスを展開するペイディの買収を発表し、話題になりました。
CEOのDan Schulman氏はもともとアメリカン・エキスプレスの幹部です。

デジタル化の流れの中で、オンライン決済プラットフォームとして成長することが期待されますので、これから注目していこうと思っています。

なお、現在私はペイパル ホールディングスの株を保有していません。

■決算発表内容の概要

2022/2/1(火)に発表した2021年10~12月期(第4四半期)決算の主な内容は以下の通りです。

【主な決算発表内容】(単位:百万ドル)

売上高 (Net revenues):6,918(前年同期:6,116 前年同期比:+13.1%)
営業利益(Operating income):1,050(前年同期:963 前年同期比:+9.0%)
純利益 (Net income):801(前年同期:1,567 前年同期比:▲48.9%)
資産合計(Total assets):75,803(前期末:70,379)
自己資本(Total Paypal stockholders’ equity):21,727(前期末:20,019)
現金  (Cash and cash equivalents):5,197(前期末:4,794)
有利子負債(Long-term debt):8,049(前期末:8,939)
営業CF(Net cash provided by operating activities):+1,763(前年同期:+1,347)
投資CF(Net cash provided by used in investing activities):▲3,129(前年同期:▲2,934)
財務CF(Net cash used in (provided by) financing activities):▲578(前年同期:+2,362)

■決算発表内容分析のものさし

決算発表内容について、私は主に①成長性、②収益性、③安全性、④キャッシュ創出力、の4つの観点からチェックをしています。

それぞれの観点について、主な指標とその計算方法、優秀と認定する目安は以下の通りです。
優秀と認定する目安をクリアした項目が多い銘柄ほど、買いたい銘柄、保有し続けたい銘柄ということになります。

★成長性
【主な指標】
増収率、増益率(営業利益・純利益)

【計算方法】
増収率(%)=(今期の売上÷前期の売上-1)×100
増益率(%)=(今期の利益÷前期の利益-1)×100

【優秀と認定する目安】
増収率、増益率ともに+10%以上

★収益性
【主な指標】
売上高営業利益率、売上高純利益率、ROE(自己資本利益率)

【計算方法】
売上高営業利益率(%)=営業利益÷売上高×100
売上高純利益率(%) =純利益 ÷売上高×100
ROE(%)      =純利益÷自己資本×100
※四半期決算時は純利益を年換算し算定

【優秀と認定する目安】
売上高営業利益率:15%以上
売上高純利益率 :10%以上
ROE      :15%以上

★安全性
【主な指標】
自己資本比率、現金>有利子負債か

【計算方法】
自己資本比率(%)=自己資本÷資産合計×100

【優秀と認定する目安】
自己資本比率:30%以上80%以内
現金>有利子負債であること
※ただし、一概に自己資本比率が高ければいいというわけではなく、有利子負債が多いとダメでもなく、業態や企業の成長フェーズによって個別に評価する必要がある、と考えています。

★キャッシュ創出力
【主な指標】
営業CFがプラスか、営業CF>営業利益か

【優秀と認定する目安】
営業CFがプラスであること
営業CF>営業利益であること

■決算発表内容分析

それでは、上記のものさしに沿って、実際に決算発表内容を分析していきます。

●成長性のチェック

Q4の売上高は前年同期比+13.1%でした。
営業利益は同+9.0%でした。
純利益は同▲48.9%でした。

通期の売上高は前年比+18.3%でした。
営業利益は同+29.6%でした。
純利益は同▲0.8%でした。

通期の結果と比べるとQ4が弱いことがわかります。
この傾向はQ3も同じでしたので、年後半にかけて失速したということになります。

純利益はQ4では前年同期比半減、通期でも減益になってしまいました。
(Q3時点の累計では+27.8%の増益だったのですが・・・)

Q4の総決済額(Total Payment Volume:TPV)は前年同期比+23%増加の3,395億ドルとなりました。
通期の総決済額は前年比+31%増加となりました。
3ヶ月前のQ3時点では通期の総決済額の見通しを同+33~34%増との予想を発表していましたので、予想に届かない結果となりました。

※同社の決算説明資料より抜粋

失速の要因は、Q3の記事でも書きましたが、元親会社であるイーベイとの決別が加速していることです。
通期での増収率は+18%と書きましたが、イーベイに関する売上高を除いた増収率は+29%でした。
いかにイーベイの影響が大きいかがわかります。

元親会社とケンカしちゃったか?
毒親だったんだろうな~。

どうなんでしょうね。。
裏事情はよくわかりませんが。。

●収益性のチェック

Q4の売上高営業利益率は15.2%、売上高純利益率は11.6%でした。
通期の売上高営業利益率は16.8%、売上高純利益率は16.4%でした。

いずれも指標としている水準を上回りました。
過去3年(2018年~2021年)の実績は以下の通りです。
売上高営業利益率:14.2%、15.3%、15.3%
売上高純利益率 :13.3%、13.8%、19.6%

2018年の売上高利業利益率(14.2%)こそ指標の15%には届きませんでしたが、安定して高い収益性を発揮していることがわかります。

ROEは19.2%でしたので、株主からの資本を効率よく利益に結びつけていると言えます。

●安全性のチェック

自己資本比率は28.7%でした。
保有している現金は5,197、有利子負債は8,049で、有利子負債が現金を上回りました。

1年前と比べると、現金は+403(4,794→5,197)と増加し、有利子負債は▲890(8,939→8,049)と減少しました。
財務体質は改善しています。
自己資本比率が低いのは後払いビジネスの特徴かと思いますのでそれほど気にしていません。

●キャッシュ創出力のチェック

Q4の営業CFは+1,763と、キャッシュインとなりました。
Q4の営業利益1,050を超えてのキャッシュインとなりました。

通期の営業CFは+6,340と、キャッシュインとなりました。
通期の営業利益4,262を超えてのキャッシュインとなりました。

しっかり本業からキャッシュを生み出せています。

■業績予想に対する進捗度

SBI証券お客様サイト内の「財務詳細」情報に記載されている今期業績予想に対する進捗度をチェックします。
業績予想に対する進捗度は、年間の業績予想が妥当なものかを考える上で大切な指標です。
もし進捗度が高い場合は、業績予想の上方修正が発表される可能性もあります。
Q1は25%、Q2は50%、Q3は75%、Q4は100%を超えている場合を優秀と定義して、チェックしていきます。
もちろん企業によって季節波動がありますので、単純に数値だけをみるのではなく、前年度の四半期進捗を参考にするのも大事ですね。

売上高の達成度は100.1%でした。純利益の達成度は98.1%でした。
(営業利益は予想がないため割愛します。)

■来期の業績予想から見る将来成長性

SBI証券お客様サイト内の「財務詳細」情報より、来期の業績予想をチェックします。
今期の業績予想を起点に、来期の成長性を見ていきます。

※SBI証券お客様サイトより、同社の業績予想を抜粋

来期の売上高成長率は+17.8%、純利益成長率は+8.8%と予想されています。
(営業利益は業績予想がないため割愛します。)

イーベイの取扱いが減少する中でも、売上高は引き続き15%を超える成長が予想されています。
純利益は2019年、2020年に比べると物足りない水準に見えます。

■株価水準とチャートの動き

2/3(木)の終値は132ドルです。PERは37倍です。
(以下の画面ではPER49倍になっていますが、前日の株価に対して計算された数値のままのようです。)

※SBI証券お客様サイトより、同社の株価情報を抜粋

過去5年の株価の動き(週足)は以下の通りです。

※SBI証券お客様サイトより、同社の株価チャートを抜粋

コロナ禍でオンライン決済が増加したことを追い風に、2020年から株価は急速に上昇しました。
2020年3月頃に100ドルだった株価は昨年300ドルまで上昇しました。
実に約3倍の上昇です。
ただ、昨年7月以降株価は大きく下落しています。
現在は最高値(310ドル)から▲57%程の水準です。
今回の決算発表を受けて株価は1日で▲25%と大きく下落しました。
来期の売上高、総決済額が市場予想を下回ったことが嫌気されました。

がっつり落ちてんな~。親は偉大。
みんな、親は大事にな~。

大事なことですね♪

■私の投資戦略

以上の分析内容を簡単に表に整理すると、以下のようになります。

通期で18%の増収と、順調に成長をしているように見えますが、四半期ごとの推移を見るとQ3、Q4で伸びが鈍化しており、利益率も低下気味で推移しています。


原因は元親会社であるイーベイとの決別が加速していることです。
来期いっぱい、この影響は続くでしょうから、注目はその影響が薄れるであろう2023年にどのような増収率・増益率が見込まれるかです。
イーベイと決別する一方で、アマゾンとの提携を進めることがQ3で発表されています。
イーベイ以外の取扱いを今後伸ばしていけるかが重要になりますので、今後の決算や業績予想に注目していきたいです。

昨年7月以降株価は大きく下落しています。
PERも手を出しやすい水準まで下がってきました。
デジタル化の流れの中で、長い目で見れば同社のビジネスはまだまだ伸びていくと考えていますので、イーベイの影響で業績が不調に推移するであろう今年のうちは、同社の株を安く買うチャンスだと考えています。
もちろん2023年の業績予想が振るわなければさらに下落してしまうことも考えられますので、ポートフォリオに打撃を与えない程度の金額で小さくエントリーしようと思っています。

株価の目安は150ドル、と3ヶ月前の記事に書きましたが、昨日の急落により現在132ドルと目安を下回りました。
今年1年通して、まだまだ調整する場面もあるとは思いますが、小さくエントリーしようと思います。
まずは125ドル(現在の株価▲5.7%)で仕掛けていこうと考えています。
そこからさらに下落すれば、100ドルで第2弾、80ドルで第3弾、と追加買付する構えでいます。
コロナ前の2019年の水準が100ドル前後でしたので、このあたりまで下げれば、株価も一旦落ち着いてくるのかなと考えています。
おそらくQ1、Q2でも投資家の期待を上回る決算が発表される可能性は低いと思いますので、焦らずじっくり狙っていきたいです。

以上が私の戦略です。

3弾ロケットまで用意してんのか~
撃ち落されないように気をつけてな~

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■まとめ

私はだいたい25銘柄程度の注目銘柄を決めて、決算発表内容と会社四季報を見比べながら、上記のような観点で継続的に観察しています。
そして5年で株価2倍が期待できる銘柄を、いいタイミングで買うことを目指しています。
上記の銘柄を推奨するわけではありませんが、銘柄選択の視点や考え方など、読者の皆さんの参考になったのであれば嬉しいです。

私が銘柄選びの基準や、仕掛けるタイミング、投資に対する考え方について参考にしている書籍は以下の通りです。
よろしければ読んでみて下さい。

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毎年資産+10%達成を目指して、引き続き頑張ります!
ということで、本日は以上です!
お読み頂きありがとうございました!

■参考:同社に関する過去の記事

【ペイパル】21/11/8決算発表内容と私の投資戦略
※21/11/8(月)に発表した2021年7月~9月期(第3四半期)決算についての記事です。

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