【TKP】23/4/13決算発表内容と私の投資戦略

決算分析

個別株投資で毎年資産+10%を目指し、気になっている銘柄の決算発表内容を分析し、今後の投資戦略について私なりの視点で書いていきます。

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■本日のチェック銘柄

今日チェックするのは貸会議室ビジネスを展開するTKP(証券コード:3479)です。
東証グロース市場上場で、決算期は2月です。

直近の四季報より数値を抜粋すると、時価総額は1,239億円、従業員数は連結で1,181名です。

Anytime, Anywhere, for All workers ~いつでも、どこでも、すべての働く人たちに
のキャッチコピーを掲げる同社。

レンタルオフィスのリージャスを2023年2月に事業売却しましたので、
①祖業でもある貸会議室事業
②アパホテルなどの宿泊事業
がビジネスの柱です。

社名の由来はもともと創業者の河野社長のイニシャルからつけた「Takateru Kawano Partners」に由来しています。

私がこの会社に注目している理由は、

①困難な状況に対して素早く方向転換を図れる経営の柔軟性スピード感が素晴らしいから
②コロナ禍を経て、Face To Faceのコミュニケーション・交流の重要性が再認識される中、同社が創造する空間の利用価値が今後も高まるだろうと考えているから

です。

なお、現在私はTKPの株を100株保有しています。

■決算発表内容の概要

2023/4/13(木)に発表した2023年2月期第4四半期決算の主な内容は以下の通りです。

■決算発表内容分析のものさし

決算発表内容について、私は主に①成長性、②収益性、③安全性、④キャッシュ創出力、の4つの観点からチェックをしています。

それぞれの観点について、主な指標とその計算方法、優秀と認定する目安は以下の通りです。

優秀と認定する目安をクリアした項目が多い銘柄ほど、買いたい銘柄、保有し続けたい銘柄ということになります。

■決算発表内容分析

それでは、上記のものさしに沿って、実際に決算発表内容を分析していきます。

●成長性のチェック

売上高は前年同期比13.0%でした。
営業利益は前期の赤字▲883百万円から3,575百万円転換しました。
純利益は▲4,936百万円と、前期に続きとなりました。

本業の貸会議室事業・宿泊事業が好調で、売上高は2桁増収、営業利益は黒字転換となりました。

純利益は、2023年2月の日本リージャス、台湾リージャス事業売却に伴い、減損損失事業整理損など約▲6,000百万円の特別損失を計上したためです。

この特別損失を除けば純利益も実質黒字転換しており、本業の力強い回復が示されました。

過去4年の売上高の推移は以下の通りです。

※同社の決算説明資料より抜粋。

コロナ禍前の2020年2月期の売上高は54,343百万円でしたので、コロナ禍前の93%の水準まで戻ってきました。

過去7年(2017年2月期~2023年2月期)の増収率の推移は以下の通りです。
直近2年、改善の動きが見て取れます。

TKP単体の売上高は前年同期比20.3%でした。

対面セミナー・会議・宿泊需要が堅調に回復し、前年同期比増収増益、営業利益率は15.7%と、上場来の過去最高となりました。

売上高が伸びると経費も増えがちですが、経費をコントロールできている(販管費:▲1.2%)ことも、営業利益の黒字拡大につながりました。

※同社の決算説明資料より抜粋。TKP単体の業績。

利益面で足を引っ張っていたリージャスを売却しましたので、今後は選択と集中によりさらなる成長が期待されます。

●収益性のチェック

売上高営業利益率は7.1%でした。
目安の15%には届きませんでした。

過去8年(2016年2月期~2023年2月期)の利益率推移は以下の通りです。

10%を超えていたコロナ禍前の水準にはまだ届きませんが、確実に改善に向かっています。

TKP単体の営業利益率は15.7%と、高い収益性を示していますので、リージャス売却後の来期は利益率のさらなる改善が見込まれます。

●安全性のチェック

自己資本比率は45.5%でした。
保有している現金は33,661百万円、有利子負債は32,343百万円と、同水準となりました。

1年前と比べると、自己資本比率は大幅に改善し(34.0%→45.5%)、現金は大きく増加し(13,931百万円→32,661百万円)、有利子負債は大きく減少し(53,300百万円→32,343百万円)、財務の安全性は大きく改善しました。

BSがスリム化し、かつ筋肉質な財務状態になりました。

過去5年間(2019年2月期~2023年2月期)のBSの推移は以下の通りです。

2019年2月期から2020年2月期にかけてBSが大きくなっているのは、リージャス買収によるもので、今期BSが小さくなっているのはリージャス売却によるものです。

M&Aに伴うBSへの影響の大きさを感じます。

●キャッシュ創出力のチェック

営業CFは4,849百万円と、キャッシュインとなりました。

営業利益3,575百万円も上回りました。

キャッシュフローの概要を図にすると以下の通りです。

投資CFのうち34,727百万円がリージャス株式売却によるキャッシュインです。

■業績予想(会社発表)に対する進捗度

2022年12月6日、リージャス事業の売却発表とあわせて、業績予想が以下の通り修正されました。

※同社のリリース資料より抜粋

修正後の業績予想に対する達成度は、売上高:102.0%、営業利益:115.3%です。
純利益は▲1,500百万円の予想に対し、▲4,936百万円の赤字となりました。

あまりしっくりきませんが、リージャス事業の売却に伴う税効果が連結子会社の整理の期ずれにより、2024年2月期決算に持ち越される見込みとなったため、予想より大幅に悪化しての着地となりました。

その分、翌期の純利益が純利益の押し上げ要因となります。

■来期の業績予想(会社四季報情報)から見る将来成長性

会社四季報から、来期の業績予想を見ていきます。

※SBI証券お客様サイトより、同社の会社四季報情報を抜粋

一方、今回の会社発表の業績予想はこちらです。

※同社の決算短信より抜粋

四季報よりも会社発表の方が強気な見通しになっています。

純利益に関しては、上記の通り一時的な要因(リージャス事業の売却に伴う税効果)で2,000百万円分ほど押し上げられていると思われますので、その分は注意する必要があります。

■株価水準とチャートの動き

4/13(金)の終値は2,856です。

会社発表の来期予想から計算するPERは17.8です。
上記の一時的な要因(リージャス事業の売却に伴う税効果)を除けば、実質的には25倍前後になるかと思います。

過去5年間の株価の動き(週足)は以下の通りです。

※SBI証券お客様サイトより、同社の株価チャートを抜粋

2017年3月の上場以来上昇をしてきましたが、2020年のコロナ拡大により急降下。

その後は低迷が続いていましたが、昨年7月第1四半期決算発表以降、移動平均線もゴールデンクロスし、反転・上昇しました。

今回の決算発表と同時に3ヶ年の新中期経営計画も発表されましたが、発表翌日の4/14(金)の株価は6.9%と、好感されました。

人流は確実に回復していますし、5月には新型コロナウイルスの位置づけが「5類」に引き下げられる見込みですので、さらなる上昇を期待したいと思います。

■私の投資戦略

以上の分析内容を簡単に表に整理すると、以下のようになります。

本業の回復により、営業利益字化の一方、純利益はリージャス事業売却により

そんな1年でした。

今後の事業戦略への影響、PLへの影響、BSへの影響、いずれの面でもリージャス事業の売却はとても大きな転換点になる印象です。

今回の決算発表と同時に、3ヶ年の中期経営計画も発表されました。

その概要はこちら。

※同社の決算説明資料より抜粋

※同社の決算説明資料より抜粋

売上の面ではリージャス事業がなくなることで一旦減少するものの、年平均23の成長により、2026年2月期には過去最高を達成する計画です。

利益の面では、2024年2月期に経常利益と純利益、2025年2月期に営業利益と、それぞれ過去最高を達成する計画です。

河野社長らしいというか、成長への意欲を強く感じる計画で、期待を持って応援していこうと思える内容でした。

現在保有している100株について、「5年で株価2」の水準である3,500円を利益確定の一つの目安として考えています。

ただ、株主優待の拡充、期待の持てる中期経営計画、河野社長の人柄経営手腕ビジネスモデルなど、とても好きな銘柄でもありますので、利益確定のタイミングについてはこれからもじっくり考えていきたいと思います。

現在のTKPの状況について、「朝の9時」を過ぎ、いよいよ人々が活発に動き出す時間を迎えたと、河野社長は表現していました。

5月に予定されているコロナの5類引き下げの後は、懇親会需要もきっと増えていくでしょうから、今後のさらなる飛躍を楽しみにしています。

以上が私の戦略です。

■おわりに

私はだいたい25銘柄程度の注目銘柄を決めて、決算発表内容と会社四季報を見比べながら、上記のような観点で継続的に観察しています。

そして5年で株価2が期待できる銘柄を、いいタイミングで買うことを目指しています。

上記の銘柄を推奨するわけではありませんが、銘柄選択の視点や考え方など、読者の皆さんの参考になれば嬉しいです。

毎年資産+10達成を目指して、引き続き頑張ります!
ということで、本日は以上です!

お読み頂きありがとうございました!

■参考:同社に関する過去の記事

【TKP】23/1/12決算発表内容と私の投資戦略
※23/1/12(木)に発表した2023年2月期第3四半期決算についての記事です。
【TKP】22/10/13決算発表内容と私の投資戦略
※22/10/13(木)に発表した2023年2月期第2四半期決算についての記事です。
【TKP】22/7/14決算発表内容と私の投資戦略
※22/7/14(木)に発表した2023年2月期第1四半期決算についての記事です。
【TKP】22/4/14決算発表内容と私の投資戦略
※22/4/14(木)に発表した2022年2月期第4四半期決算についての記事です。
【TKP】22/1/13決算発表内容と私の投資戦略
※22/1/13(木)に発表した2022年2月期第3四半期決算についての記事です。
【TKP】21/10/14決算発表内容と私の投資戦略
※21/10/14(木)に発表した2022年2月期第2四半期決算についての記事です。
【銘柄研究!】本日の気になる銘柄~TKP
※21/7/15(木)に発表した2022年2月期第1四半期決算についての記事です。

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