【マスターカード】22/7/28決算発表内容と私の投資戦略

決算分析

皆さんこんにちは。
個別株投資で毎年資産+10%を目指すサラリーマン投資家、かたつむり君です。
(TWITTER:@posikatatsumuri

通勤時間や平日の夜、週末の時間を使って、売買候補となる銘柄の研究を行っています。

日々様々な情報が飛び交いますが、年に4回(四半期に1回)行われる決算発表は、企業の業績・状態を把握し、今後の投資戦略を考える上で特に重要な情報です。

この記事では、私が保有中 or 気になっている銘柄の決算発表内容をチェックし、今後の投資戦略について私なりの視点で書いていきます。

記載している銘柄を推奨しているわけではありませんが、私の視点や考え方が読者の皆さんの参考になれば嬉しいです。

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■本日のチェック銘柄

今日チェックするのはクレジットカード大手のマスターカード(ティッカーシンボル:MA)です。

ニューヨーク証券取引所(NYSE)上場で、決算期は12月です。
SBI証券お客様サイト内の「銘柄サマリー」情報より数値を抜粋すると、時価総額は3,387億ドル、従業員数は24,000名です。

私がこの会社に注目している理由は、グローバルなキャッシュレス化の流れの中でクレジットカード業界は今後も成長が続くと思っているからです。
同じ理由でビザ、アメリカン・エキスプレスにも注目しています。


なお、現在私は、マスターカードの株を保有していません。

■決算発表内容の概要

2022/7/28(木)に発表した2022年4~6月期(第四半期)決算の主な内容は以下の通りです。

【各数値の定義】(決算書のどの数値からとっているか)
売上高:Net Revenue
営業利益:Operating income
純利益:Net Income
資産合計:Total Assets
自己資本:Mastercard Incorporated Stockholders’ Equity
現金:Cash and cash equivalents
有利子負債:Current portion of long-term debt, Long-term debt
営業CF:Net cash provided by operating activities
投資CF:Net cash used in investing activities
財務CF:Net cash used in financing activities

■決算発表内容分析のものさし

決算発表内容について、私は主に①成長性、②収益性、③安全性、④キャッシュ創出力、の4つの観点からチェックをしています。

それぞれの観点について、主な指標とその計算方法、優秀と認定する目安は以下の通りです。
優秀と認定する目安をクリアした項目が多い銘柄ほど、買いたい銘柄、保有し続けたい銘柄ということになります。

★成長性
【主な指標】
増収率、増益率(営業利益・純利益)

【計算方法】
増収率(%)=(今期の売上÷前期の売上-1)×100
増益率(%)=(今期の利益÷前期の利益-1)×100

【優秀と認定する目安】
増収率、増益率ともに+10%以上

★収益性
【主な指標】
売上高営業利益率、売上高純利益率、ROE(自己資本利益率)

【計算方法】
売上高営業利益率(%)=営業利益÷売上高×100
売上高純利益率(%) =純利益 ÷売上高×100
ROE(%)      =純利益÷自己資本×100
※四半期決算時は純利益を年換算し算定

【優秀と認定する目安】
売上高営業利益率:15%以上
売上高純利益率 :10%以上
ROE      :15%以上

★安全性
【主な指標】
自己資本比率、現金>有利子負債か

【計算方法】
自己資本比率(%)=自己資本÷資産合計×100

【優秀と認定する目安】
自己資本比率:30%以上80%以内
現金>有利子負債であること
※ただし、一概に自己資本比率が高ければいいというわけではなく、有利子負債が多いとダメでもなく、業態や企業の成長フェーズによって個別に評価する必要がある、と考えています。

★キャッシュ創出力
【主な指標】
営業CFがプラスか、営業CF>営業利益か

【優秀と認定する目安】
営業CFがプラスであること
営業CF>営業利益であること

■決算発表内容分析

それでは、上記のものさしに沿って、実際に決算発表内容を分析していきます。

●成長性のチェック

Q2の売上高は前年同期比+21.4%、営業利益は同+28.9%、純利益は同+10.1%でした。
Q2累計の売上高は前年同期比+22.8%、営業利益は同+31.5%、純利益は同+26.0%でした。

売上高、利業利益、純利益、すべてにおいて+10%を上回る高成長となりました。
今年に入り旅行が活況となり、クロスボーダー決済は現地通貨ベースで+58%増加しました。

●収益性のチェック

売上高営業利益率は54.9%、売上高純利益率は41.4%でした。
極めて高い収益性の高さを示しました。

過去7年(2015年~2021年)と今期Q2の利益率推移は以下の通りです。

安定して非常に高い利益率を維持しています。

ROEも159.0%と、驚異的な高さです。

●安全性のチェック

自己資本比率は17.0%でした。
保有している現金は5,921百万ドル、有利子負債は14,481百万ドルと、有利子負債が現金を上回りました。

過去4年(2018年12月~2021年12月)と今期Q2の貸借対照表の推移は以下の通りです。

●キャッシュ創出力のチェック

営業CFは+4,329百万ドルと、キャッシュインとなりました。
Q2累計営業利益5,968百万ドルは下回りました。

キャッシュフローの概要を図にすると以下の通りです。

「営業CF:+ 投資CF:- 財務CF:-」ということで、符号だけ見ると正常な循環ではありますが、財務CFが営業CFを上回ってしまっているため、現金は期首から減少しました。

参考:危ない会社への投資を回避できる!キャッシュ・フロー8つのパターン!

投資CFの主な内容は、自社株買い(Purchases of treasury stock:▲4,788百万ドル)と配当金の支払い(Dividends paid:▲956百万ドル)です。

株主還元の姿勢が強いのは素晴らしいことですが、借入(Proceeds from debt:+843百万ドル)を増やし、現金を減らしてまで、株主還元を行っているということになります。

個人的には営業CF、もしくはフリーCF(営業CF+投資CF)の範囲内で株主還元をやるべきなのではないかなと感じています。

ただ、借入してでも株主還元を重視する姿勢は、米国では違和感なく受け入れられているようです。

マクドナルドはその典型ですね。
よろしければ以下の記事もご参照下さい。

参照:債務超過なのに連続増配企業?!米・マクドナルドが倒産しないか心配!

■業績予想に対する進捗度

SBI証券お客様サイト内の「財務詳細」情報に記載されている今期業績予想に対する進捗度をチェックします。

業績予想に対する進捗度は、売上高:47.9%、純利益:48.8%でした。
いずれもQ2目安の50%には届きませんでした。

世界的にインフレが加速していますので、今後消費が減速しないか、注目していきたいと思います。

■来期の業績予想から見る将来成長性

SBI証券お客様サイト内の「財務詳細」情報より、来期の業績予想をチェックします。
今期の業績予想を起点に、来期の成長性を見ていきます。

※SBI証券お客様サイトより、同社の業績予想を抜粋

来期の売上高成長率は+16.0%、純利益成長率は+19.7%と予想されています。
+10%を超えての増収増益が予想されています。

■株価水準とチャートの動き

8/12(金)の終値は354ドルです。PERは33です。
過去5年の株価の動き(週足)は以下の通りです。

※SBI証券お客様サイトより、同社の株価チャートを抜粋

コロナショックで2020年には一時大きく調整しましたが、その後は右肩上がりで上昇しました。
ただし、2021年中盤以降株価がやや低迷し、移動平均線が横ばいになってきているのは気になるところです。

■私の投資戦略

以上の分析内容を簡単に表に整理すると、以下のようになります。

+10%を超える増収増益となり、好調な決算となりました。

今年に入り旅行が活況となり、クロスボーダー決済は現地通貨ベースで+58%増加しました。

経済正常化というプラス要素と、インフレ加速というマイナス要素、この綱引きはまだまだ続いていきますので、今後の決算も注意深く観察していきたいです。

同社の財務数値で最も素晴らしいのは、利益率の高さです。

Q1の売上高営業利益率は57.1%、売上高純利益率は50.9%と、いずれも50%を超える驚異的な高さとなりましたが、Q2ではそれぞれ54.9%、41.4%でした。
十分に高い水準ではありますが、売上高純利益率は50.9%から41.4%に低下しているのは気になります。
今後の決算発表で利益率の推移にも注目していきます。


グローバルなキャッシュレス化の流れの中でクレジットカード業界は今後も成長が続くと思っており、是非ポートフォリオに加えたい銘柄の一つです。
配当利回りは0.6%ほどと低いため、狙いはキャピタルゲインです。
「5年で株価2倍」を狙うためには、株価が大きく下がるのを待ちたいところです。


買付の目安は300ドルです。(現在の株価から▲15%程の水準)

ただし、現在は為替レートが1ドル133円と円安です。

為替相場が落ち着いてくるまで、しばらく様子を見ようと思っています。
今後も決算発表を定期的にチェックしながら、いいタイミングを待ちたいと思います。

以上が私の戦略です。

■おわりに

私はだいたい25銘柄程度の注目銘柄を決めて、決算発表内容と会社四季報を見比べながら、上記のような観点で継続的に観察しています。

そして5年で株価2倍が期待できる銘柄を、いいタイミングで買うことを目指しています。

上記の銘柄を推奨するわけではありませんが、銘柄選択の視点や考え方など、読者の皆さんの参考になれば嬉しいです。

毎年資産+10%達成を目指して、引き続き頑張ります!

ということで、本日は以上です!

お読み頂きありがとうございました!


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■参考:同社に関する過去の記事

【マスターカード】22/4/28決算発表内容と私の投資戦略
※22/4/28(木)に発表した2022年1月~3月期(第1四半期)決算についての記事です。
【マスターカード】22/1/27決算発表内容と私の投資戦略
※22/1/27(木)に発表した2021年10月~12月期(第4四半期)決算についての記事です。

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