【ヤプリ】22/8/12決算発表内容と私の投資戦略

決算分析

皆さんこんにちは。
個別株投資で毎年資産+10%を目指すサラリーマン投資家、かたつむり君です。
(TWITTER:@posikatatsumuri

通勤時間や平日の夜、週末の時間を使って、売買候補となる銘柄の研究を行っています。

日々様々な情報が飛び交いますが、年に4回(四半期に1回)行われる決算発表は、企業の業績・状態を把握し、今後の投資戦略を考える上で特に重要な情報です。

この記事では、私が保有中 or 気になっている銘柄の決算発表内容をチェックし、今後の投資戦略について私なりの視点で書いていきます。

記載している銘柄を推奨しているわけではありませんが、私の視点や考え方が読者の皆さんの参考になれば嬉しいです。

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■本日のチェック銘柄

今日チェックするのはノーコードでのアプリ開発サービスを提供するヤプリ(証券コード:4168)です。

東証マザーズ上場で、決算期は12月です。
4月からの新市場区分では「グロース市場」に区分されます。
直近の四季報より数値を抜粋すると、時価総額は180億円、従業員数は連結で223名です。

同社が掲げるMISSIONは「Mobile Tech for All~デジタルを簡単に、社会を便利に~」です。
ノーコード(プログラミングの専門知識が不要)で自社のアプリが作成できるプラットフォームを提供しており、多くの産業が抱えるデジタル化・DXを促進する人材が不足しているという課題解決に取り組んでいます。

2022年1月に提供アプリの累計ダウンロード数が1億を超え、成長を続けています。


なお、現在私はヤプリの株を保有していません。

■決算発表内容の概要

2022/8/12(金)に発表した2022年12月期第2四半期決算の主な内容は以下の通りです。

■決算発表内容分析のものさし

決算発表内容について、私は主に①成長性、②収益性、③安全性、④キャッシュ創出力、の4つの観点からチェックをしています。

それぞれの観点について、主な指標とその計算方法、優秀と認定する目安は以下の通りです。
優秀と認定する目安をクリアした項目が多い銘柄ほど、買いたい銘柄、保有し続けたい銘柄ということになります。

★成長性
【主な指標】
増収率、増益率(営業利益・純利益)

【計算方法】
増収率(%)=(今期の売上÷前期の売上-1)×100
増益率(%)=(今期の利益÷前期の利益-1)×100

【優秀と認定する目安】
増収率、増益率ともに+10%以上

★収益性
【主な指標】
売上高営業利益率、売上高純利益率、ROE(自己資本利益率)

【計算方法】
売上高営業利益率(%)=営業利益÷売上高×100
売上高純利益率(%) =純利益 ÷売上高×100
ROE(%)      =純利益÷自己資本×100
※四半期決算時は純利益を年換算し算定

【優秀と認定する目安】
売上高営業利益率:15%以上
売上高純利益率 :10%以上
ROE      :15%以上

★安全性
【主な指標】
自己資本比率、現金>有利子負債か

【計算方法】
自己資本比率(%)=自己資本÷資産合計×100

【優秀と認定する目安】
自己資本比率:30%以上80%以内
現金>有利子負債であること
※ただし、一概に自己資本比率が高ければいいというわけではなく、有利子負債が多いとダメでもなく、業態や企業の成長フェーズによって個別に評価する必要がある、と考えています。)

★キャッシュ創出力
【主な指標】
営業CFがプラスか、営業CF>営業利益か

【優秀と認定する目安】
営業CFがプラスであること
営業CF>営業利益であること

■決算発表内容分析

それでは、上記のものさしに沿って、実際に決算発表内容を分析していきます。

●成長性のチェック

売上高は前年同期比+35.2%でした。
営業利益は前期▲441百万円から今期▲673百万円と、赤字幅が拡大しました。
純利益は前期▲447百万円から今期▲678百万円、赤字幅が拡大しました。

売上高は目安の+10%を大きく越えての増収となりました。
過去3年と今期Q2の増収率の推移は以下の通りです。

高成長が続いています。
+30%を超える高い成長が続いています。

一方で利益は赤字が続いています。
稲垣吾郎さんを起用したTVCMなどにより、積極的に認知獲得を目指して投資をしています。

※同社の決算説明資料より抜粋

●収益性のチェック

今期は営業利益、純利益ともに赤字のため、収益性のチェックについては割愛します。

●安全性のチェック

自己資本比率は48.6%でした。
前期末は75.1%でしたので、この半年で自己資本比率は低下しました。

現金2,171百万円に対し、有利子負債は1,156百万円と、現金が有利子負債を上回りました。
前期末から現金は303百万円増加したのに対し、有利子負債は+933百万円増加しました。

過去3年(2019年12月期~2021年12月期)と今期Q2の貸借対照表の推移は以下の通りです。

流動資産が負債合計を大きく上回り、財務の安全性は高いです。
固定負債が大きく増加しましたが、これは長期借入金が増加したためです。

2013年設立、2020年上場と、まだ若い会社ですので、有利子負債を活用してレバレッジをかけて売上高を増やしていく戦略は好感が持てます。

●キャッシュ創出力のチェック

営業CFは▲632百万円と、キャッシュアウトとなりました。

キャッシュフローの概要を図にすると以下の通りです。

売上高を上回る販売費及び一般管理費が計上されており、広告宣伝費や人件費に積極的に投資をしている状況であり、営業CFはマイナスです。

財務CFが大きくプラスなのは、短期借入金・長期借入金の増加によるものです。

借入によって調達した資金を投下して事業成長を目指す、典型的な成長フェーズの会社のキャッシュフローといえます。

■業績予想(会社発表)に対する進捗度

会社が発表した業績予想に対する進捗度は、年間の業績予想が妥当なものかを考える上で大切な指標です。
もし進捗度が高い場合は、業績予想の上方修正が発表される可能性もあります。
Q1は25%、Q2は50%、Q3は75%、Q4は100%を超えている場合を優秀と定義して、チェックしていきます。
もちろん企業によって季節波動がありますので、単純に数値だけをみるのではなく、前年度の四半期進捗を参考にするのも大事ですね。

通期予想はレンジで発表されていましたが、売上高の進捗度は45.4%~47.0%です。
営業利益は▲894百万円~▲747百万円の予想に対して、▲672百万円でした。

■来期の業績予想(会社四季報情報)から見る将来成長性

会社四季報では、過去の業績に加えて、今期の業績予想、来期の業績予想が記載されています。
会社四季報の記者が会社に取材をし、分析した結果掲載されている予想値です。
会社が発表している業績予想と一致する場合もあれば、ずれることもあります。
このずれがある時は、注意が必要です。

※SBI証券お客様サイトより、同社の会社四季報情報を抜粋

来期の売上高成長率は+27.2%~+31.7%、営業利益・純利益は来期「0」と予想されています。

黒字転換がだんだんと近づいているようです。

■株価水準とチャートの動き

8/31(水)の終値は1,462円。純利益が赤字のためPER情報はありません。
上場来の株価の動き(週足)は以下の通りです。

※SBI証券お客様サイトより、同社の株価チャートを抜粋

2020年12月に上場し、まだ1年8ケ月程です。
最高値は上場1ヶ月後2021年1月の7,690円。
現在の株価は最高値から約▲81%の水準です。

■私の投資戦略

以上の分析内容を簡単に表に整理すると、以下のようになります。

上場から1年8ヶ月とまだ日が浅く、時価総額も200億円前後というスタートアップ企業ですが、売上高は高成長を続けており、ノーコードによるアプリ開発が実現する社会的意義も含めて、今後が楽しみです。

最新の会社四季報の業績記事・材料記事では以下のように書かれています。

※SBI証券お客様サイトより、同社の会社四季報情報を抜粋

広告宣伝費を積極的に投下していますが、下期は投資が一服し、Q3は上場後初の営業黒字化が視野、とあります。
黒字転換が見えてくれば株価の上昇も期待できますので、今後の推移に注目です。

解約率も0.81%と低く、提供サービスが高い評価を受けていることも評価できます。

※同社の決算説明資料より抜粋

株価は上場当初からは大きく調整していますが、まだ上場から日が浅いこと(上場から2年程度は様子を見たい)、投資・成長フェーズのため現在は赤字であること、2022年12月期も通期では赤字が予想されていること、PER情報がないこと、から、株価の値ごろ感がつかみにくく、エントリーは慎重に考えていますが、とても興味深い銘柄です。

今年の年末や来年に向けて、観察を続けていきます。
以上が私の戦略です。

■まとめ

私はだいたい25銘柄程度の注目銘柄を決めて、決算発表内容と会社四季報を見比べながら、上記のような観点で継続的に観察しています。

そして5年で株価2倍が期待できる銘柄を、いいタイミングで買うことを目指しています。
上記の銘柄を推奨するわけではありませんが、銘柄選択の視点や考え方など、読者の皆さんの参考になれば嬉しいです。

毎年資産+10%達成を目指して、引き続き頑張ります!
ということで、本日は以上です!

お読み頂きありがとうございました!


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■参考:同社に関する過去の記事

【ヤプリ】22/2/14決算発表内容と私の投資戦略
※22/2/14(月)に発表した2021年12月期第4四半期決算についての記事です。

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