【アクセンチュア】22/9/22決算発表内容と私の投資戦略

決算分析

個別株投資で毎年資産+10%を目指し、気になっている銘柄の決算発表内容を分析し、今後の投資戦略について私なりの視点で書いていきます。

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■本日のチェック銘柄

今日チェックするのは世界最大の経営コンサルティング会社のアクセンチュア(ティッカーシンボル:ACN)です。

ニューヨーク証券取引所(NYSE)上場で、決算期は8月です。
SBI証券お客様サイト内の銘柄サマリー情報より数値を抜粋すると、時価総額は1,678億ドル、従業員数は624,000人です。

世界最大の経営コンサルティング会社で、最近ではクライアント企業のDX推進支援業務も積極的に行っています。

なお、現在私はアクセンチュアの株を保有していません。

■決算発表内容の概要

2022/9/22(木)に発表した2022年6~8月期(第4四半期)決算の主な内容は以下の通りです。

【各数値の定義】(決算書のどの数値からとっているか)
売上高:Revenues
営業利益:Operating income
純利益:Net income attributable to Accenture
資産合計:Total assets
自己資本:Total Accenture plc shareholders’ equity
現金:Cash and cash equivalents
有利子負債:Current portion of long-term debt and bank borrowings, Long-term debt
営業CF:Net cash provided by (used in) operating activities
投資CF:Net cash provided by (used in) investing activities
財務CF:Net cash provided by (used in) financing activities

■決算発表内容分析のものさし

決算発表内容について、私は主に①成長性、②収益性、③安全性、④キャッシュ創出力、の4つの観点からチェックをしています。

それぞれの観点について、主な指標とその計算方法、優秀と認定する目安は以下の通りです。
優秀と認定する目安をクリアした項目が多い銘柄ほど、買いたい銘柄、保有し続けたい銘柄ということになります。

★成長性
【主な指標】
増収率、増益率(営業利益・純利益)

【計算方法】
増収率(%)=(今期の売上÷前期の売上-1)×100
増益率(%)=(今期の利益÷前期の利益-1)×100

【優秀と認定する目安】
増収率、増益率ともに+10%以上

★収益性
【主な指標】
売上高営業利益率、売上高純利益率、ROE(自己資本利益率)

【計算方法】
売上高営業利益率(%)=営業利益÷売上高×100
売上高純利益率(%) =純利益 ÷売上高×100
ROE(%)      =純利益÷自己資本×100
※四半期決算時は純利益を年換算し算定

【優秀と認定する目安】
売上高営業利益率:15%以上
売上高純利益率 :10%以上
ROE      :15%以上

★安全性
【主な指標】
自己資本比率、現金>有利子負債か

【計算方法】
自己資本比率(%)=自己資本÷資産合計×100

【優秀と認定する目安】
自己資本比率:30%以上80%以内
現金>有利子負債であること
※ただし、一概に自己資本比率が高ければいいというわけではなく、有利子負債が多いとダメでもなく、業態や企業の成長フェーズによって個別に評価する必要がある、と考えています。

★キャッシュ創出力
【主な指標】
営業CFがプラスか、営業CF>営業利益か

【優秀と認定する目安】
営業CFがプラスであること
営業CF>営業利益であること

■決算発表内容分析

それでは、上記のものさしに沿って、実際に決算発表内容を分析していきます。

●成長性のチェック

Q4の売上高は前年同期比+14.9%、営業利益は同+15.8%、純利益は同+17.6%でした。
Q4累計の売上高は前年同期比+21.9%、営業利益は同+22.9%、純利益は同+16.4%でした。

いずれも指標の+10%を超えての増収増益となりました。

Q4累計売上高を地域別に見ると、北米(North America)が全体の47%と主力で、ヨーロッパ(Europe)が33%とそれに続きます。


産業別の売上高は5つに区分されています。
様々な業界に対してサービスを提供していますが、とてもバランスがよく構成されています。

業務別の売上高はコンサルティングが55%、アウトソーシングが45%で構成されています。

様々な切り口において、売上高構成比の分散が行われています。

●収益性のチェック

Q4の売上高営業利益率は14.7%、売上高純利益率は10.8%でした。
Q4累計の売上高営業利益率は15.2%、売上高純利益率は11.2%でした。

Q4累計では目安としている15%、10%を上回りましたが、Q4では営業利益率が若干下回りました。
通期と比べるとQ4はやや利益率が低下しました。

過去11年(2012年8月期~2022年8月期)の利益率の推移は以下の通りです。

利益率がとても安定しており、安心感のある会社であると感じます。

●安全性のチェック

自己資本比率は46.8%でした。
保有している現金は7,890百万ドル、有利子負債は55百万ドルと、現金が有利子負債を大きく上回りました。

過去5年(2018年8月期~2022年8月期)の貸借対照表の推移は以下の通りです。

毎年安定して純資産が増加しています。

短期的な安全性を示す流動比率(流動資産÷流動負債×100)は123.3%と、安全の目安である100%を上回りました。

固定資産の51%がのれん(Goodwill、13,133百万ドル)です。

●キャッシュ創出力のチェック

Q4累計の営業CFは+9,541百万ドルと、キャッシュインとなりました。
Q4累計営業利益9,367百万ドルは下回りました。

キャッシュフローの概要を図にすると以下の通りです。

本業で稼いだキャッシュ(営業CF)の範囲で投資や株主還元を行っています。

投資CFの主な内容は事業の買収と投資(Purchases of businesses and investments:3,448百万ドル)です。

財務CFの主な内容は自社株買い(Purchases of shares:▲4,116百万ドル)と配当金の支払い(Cash dividends paid:▲2,457百万ドル)です。

■業績予想に対する進捗度

SBI証券お客様サイト内の「財務詳細」情報に記載されている今期業績予想に対する進捗度をチェックします。

業績予想に対する達成度は、売上高:100.0%、純利益:100.3%でした。

■来期の業績予想から見る将来成長性

SBI証券お客様サイト内の「財務詳細」情報より、来期の業績予想をチェックします。
今期の業績予想を起点に、来期の成長性を見ていきます。

※SBI証券お客様サイトより、同社の業績予想を抜粋

来期は売上高:+6.0%、純利益:+9.1%と予想されています。
売上高、純利益共に目安の+10%には届かない予想となっています。

決算発表で同社が発表した見通しでは、売上高は現地通貨ベースで8~11%増収の見込みですが、為替により6%ほどの悪影響が出る見込みとされています。

売上高のうち北米は47%。
他の53%については為替の影響を受けますので、ドル高現地通貨安が続けば、2022年8月期比でマイナスの影響が残ることになります。
北米以外の比率も高いため、為替の動向も気になるところです。

■株価水準とチャートの動き

9/23(金)の終値は259ドルです。PERは22倍です。
過去5年の株価の動き(週足)は以下の通りです。

※SBI証券お客様サイトより、同社の株価チャートを抜粋

2021年までは順調に右肩上がりに成長してきました。
特に2020年コロナショック以降、上昇の角度が上昇しているように見えます。

今年に入ってからは株価が下落基調にあり、現在は昨年末の最高値417ドルから約▲38%ほど下落した水準です。

■私の投資戦略

以上の分析内容を簡単に表に整理すると、以下のようになります。

通期では売上高は+21.9%、純利益は+16.4%と、大幅な増収増益で着地しました。
年間を通して安定した業績推移を見せました。


売上高の構成比が地域別・産業別・業務別の3つの切り口で開示されていますが、分散されたポートフォリオが組まれており、安心感があります。

来期に関しては、地域別売上高の53%が北米以外の地域のため、為替のドル高が続くとドル建てにした時の売上高が目減りしてしまうことは懸念の一つです。

為替は外部環境で、自社ではコントロールできないことですので、現地通貨建ての売上高・利益も慎重に確認していこうと思います。

過去11年間(2012年8月期~2022円8月期)の売上高・営業利益・純利益・EPSの推移は以下の通りです。

この11年で2桁増収の年は3年(2018年8月期、2021年8月期、2022年8月期)ありました。
特に近年増収率が大きく高まっています。

営業利益・純利益・EPSに絞ったグラフは以下の通りです。


減益の年もありますが(2014年8月期、2017年8月期)、概ね右肩上がりで成長を続けています。

安心感をもって投資できる銘柄であると感じています。

現在の株価は、目安と考えてきた280ドルを割りこんできました。

為替が円安なのは気になりますが、将来的な成長を期待できる銘柄ですので、もう少し下がったところで指値を入れていこうと考えています。

以上が私の戦略です。

■おわりに

私はだいたい25銘柄程度の注目銘柄を決めて、決算発表内容と会社四季報を見比べながら、上記のような観点で継続的に観察しています。

そして5年で株価2倍が期待できる銘柄を、いいタイミングで買うことを目指しています。
上記の銘柄を推奨するわけではありませんが、銘柄選択の視点や考え方など、読者の皆さんの参考になれば嬉しいです。


毎年資産+10%達成を目指して、引き続き頑張ります!
ということで、本日は以上です!


お読み頂きありがとうございました!


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■参考:同社に関する過去の記事

【アクセンチュア】22/6/23決算発表内容と私の投資戦略
※22/6/23(木)に発表した2022年3月~5月期(第3四半期)決算についての記事です。
【アクセンチュア】22/3/17決算発表内容と私の投資戦略
※22/3/17(木)に発表した2021年12月~2022年2月期(第2四半期)決算についての記事です。
【アクセンチュア】21/12/16決算発表内容と私の投資戦略
※21/12/16(木)に発表した2021年9月~11月期(第1四半期)決算についての記事です。

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