植物由来の代替肉製品を製造・販売するビヨンドミート(BYND)。
脱炭素に貢献する会社として知られ、ビル・ゲイツ氏が投資するなど注目を集めていましたが、近年は業績不振で株価も苦戦しています。
最悪の場合、倒産するかも!
と私も懸念しています。
・現預金は減ってない?
・売上高は伸びてる?
・純利益の赤字幅は縮まってる?
この3つの観点から、5月に発表した2023年12月期第1四半期決算を見ていきます。
■現預金は減ってない?
会社が倒産するのは、キャッシュが尽きた時です。
倒産リスクを考える際、まずキャッシュの推移を見ることが大切です。
18Q4以降の現金・有利子負債の推移は以下の通りです。
21Q1に転換型優先社債(という日本語訳でいいのかわかりませんが・・・英語では「Convertible senior notes」)の発行による資金調達を行いました。
それ以降、有利子負債は同水準が続いていますが、現金は減少が続いています。
今の業績、財務状態では新たな資金調達も難しいと考えられるため、1日も早い業績の回復が必要です。
Q1時点でのキャッシュフローの概要を図にすると以下の通りです。
本業によるキャッシュを示す営業CFがマイナスであることは、足元の業績が苦しいことと同義です。
1年前の22Q1は▲165百万ドルのマイナスでしたので、それと比べると改善していますが、営業CFをプラスに持っていけるのか、今後も注意深く見ていきたいです。
繰り返しますが、会社が倒産するのは、キャッシュが尽きた時です。
■売上高は伸びてる?
2018年以降の四半期売上高の推移は以下の通りです。
売上高は2019年までは右肩上がりで高成長していましたが、2020年以降伸び悩んでいます。
コロナ禍での外出制限、物価上昇など、同社にとっては間違いなく向い風でした。
2019年以降の四半期増収率の推移は以下の通りです。
直近4四半期連続での減収、6四半期のうち5四半期で減収となりました。
増収となった22Q1も+1.2%と非常に弱く、22Q3、22Q4は▲20%を超える減収と、成長の減速が鮮明です。
23Q1の売上高は、前年同期比▲15.7%の減収でした。
売上高は利益の源泉です。
特に同社のような成長フェーズの企業は、何よりも売上高の拡大が重要となります。
売上高が伸びない限り、利益の黒字化も実現しないでしょう。
厳しい状況が続いていますが、直近の22Q3、22Q4と比べるとやや改善しており、この流れが23Q2以降続くのかは、次回決算で注目したいポイントです。
■純利益の赤字幅は縮まってる?
2018年以降の四半期純利益・売上高純利益率の推移は以下の通りです。
20Q1でわずかな黒字を出して以来、12四半期(丸3年!)連続で赤字です。
特に2022年は赤字幅が大きく膨らみました。
昨年10月には従業員の約2割にあたる200名の人員削減を発表するなど、コスト削減にも取り組み、22Q4、23Q1と、赤字幅は縮小してきました。
とはいえ、黒字転換への道のりはまだ遠そうです。
赤字が続くことで自己資本が減少し、22Q2から債務超過状態(自己資本がマイナス、資産よりも負債が多い状態)に陥っています。
2020年以降の自己資本・自己資本比率の推移は以下の通りです。
「債務超過=倒産」ではありませんが、財務状態が良くないことは明らかで、金融機関からの資金調達が難しくなったり、販売先・仕入先との条件が厳しくなることは起きていることでしょう。
利益の黒字化が待たれます。
■おわりに
売上高や純利益でわずかに復調の兆しは感じるものの、将来にわたり継続していくものかどうかは判断できません。
23Q2の決算発表でまた注意深く観察していきましょう。
厳しい業績、財務状態は、上場来の株価推移にも表れています。
まずは売上高を拡大させ、人員削減効果を保ちながら経費を抑え、何とか利益を黒字化する。
このサイクルを作るまでに、なんとかキャッシュをもたせられるのか・・・・
かなり苦しい状況にあり、今はその重要な局面にあると感じています。
世界的なインフレにより、様々な商品が値上げされる中、もともと割高と言われていた同社の商品をいかにして売っていくのか。
株主としては改善していくことを期待しつつ、楽観的に捉えることなく、冷静かつ注意深く今後の決算発表を観察していこうと思います。
本日もお読み頂きありがとうございました!
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コメント
>株主としては改善していくことを期待しつつ、楽観的に捉えることなく、冷静かつ注意深く
>今後の決算発表を観察していこうと思います。
そうするしかないですよね。
yoshiさん、いつもコメントありがとうございます!
はい、そうするしかないですね(苦笑)
こういうこともあるので、投資する際はポートフォリオに占める各銘柄の割合を意識していこうと思います!