米国株に投資したいけど、英語の決算書が理解できない!
英語は苦手で・・・でも米国企業の決算書を読んでみたい!
そんなあなたの役に立ちたい!
と思い、決算書に出てくる項目・勘定科目の日英表記変換一覧表(初級編)を作成しました。
まずは主要な項目を覚えて、英語の決算書にチャレンジしましょう!
日本語の決算書もそうですが、すべてを理解しようとする必要はありません!
自分が重要だと思うポイントに絞れば、英語の決算書も怖くない!
是非この記事が米国株投資にチャレンジしたいあなたの助けになったら嬉しいです。
なお、決算書の項目については、会社によって書き方が様々です。
以下は一つの参考として見て頂ければと思います。
■【PL編】決算書の日英表記変換一覧表
まずはPL(損益計算書)に出てくる項目です。
日本では損益計算書のことを「PL」(「Profit and Loss Statement」の略)とよく呼びますが、米国では「Statements of Income」(アルファベット、コカ・コーラ、マクドナルド、ナイキ)、「Statement of Operations」(テスラ、アマゾン)という言い方をされます。
日本では、PLの基本は「売上高と5つの利益」と言われます。
5つの利益とは、「売上総利益」「営業利益」「経常利益」「税引前当期純利益」「当期純利益」ですが、米国の会計基準(USGAAP)や、国際的な会計基準(IFRS)では「経常利益」という概念はありません。
株式投資をする上で私が重視しているのは「売上高」「営業利益」「純利益」の3点です。
まずはここから覚えるといいでしょう!
売上高と純利益が重要であることは説明不要だと思います。
営業利益を重要視しているのは、純利益よりも本業で稼ぐ力がより表れるからです。
(固定資産売却益や減損損失など臨時的な利益・損失を加味しないため。)
■【BS編】決算書の日英表記変換一覧表
続いて、BS(貸借対照表)に出てくる項目です。
日本では貸借対照表のことを「BS」(「Balance Sheet」の略)とよく言いますが、米国では「Balance Sheet」の他に、「Statement of financial position」という言い方もされます。
BSは「資産の部」「負債の部」「純資産の部」の3つに大きく分かれます。
資産の部では「現金」「棚卸資産・在庫」「のれん」を重要視しています。
「現金」が十分にないと、設備投資、配当金の支払い、借入金の返済などができませんので、一定の水準があるのか、注意が必要です。
有利子負債と比べてどの程度の現金を持っているのか、注意して観察しています。
「棚卸資産・在庫」は、製品の売れ行きや在庫のコントロールの巧拙が表れます。
在庫が積みあがると将来的に不良在庫となることが懸念され株価下落につながることもあり、注意が必要です。
「のれん」はM&Aを積極的に行っている企業で大きく膨らむことがあります。
買収した企業の成長性に陰りが出ると、巨額の減損損失を計上するリスクになるため、のれんの金額が大きい会社は注意が必要です。
負債の部では「借入金」や「社債」といった有利子負債を重要視しています。
現金よりもはるかに多い額の借入金がある場合、返済への不安や借入金利が業績に与える悪影響が懸念されます。
借入で得た資金を活用し、事業成長につなげられていれば問題ありませんので、本業のキャッシュ創出力(営業CF)をあわせてチェックしています。
純資産の部では「自己資本」に注目します。
自己資本を負債・純資産合計(=資産合計)で割って算出する「自己資本比率」は財務の安全性を示す指標で、30%を割っている場合は注意をしています。
なお、純資産がマイナスになる場合を「債務超過」といい、財務状態が非常に厳しいことを指しますが、米国市場では債務超過はそれほど問題視されていないようです。
日本の東京証券取引所では、2期連続債務超過で上場廃止になりますが、米国ではそのような規定はありません。
「たとえ債務超過でも、安定してキャッシュが入っているなら問題ない」
という考えがあるようです。
有名なところだと、マクドナルド、スターバックス、ボーイングなどが債務超過状態です。
マクドナルドは債務超過にも関わらず連続増配企業として、借入をしてまで積極的な株主還元(配当・自社株買い)をしていることでも有名です。
マクドナルドの財務のからくりについては、以下の記事にまとめていますので、よろしければ読んでみて下さい!
参考:債務超過なのに連続増配企業?!米・マクドナルドが倒産しないか心配!
■【CF編】決算書の日英表記変換一覧表
続いて、CF(キャッシュ・フロー計算書)にでてくる項目です。
CFは、PLだけではわからない経営の実態がわかる重要な決算書です。
PL上利益が出ていても、実はキャッシュが回収できず、黒字にもかかわらず倒産してしまう「黒字倒産」ということもあり得ます。
PL、BSだけでなく、CFも是非読むようにしましょう!
キャッシュ・フロー計算書を読み解く基本となる8つのパターンについては、以下の記事にまとめていますので、よろしければ読んでみて下さい!
参考:危ない会社への投資を回避できる!キャッシュ・フロー8つのパターン!
■決算書までのたどり着き方
主要な項目の英語表記がわかったところで、そろそろ実際の決算書を見たくなってきませんか?
決算書の見方はだいたいわかったけど、どうやって決算書までたどり着けばいいんだ?
そんなあなたのため、検索から決算書までたどり着く手順を簡単に紹介します。
具体的に、マクドナルドを例にとって手順を説明します。
(1)Googleなどの検索エンジンで「IR Macdonald」と検索します。
検索する時のポイントは、会社名を英語で入力することです。
日本語(カタカナ)で入力すると検索にヒットしないことがあります。
(2)検索候補の中から、公式HPのリンクをクリックします。
マクドナルドの場合「Investors」と記載がある通り、投資家向けページが検索上位にでてきました。
(3)投資家向けサイトにたどり着けましたね。
次に、決算書のページを探します。
マクドナルドの場合「Investors」をクリックすると、さらに細かく案内が出てきます。
その中の「Financial Information」(財務情報)をクリックします。
(4) 「Financial Information」(財務情報)ページの中に、「Earnings Releases」(決算発表)をまとめたところがあります。
マクドナルドの場合、2017年12月期~2022年12月期までの四半期決算発表データを見ることができます。
ここをみれば、過去からの財務情報を遡って調べることもできますね。
最新のデータは2022年12月期第2四半期決算(2022年4~6月期)のデータです。
こちらをクリックすると、決算書を見ることができます。
(5)こちらが決算書です。
いきなり英語だらけで面食らうかもしれませんが、最初の部分は飛ばしていけば、何ページか後にPL、BS、CFが掲載されています。
以上、簡単ですが、決算書までのたどり着き方でした。
決算書の全てを理解しようとする必要はありません!!
自分が気にしている項目を中心に、チェックしていきましょう!
■おわりに
米国企業の決算書を読んでみよう!
と少しでも思えましたか?
もしそうであれば嬉しいです。
「英語」というだけでアレルギーのある方もいると思いますが、慣れてくれば日本の決算書もアメリカの決算書も大きくは違いませんので、是非気楽な気持ちでチャレンジしてみて下さい!
まずは「この項目を見てみよう!」と範囲を絞って、少しずつ慣れてきたら、チェックする範囲を広げると、いいと思います!
この記事が米国株投資に向けて一歩を踏み出す一助になったら嬉しいです。
本日もお読み頂きありがとうございました!
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