個別株投資で毎年資産+10%を目指すサラリーマン投資家、かたつむり君です。
通勤時間や平日の夜、週末の時間を使って、売買候補となる銘柄の研究を行っています。
日々様々な情報が飛び交いますが、特に年に4回(四半期に1回)行われる決算発表は、企業の業績・状態を把握し、今後の投資戦略を考える上でとても重要な情報です。
この記事では、私が保有中 or 気になっている銘柄の決算発表内容をチェックし、今後の投資戦略について私なりの視点で書いていきます。
記載している銘柄を推奨しているわけではありませんが、私の視点や考え方が読者の方の参考になれば嬉しいです。
■本日のチェック銘柄
今日チェックするのは米・電気自動車大手のテスラ(ティッカーシンボル:TSLA)です。
NASDAQ上場で、決算期は12月です。
SBI証券お客様サイト内の銘柄サマリー情報より数値を抜粋すると、時価総額は9,223億ドル、従業員数は70,757人です。
主な事業内容は、電気自動車の設計・開発・製造・販売・リース、自動車規制クレジットの販売、太陽エネルギーシステム・エネルギー貯蔵製品の設計・製造・設置・販売・リースです。
私がこの会社に注目している理由は、
①環境に優しい電気自動車は今後さらに普及していくに違いない
②自動運転の技術は未来の移動の形を大きく変えると期待できる
③イーロン・マスクという稀代の経営者の言動が面白いし期待できる
と考えているからです。
なお、現在私はテスラの株を4株保有しています。
■決算発表内容の概要
2022/1/26(水)に発表した2021年10~12月期(第4四半期)決算の主な内容は以下の通りです。
【主な決算発表内容】(単位:百万ドル)
売上高 (Total revenues):17,719(前年同期:10,744 前年同期比: +64.9%)
営業利益(Income From Operations):2,613(前年同期:575 前年同期比:+354.4%)
純利益 (Net income):2,321(前年同期:270 前年同期比:+759.6%)
資産合計(Total Assets):62,131(前期末:52,148)
自己資本(Total stockholders’ equity):30,189(前期末:22,225)
現金 (Cash and cash equivalents):17,576(前期末:19,384)
有利子負債(Debt and finance leases):6,834(前期末:11,688)
営業CF(Net cash provided by operating activities):+4,585(前年同期:+3,019)
投資CF(Net cash used in investing activities):▲1,916(前年同期:▲1,047)
財務CF(Net cash provided by (used in) financing activities):▲1,257(前年同期:+2,692)
■決算発表内容分析のものさし
決算発表内容について、私は主に①成長性、②収益性、③安全性、④キャッシュ創出力、の4つの観点からチェックをしています。
それぞれの観点について、主な指標とその計算方法、優秀と認定する目安は以下の通りです。
優秀と認定する目安をクリアした項目が多い銘柄ほど、買いたい銘柄、保有し続けたい銘柄ということになります。
★成長性
【主な指標】
増収率、増益率(営業利益・純利益)
【計算方法】
増収率(%)=(今期の売上÷前期の売上-1)×100
増益率(%)=(今期の利益÷前期の利益-1)×100
【優秀と認定する目安】
増収率、増益率ともに+10%以上
★収益性
【主な指標】
売上高営業利益率、売上高純利益率、ROE(自己資本利益率)
【計算方法】
売上高営業利益率(%)=営業利益÷売上高×100
売上高純利益率(%) =純利益 ÷売上高×100
ROE(%) =純利益÷自己資本×100
※四半期決算時は純利益を年換算し算定
【優秀と認定する目安】
売上高営業利益率:15%以上
売上高純利益率 :10%以上
ROE :15%以上
★安全性
【主な指標】
自己資本比率、現金>有利子負債か
【計算方法】
自己資本比率(%)=自己資本÷総資本×100
【優秀と認定する目安】
自己資本比率:30%以上80%以内
現金>有利子負債であること
※ただし、一概に自己資本比率が高ければいいというわけではなく、有利子負債が多いとダメでもなく、業態や企業の成長フェーズによって個別に評価する必要がある、と考えています。)
★キャッシュ創出力
【主な指標】
営業CFがプラスか、営業CF>営業利益か
【優秀と認定する目安】
営業CFがプラスであること
営業CF>営業利益であること
■決算発表内容分析
それでは、上記のものさしに沿って、実際に決算発表内容を分析していきます。
●成長性のチェック
Q4の売上高は前年同期比+64.9%でした。
通期の売上高は前年比+70.7%でした。
年間通してものすごい勢いで増収しました。
Q4の生産台数(Total production)は305,840台と、前年同期の179,757台から70%増加。
納車台数(Total Deliveries)は308,650台と、前年同期の180,667台から71%増加しました。
生産・納車ともに、「Model S/X」が減少した一方で、「Model 3/Y」が大きく増加しました。
四半期ごとの売上高と納車台数の推移をグラフにすると、以下の通りです。
納車台数の増加に伴って、売上高も右肩上がりで増加しています。
Q4の営業利益は同+354.4%(約4.5倍!)、純利益は同+759.6%(約8.6倍!)でした。
通期の営業利益は同+227.1%(約3.3倍!)、純利益は同+666.5%(約7.7倍!)でした。
年間通して非常に力強い成長を果たしました。
四半期ごとの営業利益・純利益の推移をグラフにすると、以下の通りです。
2019年Q2(4~6月)までは赤字でしたが、2019年Q3に黒字転換し、その後は黒字を継続、2021年に入り利益の伸びが一気に加速していることがわかります。
●収益性のチェック
Q4の売上高営業利益率は14.7%、売上高純利益率は13.1%でした。
通期の売上高営業利益率は12.1%、売上高純利益率は10.3%でした。
売上高営業利益率は目安にしている15%以上には届きませんでしたが、売上高純利益率はQ4、通期ともに目安にしている10%以上を超え、高い収益性を示しました。
売上高が大きく増加する中でも利益率は年々高まっており、非常に力強さを感じます。
ROEは18.3%とこちらも優秀な水準です。
●安全性のチェック
自己資本比率は48.6%でした。
前期末時点での自己資本比率は42.6%でしたので、6ポイント改善しました。
保有している現金は17,576で、有利子負債は6,834と、現金が有利子負債を上回っています。
総資産・自己資本・自己資本比率の推移をグラフにすると、2019年Q3の四半期黒字化以降、自己資本がだんだんと積み上がり、自己資本比率が高まってきているのがわかります。
現金と有利子負債の推移を見ると、2020年Q3で現金と有利子負債の大小が逆転し、現金は高い水準を維持しながら、有利子負債がだんだんと減少していることがわかります。
財務健全性は非常に高くなってきています。
●キャッシュ創出力のチェック
Q4の営業CFは+4,585と、キャッシュインとなりました。
営業利益の2,613を上回るキャッシュインとなりました。
通期のCFが、営業CFが+11,497、投資CFが▲7,868、財務CFが▲5,203でした。
本業で稼いだキャッシュを使い、さらなる成長のために投資をしつつ、借入金を返済して財務健全性を高める、という、素晴らしいサイクルでキャッシュが回っています。
■業績予想(会社発表)に対する進捗度
SBI証券お客様サイト内の財務詳細情報に記載されている今期業績予想に対する進捗度をチェックします。
業績予想に対する進捗度は、年間の業績予想が妥当なものかを考える上で大切な指標です。
もし進捗度が高い場合は、業績予想の上方修正が発表される可能性もあります。
Q1は25%、Q2は50%、Q3は75%、Q4は100%を超えている場合を優秀と定義して、チェックしていきます。
もちろん企業によって季節波動がありますので、単純に数値だけをみるのではなく、前年度の四半期進捗を参考にするのも大事ですね。
売上高の進捗度は102.6%、純利益は112.8%と予想を上回っての着地となりました。
(営業利益は予想がないため割愛します。)
SBI証券お客様サイト内の予想数値が3カ月前のQ3決算時点の数値から上方修正されていましたが、それをさらに上回りました。
■来期の業績予想から見る将来成長性
SBI証券お客様サイト内の財務詳細情報より、来期の業績予想をチェックします。
今期の業績予想を起点に、来期の成長性を見ていきます。
来期の売上高成長率は+41.9%、来期の純利益成長率は+48.7%と予想されています。
今期の増収率・増益率が異常に高いので、比べるとやや見劣りしてしまいますが、それでもものすごい成長予想となっています。
ドイツの工場稼働予定などもあり、来期も非常に強い伸びが予想されています。
■株価水準とチャートの動き
1/26(水)の終値は937ドルです。PERは200倍を超える水準です。
過去5年の株価の動き(週足)は以下の通りです。
黒字転換した2020年から株価がグッと力強く上昇しました。
2020年初から株価は10倍以上あがり、改めて、すごい上がり方です。
2017年から2019年にかけても色んな上下動や乱高下があったはずなのですが、縮尺の関係でほとんどわかりません(笑)
そのくらい、この2年間の上昇が力強いということですね。
■私の投資戦略
以上の分析内容を簡単に表に整理すると、以下のようになります。
70%を超える増収、純利益は7.7倍、利益率の上昇、財務健全性のさらなる改善、良好なキャッシュサイクル、非常に素晴らしい決算でした。
不安要素としては、
・今期の増収率・増益率が凄すぎるために来期が見劣りしてしまうこと
・200倍を超えるPER
・サプライチェーン混乱による生産制限
でしょうか。
ありがたいことに、すでに購入時から株価は10倍を超えており(私にとって初めてのテンバガー銘柄♪)、これまでの売却によって当初の投資資金は回収済ですので、下落したからといって売却は考えていません。
この先3~5年は引き続き保有していく計画で、もし大きく株価が上がることがあれば、少しずつ利益確定をしていくイメージを描いています。
利益確定の目安は1,600ドルです。
その資金でまた次の成長銘柄を仕込み、ポートフォリオ全体を大きくしていく、そんないいサイクルがつくれたらいいなと妄想しながら、じっくり保有を続けます。
以上が私の戦略です。
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■まとめ
私はだいたい25銘柄程度の注目銘柄を決めて、決算発表内容と会社四季報を見比べながら、上記のような観点で継続的に観察しています。
そして5年で株価2倍が期待できる銘柄を、いいタイミングで買うことを目指しています。
上記の銘柄を推奨するわけではありませんが、銘柄選択の視点や考え方など、読者の皆さんの参考になったのであれば嬉しいです。
私が銘柄選びの基準や、仕掛けるタイミング、投資に対する考え方について参考にしている書籍は以下の通りですのでよろしければ読んでみて下さい。
私の資産形成の原点です!「自分のためにお金を働かせる」という思考を強烈に植え付けられました。
4人の著者の視点から、テンバガーが期待できる銘柄の選び方を学べました!
ウォーレン・バフェットが味わった数々の教訓は、長期投資を志す方には有益な学びがありますね!
世界中を旅する冒険投資家ならではの視点の広さ、歴史から学べる投資家の取るべき行動、とてもためになりました!
長期投資において大切な考え方がシンプルに伝わってくる一冊でした。
会社四季報は企業分析の大事なツール。掘り出し物のお宝探しは投資の醍醐味ですね!
毎年資産+10%達成を目指して、引き続き頑張ります!
ということで、本日は以上です!
お読み頂きありがとうございました!
■参考:同社に関する過去の記事
・【テスラ】21/10/20決算発表内容と私の投資戦略
※2021/10/20(水)に発表した2021年7~9月期(第3四半期)決算についての記事です。
・【銘柄研究!】本日の気になる銘柄~テスラ
※2021/7/26(月)に発表した2021年4月~6月期(第2四半期)決算についての記事です。
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