【アメリカン・エキスプレス】22/1/25決算発表内容と私の投資戦略

決算分析

個別株投資で毎年資産+10%を目指すサラリーマン投資家、かたつむり君です。

通勤時間や平日の夜、週末の時間を使って、売買候補となる銘柄の研究を行っています。
日々様々な情報が飛び交いますが、特に年に4回(四半期に1回)行われる決算発表は、企業の業績・状態を把握し、今後の投資戦略を考える上でとても重要な情報です。

この記事では、私が保有中 or 気になっている銘柄の決算発表内容をチェックし、今後の投資戦略について私なりの視点で書いていきます。

記載している銘柄を推奨しているわけではありませんが、私の視点や考え方が読者の方の参考になれば嬉しいです。

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■本日のチェック銘柄

今日チェックするのは米・クレジットカード大手のアメリカン・エキスプレス(アメックス)(ティッカーシンボル:AXP)です。
ニューヨーク証券取引所(NYSE)上場で、決算期は12月です。
SBI証券お客様サイト内の銘柄サマリー情報より数値を抜粋すると、時価総額は1,231億ドル、従業員数は63,700人です。

今週は同業他社のビザ、マスターカードも決算発表があります。(両社とも現地時間1/27(木)発表予定)
グローバルなキャッシュレス化の流れの中でクレジットカード業界は今後も成長が続くと思っていますが、その中でも特に有望な会社はどこかを調べるため、今回チェックしてみました。

なお、現在私はアメリカン・エキスプレスの株は保有していません。

■決算発表内容の概要

2022/1/25(火)に発表した2021年12月期第4四半期決算の主な内容は以下の通りです。

【主な決算発表内容】(単位:百万ドル)

売上高 (Total revenues net of interest expense):12,145(前年同期:9,351 前年同期比: +29.9%)
営業利益(Pretax income):2,306(前年同期:1,858 前年同期比:+24.1%)
純利益 (Net income attributable to common shareholders):1,679(前年同期:1,415 前年同期比:+18.7%)
資産合計(Total assets):188,548(前期末:191,367)
自己資本(Shareholders’ equity):22,177(前期末:22,984)
現金  (Cash and cash equivalents):22,028(前期末:32,965)
有利子負債(Short-term borrowings, Long-term debt):40,918(前期末:44,830)
営業CF:+14,645(前年同期:+5,591)
投資CF:▲10,529(前年同期:+11,632)
財務CF:▲14,933(前年同期:▲9,068)

■決算発表内容分析のものさし

決算発表内容について、私は主に①成長性、②収益性、③安全性、④キャッシュ創出力、の4つの観点からチェックをしています。

それぞれの観点について、主な指標とその計算方法、優秀と認定する目安は以下の通りです。
優秀と認定する目安をクリアした項目が多い銘柄ほど、買いたい銘柄、保有し続けたい銘柄ということになります。

★成長性
【主な指標】
増収率、増益率(営業利益・純利益)

【計算方法】
増収率(%)=(今期の売上÷前期の売上-1)×100
増益率(%)=(今期の利益÷前期の利益-1)×100

【優秀と認定する目安】
増収率、増益率ともに+10%以上

★収益性
【主な指標】
売上高営業利益率、売上高純利益率、ROE(自己資本利益率)

【計算方法】
売上高営業利益率(%)=営業利益÷売上高×100
売上高純利益率(%) =純利益 ÷売上高×100
ROE(%)      =純利益÷自己資本×100
※四半期決算時は純利益を年換算し算定

【優秀と認定する目安】
売上高営業利益率:15%以上
売上高純利益率 :10%以上
ROE      :15%以上

★安全性
【主な指標】
自己資本比率、現金>有利子負債か

【計算方法】
自己資本比率(%)=自己資本÷総資本×100

【優秀と認定する目安】
自己資本比率:30%以上80%以内
現金>有利子負債であること
※ただし、一概に自己資本比率が高ければいいというわけではなく、有利子負債が多いとダメでもなく、業態や企業の成長フェーズによって個別に評価する必要がある、と考えています。)

★キャッシュ創出力
【主な指標】
営業CFがプラスか、営業CF>営業利益か

【優秀と認定する目安】
営業CFがプラスであること
営業CF>営業利益であること

■決算発表内容分析

それでは、上記のものさしに沿って、実際に決算発表内容を分析していきます。

●成長性のチェック

Q4の売上高(※)は前年同期比+29.9%でした。
営業利益(※)は+24.1%でした。
純利益は同+18.7%でした。

※本記事中の「売上高」は決算書上の「Total revenues net of interest expense」(支払利息を除いた総収入)の金額を、「営業利益」は決算書上の「Pretax income」(税前利益)の数値をとっています。(勘定科目が独特で、ちょっと他の会社と比較しにくいですね・・・。)

Q4の売上高、営業利益、純利益、いずれも指標にしている+10%を上回る成長となりました。
通期(12ヶ月累計)で見ると、売上高は前年同期比+17.4%、営業利益は同+148.8%、純利益は+160.8%と、大幅な増収増益となりました。

Q4ではクレジットカードの利用額が過去最高に達しました。
通期の増益率に比べてQ4の増益率が低いのは、Q4で経費が大きく増加したためです。
特にマーケティング関連費用(Marketing and business development)は前年同期比+46%(1,858→2,713)と増加しました。

●収益性のチェック

Q4の売上高営業利益率は19.0%、売上高純利益率は13.8%、ROEは36.0%でした。
通期の売上高営業利益率は25.2%、売上高純利益率は18.7%でした。
四半期、通期ともに、指標としている数値を上回り、収益性が高い企業であると言えます。

●安全性のチェック

自己資本比率は11.6%でした。
保有している現金は22,028、有利子負債は40,918でした。有利子負債が大きく上回りました。
有利子負債が保有現金より多く、自己資本比率も低く、安全性については不安があると言えそうです。

●キャッシュ創出力のチェック

営業CFは+14,645と、キャッシュインとなりました。
営業利益2,306を大きく上回りました。

■業績予想(会社発表)に対する進捗度

「売上高」と「営業利益」について、SBI証券お客様サイト内の財務詳細情報に記載されているの定義と、本記事における定義が異なるため、業績予想に対するコメントは割愛します。
純利益は通期予想の7,615に対し、7,917と、予想を4%程上回っての着地となりました。

■来期の業績予想から見る将来成長性

SBI証券お客様サイト内の財務詳細情報より、来期の業績予想をチェックします。
今期の業績予想を起点に、来期の成長性を見ていきます。

※SBI証券お客様サイトより、同社の業績予想を抜粋

こちらも「売上高」と「営業利益」について、SBI証券お客様サイト内の財務詳細情報に記載されているの定義と、本記事における定義が異なるため、業績予想に対するコメントは割愛します。

SBI証券お客様サイト上では、来期純利益成長率は▲4.4%となっていますが、今回の決算発表を受けて、こちらは修正されていくと思われます。

今回の決算発表では、来期以降の見通しについても発表されました。
来期予想については、従来の予想を引き上げました。

・2022年見通し(2022 Guidance)    売上高成長率 18%~20%
・2023年見通し(2023 Expectations) 長期目標(10%超)を上回る売上高成長率
・2024年以降目標(2024+ Aspiration)   売上高成長率 10%超

※同社の決算説明資料より抜粋

■株価水準とチャートの動き

1/25(火)の終値は173ドルです。PERは16倍です。

※SBI証券お客様サイトより、同社の株価情報を抜粋

過去5年の株価の動き(週足)は以下の通りです。

※SBI証券お客様サイトより、同社の株価チャートを抜粋

2020年のコロナショックで大きく下げましたが、その後は大きく上昇しました。
ここ半年は160~180ドルのレンジあたりで上げ下げをしていましたが、今回の決算発表をきっかけに上に抜けていくかもしれませんね。
決算発表を受けて、1/25(火)の同社の株価は+8.9%上昇しました。
PERは16倍と、お手頃な水準です。

■私の投資戦略

以上の分析内容を簡単に表に整理すると、以下のようになります。

通期でもQ4四半期でも増収増益、さらに将来見通しの引き上げと、とてもいい内容の決算発表でした。
財務状態全体を見ると、成長性、収益性は非常にGood、安全性はBad、といったところでしょうか。
今後の見通しとして、3年後以降も+10%の増収率目標を示したことは好感が持てました。
やはり長期的な成長をコミットする会社の方が応援したくなります。

グローバルなキャッシュレス化が進む中で、クレジットカード業界の存在感はまだまだ大きいものとして続くと見ています。
同業他社であるビザやマスターカード等の業績動向や、ペイパルやブロックインクといったクレジットカード以外の決済会社の業績動向も見ながら投資判断していきたいと思っています。

安全性を除けば、非常に優良な会社だと感じましたので、株価が下落してくれば、購入していきたいなと思っています。
目安は130ドルです。
現在の株価から▲25%ほどなのでなかなか下がってこないかもしれませんが。
同業他社の動向もあわせて、今後も観察を続けていきたいと思います。
以上が私の戦略です

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■まとめ

私はだいたい25銘柄程度の注目銘柄を決めて、決算発表内容と会社四季報を見比べながら、上記のような観点で継続的に観察しています。
そして5年で株価2倍が期待できる銘柄を、いいタイミングで買うことを目指しています。
上記の銘柄を推奨するわけではありませんが、銘柄選択の視点や考え方など、読者の皆さんの参考になったのであれば嬉しいです。

私が銘柄選びの基準や、仕掛けるタイミング、投資に対する考え方について参考にしている書籍は以下の通りですのでよろしければ読んでみて下さい。

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毎年資産+10%達成を目指して、引き続き頑張ります!
ということで、本日は以上です!
お読み頂きありがとうございました!

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