【テスラ】21/10/20決算発表内容と私の投資戦略

決算分析

私は毎年資産+10%達成を目標に投資に励むサラリーマン投資家です。

通勤時間や平日の夜、週末の時間を使って、売買候補となる銘柄の研究を行っています。
日々様々な情報が飛び交いますが、特に年に4回(四半期に1回)行われる決算発表は、企業の業績・状態を把握し、今後の投資戦略を考える上でとても重要な情報です。

この記事では、私が保有中 or 気になっている銘柄の決算発表内容をチェックし、今後の投資戦略について私なりの視点で書いていきます。
記載している銘柄を推奨しているわけではありませんが、私の視点や考え方が読者の方の参考になれば嬉しいです。

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■本日のチェック銘柄

今日チェックするのは電気自動車事業を展開するテスラ(ティッカーシンボル:TSLA)です。
NASDAQ所属で、決算期は12月です。
SBI証券お客様サイト内の銘柄サマリー情報より数値を抜粋すると、時価総額は9005億ドル、従業員数は70,757です。
主な事業内容は、電気自動車の設計・開発・製造・販売・リース、自動車規制クレジットの販売、太陽エネルギーシステム・エネルギー貯蔵製品の設計・製造・設置・販売・リースです。

私がこの会社に注目している理由は、
①環境に優しい電気自動車は今後さらに普及していくに違いない
②自動運転の技術は未来の移動の形を大きく変えると期待できる
③イーロン・マスクという稀代の経営者の言動が面白いし期待できる
と考えているからです。

なお、現在私はテスラの株を5株保有しています。

■決算発表内容の概要

2021/10/20(水)に発表した2021年7~9月期(第3四半期)決算の主な内容は以下の通りです。

【主な決算内容】(単位:百万ドル)

売上高 (Total revenues):13,757(前年同期:8,771 前年同期比: +56.8%)
営業利益(Income From Operations):2,004(前年同期:809 前年同期比:+147.7%)
純利益 (Net income):1,618(前年同期:331 前年同期比:+388.8%)
資産合計(Total Assets):57,834(前期末:52,148)
自己資本(Total stockholders’ equity):27,053(前期末:22,225)
現金  (Cash and cash equivalents):16,065(前期末:19,384)
有利子負債(Debt and finance leases):8,154(前期末:11,688)
営業CF(Net cash provided by operating activities):+3,147(前年同期:+2,400)
投資CF(Net cash used in investing activities):▲1,855(前年同期:▲1,039)
財務CF(Net cash provided by financing activities):▲1,381(前年同期:+4,450)

■決算発表内容分析のものさし

決算発表内容について、私は主に①成長性②収益性③安全性④キャッシュ創出力、の4つの観点からチェックをしています。

それぞれの観点について、主な指標とその計算方法、優秀と認定する目安は以下の通りです。
優秀と認定する目安をクリアした項目が多い銘柄ほど、買いたい銘柄、保有し続けたい銘柄ということになります。

★成長性

【主な指標】
増収率、増益率(営業利益・純利益)

【計算方法】
増収率(%)=(今期の売上÷前期の売上-1)×100
増益率(%)=(今期の利益÷前期の利益-1)×100

【優秀と認定する目安】
増収率、増益率ともに+10%以上

★収益性
【主な指標】
売上高営業利益率、売上高純利益率、ROE(自己資本利益率)

【計算方法】
売上高営業利益率(%)=営業利益÷売上高×100
売上高純利益率(%) =純利益 ÷売上高×100
ROE(%)      =純利益÷自己資本×100
※四半期決算時のROEは純利益を年換算し算定

【優秀と認定する目安】
売上高営業利益率:15%以上
売上高純利益率 :10%以上
ROE      :15%以上

★安全性
【主な指標】
自己資本比率、現金>有利子負債か

【計算方法】
自己資本比率(%)=自己資本÷総資本×100

【優秀と認定する目安】
自己資本比率:30%以上80%以内
現金>有利子負債であること

※ただし、一概に自己資本比率が高ければいいというわけではなく、有利子負債が多いとダメでもなく、業態や企業の成長フェーズによって個別に評価する必要がある、と考えています。

★キャッシュ創出力
【主な指標】
営業CFがプラスか、営業CF>営業利益か

【優秀と認定する目安】
営業CFがプラスであること
営業CF>営業利益であること

■決算発表内容分析

それでは、上記のものさしに沿って、実際に決算発表内容を分析していきます。

●成長性のチェック

売上高は前年同期比+56.8%でした。
営業利益は同+147.7%(約2.5倍!)、純利益は同+388.8%(約4.9倍!)でした。
いずれも非常に高い成長性を示した好決算でした!

生産台数(Total production)は237,823台と、前年同期の145,036台から64%増加。
販売台数(Total Deliveries)は241,391台と、前年同期の139,593台から73%増加しました。
生産・販売ともに、「Model S/X」が減少した一方で、「Model 3/Y」が大きく増加したことが分かります。

同社の決算発表資料より抜粋

売上高の伸び以上に、営業利益・純利益の伸びが大きいということは、販管費を削減できたということです。
財務諸表で販管費(Operating expenses)を見ると前年同期比+25.3%でした。
売上高の増加に比べて、増加率が低いことがわかります。

●収益性のチェック

売上高営業利益率は14.6%、売上高純利益率は11.8%、ROEは15.8%でした。
売上高営業利益率は目安にしている15%以上には届きませんでしたが、14.6%というのは他の自動車メーカーと比べても優秀であると思います。(参考:トヨタ21Q1:12.6%)
売上高純利益率は10%以上なので優秀です!
ROEも15%超と優秀です。

●安全性のチェック

自己資本比率は46.8%でした。
前期末時点での自己資本比率は42.6%でしたので、4.2ポイント改善しました。

保有している現金は16,065で、有利子負債は8,154と、現金が有利子負債を上回っています。
現金は前期末(19,384)から減少しているものの、それ以上に有利子負債は前期末(11,688)から減少しているため、財務状態は健全になっていると言えますね。

●キャッシュ創出力のチェック

営業CFは+3,147と、キャッシュインとなりました。
前年同期は+2,400でしたので、売上高・利益の成長にあわせて、キャッシュ創出力も高まっています。
営業利益の金額以上に営業CFが増加しています。

また、財務CFを見ると、前年同期はプラスでしたが、今期はマイナスになっています。
売上高の増加に伴い、借入金を借りるフェーズから、返済するフェーズに移ってきていることも見て取れますね。

■業績予想に対する進捗度

SBI証券お客様サイト内の財務詳細情報より今期の業績予想をチェックします。
業績予想に対する進捗度は、年間の業績予想が妥当なものかを考える上で大切な指標です。
もし進捗度が高い場合は、業績予想の上方修正が発表される可能性もあります。
1Qは25%、2Qは50%、3Qは75%、4Qは100%を超えている場合を優秀と定義して、チェックしていきます。
もちろん企業によって季節波動がありますので、単純に数値だけをみるのではなく、前年度の四半期進捗を参考にするのも大事ですね。

業績予想に対する売上高の進捗度は70.9%
営業利益は業績予想の掲載がないため割愛します。
純利益の進捗度は72.4%

売上高、純利益とも前年同期から大きく伸びているものの、業績予想に対する進捗は75%を切りました。
テスラへの期待が いかに高いのかを感じますね。

■来期の業績予想から見る将来成長性

同じくSBI証券お客様サイト内の財務詳細情報より、来期の業績予想をチェックします。

※SBI証券お客様サイトより、同社の業績予想を抜粋

来期の売上高成長率は+37.1%
営業利益は業績予想の掲載がないため割愛します。
来期の純利益成長率は+54.9%

ドイツの工場稼働予定などもあり、来期も非常に強い伸びが予想されています。
売上高の成長率よりも純利益の成長率が高いのは素晴らしいですね。

■株価水準とチャートの動き

直近の株価とPERは以下の通りです。

※SBI証券お客様サイトより、同社の株価情報を抜粋

最近株価が大きく上げていますが、PERは221倍!
ものすごく高いですが、それだけテスラの成長性を投資家の皆さんが期待しているということでしょう。

過去5年間の株価の動き(週足)は以下の通りです。

※SBI証券お客様サイトより、同社の株価チャートを抜粋

業績の黒字化に加え、コロナ禍以降、脱炭素の機運の高まりや世界的な金あまりも追い風に、昨年以降株価は大きく上昇しました。
改めて、すごい上がり方です。
2017年から2019年にかけても色んな上下動や乱高下もあったはずなのですが、ほとんどわかりません(笑)

■私の投資戦略

以上の分析内容を簡単に表に整理すると、以下のようになります。

増収率・増益率も文句なく、素晴らしい成長性を示した決算でした。
さらに、近年は財務体質も改善し、安全性やキャッシュ創出力の点でも非常に優秀な会社であると感じています。
今期業績予想に対する進捗は「×」になっていますが、Q4でも業績は伸びていくと思うので、特に問題は感じていません。

文句のつけどころはありませんが、当然株価は非常に高く、PERが200倍を超えるとさすがに追加で買う気はありません。
ありがたいことに、すでに購入時から株価は10倍を超えていますので(私にとって初めてのテンバガー銘柄です♪)、今後はどのタイミングで売るかを考えつつ、業績を眺めていきたいと思います。

この銘柄がいくらになったらとかではなく、他に仕込みたい銘柄の株価が下がってきたら、部分的にテスラを利益確定し、そのお金で新しい銘柄、テンバガーとは言いませんが5年で2倍を期待できる銘柄をポートフォリオに加えていきたい、というのが私の戦略です。

■まとめ

長くなりましたが、お読み頂きありがとうございました!

私はだいたい25銘柄程度の注目銘柄を決めて、上記のような観点で継続的に観察を続けています。
そして5年で株価2倍が期待できる銘柄を、いいタイミングで買うことを目指して日々観察をしています。
上記の銘柄を推奨するわけではありませんが、銘柄選択の視点や考え方など、読者の皆さんの参考になったのであれば嬉しいです。

毎年資産+10%達成を目指して、引き続き頑張ります!

ということで、本日は以上です!お読み頂きありがとうございました!

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