【アセンテック】22/3/14決算発表内容と私の投資戦略

決算分析

今日はアセンテックの決算をチェックしていきましょう♪

テレワーク銘柄だな~

そうですね、2020年はテレワークに注目が集まり、大きく上げましたね!
今後はセキュリティ面で注目を集めて上昇するかもしれないですね!

それ、希望的観測なんじゃないの~
保有してる人の声だから信じないわ~

皆さんこんにちは。
個別株投資で毎年資産+10%を目指すサラリーマン投資家、かたつむり君です。
通勤時間や平日の夜、週末の時間を使って、売買候補となる銘柄の研究を行っています。
日々様々な情報が飛び交いますが、年に4回(四半期に1回)行われる決算発表は、企業の業績・状態を把握し、今後の投資戦略を考える上で特に重要な情報です。

この記事では、私が保有中 or 気になっている銘柄の決算発表内容をチェックし、今後の投資戦略について私なりの視点で書いていきます。

記載している銘柄を推奨しているわけではありませんが、私の視点や考え方が読者の皆さんの参考になれば嬉しいです。

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■本日のチェック銘柄

今日チェックするのは仮想デスクトップソリューションを提供するアセンテック(証券コード:3565)です。
東証一部上場で、決算期は1月です。
4月からの新市場区分では「プライム市場」に区分されます。
直近の四季報より数値を抜粋すると、時価総額は164億円、従業員数は80名です。
同社が掲げる企業理念は「簡単、迅速、安全に!お客様のビジネスワークスタイルの変革に貢献する」です。

私がこの会社に注目している理由は
①同社のサービスがテレワークの普及、働き方改革の実現に貢献すると考えているから
②テレワークが増える中でセキュリティ対策は今後ますます必要になっていくと考えているから

です。

現在私はアセンテックの株を100株保有しています。

■決算発表内容の概要

2022/3/14(月)に発表した2022年1月期第4四半期決算の主な内容は以下の通りです。

【主な決算発表内容】(単位:百万円)
売上高  : 6,484(前年同期: 5,982 前年同期比:  +8.4%)
営業利益 :    708(前年同期:    607 前年同期比:+16.6%)
純利益  :    496(前年同期:    422 前年同期比:+17.6%)
資産合計 : 3,576(前期末:3,511)
自己資本 : 2,345(前期末:2,093)
現金   : 1,418(前期末:1,712)
有利子負債:        0(前期末:       0)
営業CF  :  +38(前年同期:+606)
投資CF  :  ▲96(前年同期:  ▲96)
財務CF  :▲236(前年同期:  ▲46)

■決算発表内容分析のものさし

決算発表内容について、私は主に①成長性、②収益性、③安全性、④キャッシュ創出力、の4つの観点からチェックをしています。

それぞれの観点について、主な指標とその計算方法、優秀と認定する目安は以下の通りです。
優秀と認定する目安をクリアした項目が多い銘柄ほど、買いたい銘柄、保有し続けたい銘柄ということになります。

★成長性
【主な指標】
増収率、増益率(営業利益・純利益)

【計算方法】
増収率(%)=(今期の売上÷前期の売上-1)×100
増益率(%)=(今期の利益÷前期の利益-1)×100

【優秀と認定する目安】
増収率、増益率ともに+10%以上

★収益性
【主な指標】
売上高営業利益率、売上高純利益率、ROE(自己資本利益率)

【計算方法】
売上高営業利益率(%)=営業利益÷売上高×100
売上高純利益率(%) =純利益 ÷売上高×100
ROE(%)      =純利益÷自己資本×100
※四半期決算時は純利益を年換算し算定

【優秀と認定する目安】
売上高営業利益率:15%以上
売上高純利益率 :10%以上
ROE      :15%以上

★安全性
【主な指標】
自己資本比率、現金>有利子負債か

【計算方法】
自己資本比率(%)=自己資本÷資産合計×100

【優秀と認定する目安】
自己資本比率:30%以上80%以内
現金>有利子負債であること
※ただし、一概に自己資本比率が高ければいいというわけではなく、有利子負債が多いとダメでもなく、業態や企業の成長フェーズによって個別に評価する必要がある、と考えています。)

★キャッシュ創出力
【主な指標】
営業CFがプラスか、営業CF>営業利益か

【優秀と認定する目安】
営業CFがプラスであること
営業CF>営業利益であること

■決算発表内容分析

それでは、上記のものさしに沿って、実際に決算発表内容を分析していきます。

●成長性のチェック

売上高は前年同期比+8.4%でした。
営業利益は同+16.6%でした。
純利益は同+17.6%でした。

売上高は指標の+10%には届きませんでしたが、営業利益・純利益は+15%超となり、増収増益の決算となりました。
6期連続での増収増益です。

コロナ禍という環境の中で、在宅勤務・テレワーク導入及びサイバーセキュリティ対策の増加により、同社の製品やソリューションに対する需要は堅調でした。
大型の仮想デスクトップ基盤及びサーバ、ストレージ需要の復調や、自社製品である「リモートPCアレイ」の地方自治体での導入が増加したことが増収の要因です。

事業領域別売上推移は以下の通りです。
同社の主力事業、売上高の73.5%を占める「仮想デスクトップ」は順調に成長しています。

※同社の決算説明資料より抜粋

●収益性のチェック

売上高営業利益率は10.9%、売上高純利益率は7.7%でした。
利益率は指標には届きませんでした。

なお、過去5年間の利益率の推移は以下の通りです。
だんだんと利益率が高まっていることがわかります。
売上高営業利益率:7.6%、5.8%、6.9%、7.7%、10.1%
売上高純利益率 :4.3%、4.3%、4.9%、5.5%、 7.1%

ROEは21.2%でした。
指標としている15%を上回りました。

●安全性のチェック

自己資本比率は65.6%でした。
現金1,418に対し、有利子負債は0、無借金経営です。
財務の安全性は問題ありません。

●キャッシュ創出力のチェック

営業CFは+38と、キャッシュインとなりました。
営業利益708と比べるとキャッシュインが非常に小さいです。
キャッシュ・フロー計算書で気になるところは「たな卸資産の増減額」です。
前期は棚卸資産が減少したのに対し、今期は棚卸資産が増加しています。
棚卸資産は将来販売する商品の在庫ですので、在庫が売れずに残っている状態ということです。
来期この棚卸資産が解消される(=販売が進む)か、注目していきたいと思います。
キャッシュ・フロー計算書の開示はQ2、Q4だけだと思うので、9月の確認になると思われます。

※同社の決算短信より抜粋、一部加工

■業績予想(会社発表)に対する進捗度

会社が発表した業績予想に対する進捗度は、年間の業績予想が妥当なものかを考える上で大切な指標です。
もし進捗度が高い場合は、業績予想の上方修正が発表される可能性もあります。
Q1は25%、Q2は50%、Q3は75%、Q4は100%を超えている場合を優秀と定義して、チェックしていきます。
もちろん企業によって季節波動がありますので、単純に数値だけをみるのではなく、前年度の四半期進捗を参考にするのも大事ですね。

通期予想に対する達成度は、売上高:99.8%、営業利益:101.1%、純利益:102.4%と、ほぼ計画通りに着地しました。
会社四季報予想と比べるとやや弱い着地となりました。

■来期の業績予想(会社四季報情報)から見る将来成長性

会社四季報では、過去の業績に加えて、今期の業績予想、来期の業績予想が記載されています。
会社四季報の記者が会社に取材をし、分析した結果掲載されている予想値です。
会社が発表している業績予想と一致する場合もあれば、ずれることもあります。
このずれがある時は、注意が必要です。

※SBI証券お客様サイトより、同社の会社四季報情報を抜粋

来期の売上高成長率は+7.7%、営業利益成長率は+21.4%、純利益成長率は+23.7%と予想されています。
ただし、今期の着地が四季報予想よりも弱かったため、おそらく今後予想は下方に修正されるかと思われます。

会社発表の業績予想は以下の通りです。

※同社の決算短信より抜粋

売上高成長率は+1.8%、営業利益成長率は+10.2%、純利益成長率は+8.7%と予想されています。
四季報予想に比べると随分控えめですが、こちらの方が現実的な予想なのでしょう。

■株価水準とチャートの動き

3/14(月)の終値は750円。会社発表の来期業績予想で計算したPERは18倍です。
過去5年間の株価の動き(週足)は以下の通りです。

※SBI証券お客様サイトより、同社の株価チャートを抜粋

2017年4月の上場以降、1,000円を少し超えたあたりをなかなか抜けられずに来ましたが、2020年に入り、その壁を突破。
コロナショックで一旦は大きく調整しますが、テレワーク銘柄としての期待を集め、コロナショックの安値から3倍近くの水準まで上昇しました。
2020年10月以降は調整を続け現在はコロナ前を下回る水準まで下落しています。

■私の投資戦略

以上の分析内容を簡単に表に整理すると、以下のようになります。

6期連続の増収増益で着地しました。
今期も増収率(+8.4%)を上回る増益率(営業利益:+16.6%、純利益:+17.6%)を記録し、利益率が年々高まっています。

過去6年間の売上高・営業利益・純利益・EPSの推移は以下の通りです。

売上の伸びがやや弱い分、派手さや爆発力は感じませんが、安定して増収増益を続けている点、利益率が毎年改善されている点、無借金経営と安全性が高い点、とても私好みの銘柄です。

2020年ほど一気にテレワークニーズが高まることはもうないと思いますが、アフターコロナの世界でもテレワークがなくなることはなく、長い時間をかけてテレワーク定着が進んでいくと考えています。
これだけテレワークを導入している企業が増えると、導入していない企業は採用面でもビハインドになるでしょうから、そういう面も同社の事業の追い風になると思っています。

「5年で株価2倍」を狙って、今年1月に100株を購入しました。
コロナ禍でテレワーク銘柄として大きな注目を集めた反動で株価が大きく下落することは理解できますが、コロナ前の水準を下回るほどに下落した現在の株価はさすがに下がり過ぎだと考えています。

ロシアによるウクライナ侵攻により、サイバーセキュリティに対する注目度も高まっていく可能性がありますので、その点でも同社のビジネスには追い風になると考えています。
安定感や安全性のある銘柄ですので、腰を据えてじっくり保有を継続します。
今後株価が下落した場合、600円まで下がれば追加での買付も検討しています。

以上が私の戦略です。

■まとめ

私はだいたい25銘柄程度の注目銘柄を決めて、決算発表内容と会社四季報を見比べながら、上記のような観点で継続的に観察しています。
そして5年で株価2倍が期待できる銘柄を、いいタイミングで買うことを目指しています。
上記の銘柄を推奨するわけではありませんが、銘柄選択の視点や考え方など、読者の皆さんの参考になれば嬉しいです。

私が銘柄選びの基準や、仕掛けるタイミング、投資に対する考え方について参考にしている書籍は以下の通りです。
よろしければ読んでみて下さい。

私の資産形成モチベーションの原点です!「自分のためにお金を働かせる」という思考を強烈に植え付けられました。

4人の著者の視点から、テンバガーが期待できる銘柄の選び方を学べました!

ウォーレン・バフェットが味わった数々の教訓(苦みも含めて)は、長期投資を志す方には有益な学びがありますね!

毎年資産+10%達成を目指して、引き続き頑張ります!
ということで、本日は以上です!
お読み頂きありがとうございました!

■参考:同社に関する過去の記事

【アセンテック】21/12/10決算発表内容と私の投資戦略
※21/12/10(金)に発表した2022年1月期第3四半期決算についての記事です。
【銘柄研究!】本日の気になる銘柄~アセンテック 
※21/9/10(金)に発表した2022年1月期第2四半期決算についての記事です。

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