【ダラー ツリー】21/11/23決算発表内容と私の投資戦略

決算分析

私は毎年資産+10%達成を目標に投資に励むサラリーマン投資家です。

通勤時間や平日の夜、週末の時間を使って、売買候補となる銘柄の研究を行っています。
日々様々な情報が飛び交いますが、特に年に4回(四半期に1回)行われる決算発表は、企業の業績・状態を把握し、今後の投資戦略を考える上でとても重要な情報です。

この記事では、私が保有中 or 気になっている銘柄の決算発表内容をチェックし、今後の投資戦略について私なりの視点で書いていきます。
記載している銘柄を推奨しているわけではありませんが、私の視点や考え方が読者の方の参考になれば嬉しいです。

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■本日のチェック銘柄

今日チェックするのは米国で1ドルショップを展開するダラー ツリー(ティッカーシンボル:DLTR)です。
NASDAQ上場で、決算期は1月です。
SBI証券お客様サイト内の銘柄サマリー情報より数値を抜粋すると、時価総額は325億ドル、従業員数は60,217人です。

米国を代表する小売事業者ということで、これから注目していこうと思っています。

なお、現在私はダラー ツリーの株を保有していません。

■決算発表内容の概要

2021/11/23(火)に発表した2021年8~10月期(第3四半期)決算の主な内容は以下の通りです。

【主な決算内容】(単位:百万ドル)

売上高 (Total revenue):6,418(前年同期:6,177 前年同期比:+3.9%)
営業利益(Operating income):311(前年同期:466 前年同期比:▲33.3%)
純利益 (Net income):217(前年同期:330 前年同期比:▲34.3%)
資産合計(Total assets):21,390(前期末:20,696)
自己資本(Shareholders’ equity):7,244(前期末:7,285)
現金  (Cash and cash equivalents):701(前期末:1,417)
有利子負債(Current portion of long-term debt, Long-term debt):3,231(前期末:3,226)
営業CF(Net cash provided by operating activities):+1,019(前年同期:+1,734)
投資CF(Net cash used in investing activities):▲746(前年同期:▲708)
財務CF(Net cash used in financing activities):▲982(前年同期:▲447)

■決算発表内容分析のものさし

決算発表内容について、私は主に①成長性②収益性③安全性④キャッシュ創出力、の4つの観点からチェックをしています。

それぞれの観点について、主な指標とその計算方法、優秀と認定する目安は以下の通りです。
優秀と認定する目安をクリアした項目が多い銘柄ほど、買いたい銘柄、保有し続けたい銘柄ということになります。

★成長性
【主な指標】
増収率、増益率(営業利益・純利益)

【計算方法】
増収率(%)=(今期の売上÷前期の売上-1)×100
増益率(%)=(今期の利益÷前期の利益-1)×100

【優秀と認定する目安】
増収率、増益率ともに+10%以上

★収益性
【主な指標】
売上高営業利益率、売上高純利益率、ROE(自己資本利益率)

【計算方法】
売上高営業利益率(%)=営業利益÷売上高×100
売上高純利益率(%) =純利益 ÷売上高×100
ROE(%)      =純利益÷自己資本×100 ※四半期決算時は純利益を年換算し算定

【優秀と認定する目安】
売上高営業利益率:15%以上
売上高純利益率 :10%以上
ROE      :15%以上

★安全性
【主な指標】
自己資本比率、現金>有利子負債か

【計算方法】
自己資本比率(%)=自己資本÷総資本×100

【優秀と認定する目安】
自己資本比率:30%以上80%以内
現金>有利子負債であること
※ただし、一概に自己資本比率が高ければいいというわけではなく、有利子負債が多いとダメでもなく、業態や企業の成長フェーズによって個別に評価する必要がある、と考えています。)

★キャッシュ創出力
【主な指標】
営業CFがプラスか、営業CF>営業利益か

【優秀と認定する目安】
営業CFがプラスであること
営業CF>営業利益であること

■決算発表内容分析

それでは、上記のものさしに沿って、実際に決算発表内容を分析していきます。

●成長性のチェック

売上高は前年同期比+3.9%でした。
営業利益は同▲33.3%でした。
純利益は同▲34.2%でした。

9カ月の累計でみると売上高は前年同期比+2.7%、営業利益は同+2.2%、純利益は同+4.1%でしたので、累計と比べるとこのQ3の成長性が弱いように見えます。

11/24のテレビ東京『モーニングサテライト』では、「急激な物価上昇の中、低価格商品を求める客の需要を取り込み増収となったものの、輸送費高騰の影響等で純利益は1年前から3割を超えて減少した。輸送費高騰を受けて、2022年4月末までにアメリカの全ての店舗でほとんどの商品を1ドルから1ドル25セントに値上げするとしている。」と紹介されていました。

最近話題になっている原油高の影響が企業業績にもでていますね。
日本やアメリカ、中国が協調しての石油備蓄放出のニュースもありましたが、今後も原油価格が高止まりするようだと、様々な会社の業績への悪影響が続いていきそうですね。
値上げの発表がありましたので、来期は売上・利益とも改善するかもしれませんが、Q4は厳しい内容になりそうですね。次の決算発表の内容を注目していきたいと思います。

●収益性のチェック

売上高営業利益率は4.8%、売上高純利益率は3.4%、ROEは16.1%でした。

利益率は目安としている指標を下回りました。
過去2年の利益率を見ると、売上高営業利益率は5.3%、7.4%、売上高純利益は3.5%、5.3%ですので、収益性は例年さほど高くありません。
ROEは年換算で16.1%と指標を上回りました。

●安全性のチェック

自己資本比率は33.9%でした。
保有している現金は701有利子負債は3,231でした。

有利子負債が大きく上回っています。
前期末から有利子負債はほぼ変わらないのに対し、現金は1,117から701へと減少しているのも気になるところです。

●キャッシュ創出力のチェック

営業CFは+1,019と、キャッシュインとなりました。
営業利益311を超えてのキャッシュインとなりました。

■業績予想に対する進捗度

SBI証券お客様サイト内の財務詳細情報に記載されている今期業績予想に対する進捗度をチェックします。
業績予想に対する進捗度は、年間の業績予想が妥当なものかを考える上で大切な指標です。
もし進捗度が高い場合は、業績予想の上方修正が発表される可能性もあります。
Q1は25%、Q2は50%、Q3は75%、Q4は100%を超えている場合を優秀と定義して、チェックしていきます。
もちろん企業によって季節波動がありますので、単純に数値だけをみるのではなく、前年度の四半期進捗を参考にするのも大事ですね。

売上高の進捗度は73.3%でした。純利益の進捗度は68.4%でした。
(営業利益は予想がないため割愛します。)
いずれもQ3の目安の75%には届きませんでした。

■来期の業績予想から見る将来成長性

SBI証券お客様サイト内の財務詳細情報より、来期の業績予想をチェックします。
今期の会社発表の業績予想を起点に、来期の成長性を見ていきます。

※SBI証券お客様サイトより、同社の業績予想を抜粋

来期の売上高成長率は+4.9%、純利益成長率は+12.1%と予想されています。
(営業利益は業績予想がないため割愛します。)

増収増益予想となりました。
このQ3決算は輸送費高騰の影響等で純利益が圧迫されましたが、この影響がどこまで続くのか。
2022年4月末までに実施する値上げによって売上高がどこまで影響を受けるか。
このあたりがどうなるのか、来期の決算発表に注目です。

■株価水準とチャートの動き

11/26(金)の終値は141ドルです。PERは26倍です。

※SBI証券お客様サイトより、同社の株価情報を抜粋

過去5年の株価の動き(週足)は以下の通りです。

※SBI証券お客様サイトより、同社の株価チャートを抜粋

過去5年、120ドルに3回チャレンジして跳ね返されていましたが、直近で120ドルの壁を突破しました。
株価も今後は新しいステージへ、という動きですね。

■私の投資戦略

以上の分析内容を簡単に表に整理すると、以下のようになります。

増収減益のQ3決算でした。
減益の要因となった輸送費高騰の影響等が今後いつまで続くのか、また2022年4月末までに実施する値上げによって売上高をどこまで増やしていけるのか。
収益性は決して高くないため、売上高を伸ばしていけないと今後の成長は厳しくなります。
来期は増収増益の予想になっていますが、不確定な要素も多いように思えますので、今後の決算発表に注目です。

今後長期的に成長していける銘柄なのか、それだけの魅力のある事業なのか、まだ自分の中で確信がないため、しばらくは様子見しようと思いますが、目先のネガティブ要因によって株価が大きく下がることがあれば、少額でしかけていくのもありかなと思っています。
目安は100ドルあたりで考えています。
ここまで下がれば、PERも16倍台とだいぶ割安になりますので、企業研究をしながらじっくり眺めていきたいと思います。
以上が私の戦略です。

■まとめ

長くなりましたが、お読み頂きありがとうございました!

私はだいたい25銘柄程度の注目銘柄を決めて、上記のような観点で継続的に観察を続けています。
そして5年で株価2倍が期待できる銘柄を、いいタイミングで買うことを目指して日々観察をしています。
上記の銘柄を推奨するわけではありませんが、銘柄選択の視点や考え方など、読者の皆さんの参考になったのであれば嬉しいです。

毎年資産+10%達成を目指して、引き続き頑張ります!

ということで、本日は以上です!
お読み頂きありがとうございました!

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