【バリューコマース】22/1/31決算発表内容と私の投資戦略

決算分析

皆さんこんにちは。
個別株投資で毎年資産+10%を目指すサラリーマン投資家、かたつむり君です。
通勤時間や平日の夜、週末の時間を使って、売買候補となる銘柄の研究を行っています。
日々様々な情報が飛び交いますが、年に4回(四半期に1回)行われる決算発表は、企業の業績・状態を把握し、今後の投資戦略を考える上で特に重要な情報です。

この記事では、私が保有中 or 気になっている銘柄の決算発表内容をチェックし、今後の投資戦略について私なりの視点で書いていきます。

記載している銘柄を推奨しているわけではありませんが、私の視点や考え方が読者の皆さんの参考になれば嬉しいです。

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■本日のチェック銘柄

今日チェックするのはアフィリエイト広告事業を展開するバリューコマース(証券コード:2491)です。
東証一部上場で、決算期は12月です。
4月からの新市場区分では「プライム市場」に区分されます。
直近の四季報より数値を抜粋すると、時価総額は1,218億円、従業員数は連結で380名です。
同社が掲げるスローガンは「ともに拓く」、ビジョンは「情報を正しく効率的につなぐことで、”日本を代表するパフォーマンスマーケティングカンパニーになる”」です。
以前から財務が良好な会社だと思っていたのですが「アフィリエイト」というビジネスが理解できず、敬遠していました。
自分自身がブログを始めたことで「アフィリエイト」について理解ができるようになりましたので、改めて業績や財務状態をチェックしていきます。

なお、現在私はバリューコマースの株を保有していません。

■決算発表内容の概要

2022/1/31(月)に発表した2021年12月期第4四半期決算の主な内容は以下の通りです。

【主な決算発表内容】(単位:百万円)
売上高  : 33,560(前年同期: 29,171 前年同期比:+15.0%)
営業利益 :   7,905(前年同期:   6,218 前年同期比:+27.1%)
純利益  :   3,260(前年同期:   4,268 前年同期比:▲23.6%)
資産合計 : 23,936(前期末:22,474)
自己資本 : 16,562(前期末:14,670)
現金   : 15,498(前期末:11,422)
有利子負債:          0(前期末:         0)
営業CF  : +5,397(前年同期:+5,894)
投資CF  :      +34(前年同期:▲1,206)
財務CF  : ▲1,355(前年同期:▲1,128)

■決算発表内容分析のものさし

決算発表内容について、私は主に①成長性、②収益性、③安全性、④キャッシュ創出力、の4つの観点からチェックをしています。

それぞれの観点について、主な指標とその計算方法、優秀と認定する目安は以下の通りです。
優秀と認定する目安をクリアした項目が多い銘柄ほど、買いたい銘柄、保有し続けたい銘柄ということになります。

★成長性
【主な指標】
増収率、増益率(営業利益・純利益)

【計算方法】
増収率(%)=(今期の売上÷前期の売上-1)×100
増益率(%)=(今期の利益÷前期の利益-1)×100

【優秀と認定する目安】
増収率、増益率ともに+10%以上

★収益性
【主な指標】
売上高営業利益率、売上高純利益率、ROE(自己資本利益率)

【計算方法】
売上高営業利益率(%)=営業利益÷売上高×100
売上高純利益率(%) =純利益 ÷売上高×100
ROE(%)      =純利益÷自己資本×100
※四半期決算時は純利益を年換算し算定

【優秀と認定する目安】
売上高営業利益率:15%以上
売上高純利益率 :10%以上
ROE      :15%以上

★安全性
【主な指標】
自己資本比率、現金>有利子負債か

【計算方法】
自己資本比率(%)=自己資本÷資産合計×100

【優秀と認定する目安】
自己資本比率:30%以上80%以内
現金>有利子負債であること
※ただし、一概に自己資本比率が高ければいいというわけではなく、有利子負債が多いとダメでもなく、業態や企業の成長フェーズによって個別に評価する必要がある、と考えています。)

★キャッシュ創出力
【主な指標】
営業CFがプラスか、営業CF>営業利益か

【優秀と認定する目安】
営業CFがプラスであること
営業CF>営業利益であること

■決算発表内容分析

それでは、上記のものさしに沿って、実際に決算発表内容を分析していきます。

●成長性のチェック

売上高は前年同期比+15.0%でした。
営業利益は同+27.1%でした。
純利益は同▲23.6%でした。

売上高・営業利益は指標の+10%を越えました。
純利益は減益でしたが、これは宿泊施設を顧客とする子会社・ダイナテックに関する資産を減損したことによるもので(減損損失:▲2,406)、この減損がなければなければ増収増益でした。

過去10年間の売上高・営業利益・純利益・EPSの推移は以下の通りです。

売上高は2018年12月期から4期連続の増収、しかも+10%を越えての増収が続いています。
(直近4年の増収率:+22.9%→23.7%→13.5%→15.0%)
営業利益は2017年12月期から5期連続の増益、しかも+25%を越えての増益が続いています。
(直近5年の増益率:+141.1%→68.9%→32.3%→25.2%→27.1%)
今期の純利益こそ減益となりましたが、全体的に成長が継続しています。

なお、同社の事業セグメントは「マーケティングソリューションズ事業」と「ECソリューションズ事業」の2つにわかれます。
「マーケティングソリューションズ事業」の主要サービスはアフィリエイトです。
「ECソリューションズ事業」の主要サービスは「ストアマッチ」と「STORE’s R∞」です。
セグメント売上高構成比、セグメント利益構成比は以下の通りです。
売上高はだいたい半々ですが、利益は「マーケティングソリューションズ事業」の方が大きく、利益率が高いことがわかります。


なお、売上高の前年比はマーケティングソリューションズ事業が+5.6%、ECソリューションズ事業が+25.5%となっています。

●収益性のチェック

売上高営業利益率は23.6%、売上高純利益率は9.7%でした。
売上高純利益率はわずかに指標に届きませんでしたが、利益率は優秀な水準です。
なお、過去10年間の利益率の推移は以下の通りです。
売上高営業利益率:9.5%、11.2%、11.3%、9.1%、5.3%、13.2%、18.1%、19.3%、21.3%、23.6%
売上高純利益率 :6.6%、8.0%、7.2%、6.2%、2.0%、6.0%、12.5%、13.0%、14.6%、9.7%
利益率をグラフにすると以下の通りです。
営業利益率は上昇が続いています。

ROEは19.7%でした。
指標としている15%を上回りました。

●安全性のチェック

自己資本比率は69.2%でした。
現金15,498に対し、有利子負債は0、無借金経営です。
財務の安全性は問題ありません。

●キャッシュ創出力のチェック

営業CFは+5,397と、キャッシュインとなりました。
営業利益7,905は下回りました。

■業績予想(会社発表)に対する進捗度

会社が発表した業績予想に対する進捗度は、年間の業績予想が妥当なものかを考える上で大切な指標です。
もし進捗度が高い場合は、業績予想の上方修正が発表される可能性もあります。
Q1は25%、Q2は50%、Q3は75%、Q4は100%を超えている場合を優秀と定義して、チェックしていきます。
もちろん企業によって季節波動がありますので、単純に数値だけをみるのではなく、前年度の四半期進捗を参考にするのも大事ですね。

通期予想に対する達成度は、売上高:102.6%、営業利益:106.8%、純利益:108.7%と、業績予想を上回って着地しました。

■来期の業績予想(会社四季報情報)から見る将来成長性

会社四季報では、過去の業績に加えて、今期の業績予想、来期の業績予想が記載されています。
会社四季報の記者が会社に取材をし、分析した結果掲載されている予想値です。
会社が発表している業績予想と一致する場合もあれば、ずれることもあります。
このずれがある時は、注意が必要です。

※SBI証券お客様サイトより、同社の会社四季報情報を抜粋

来期の売上高成長率は+10.3%、営業利益成長率は+10.1%、純利益成長率は+84.0%と予想されています。

■株価水準とチャートの動き

3/28(月)の終値は3,545円。PERは19倍です。
過去5年間の株価の動き(週足)は以下の通りです。

※SBI証券お客様サイトより、同社の株価チャートを抜粋

過去5年間、株価は概ね右肩上がりで推移しています。
5年前の2017年3月末の株価は433円でしたので、現在の株価は当時から8倍以上上昇しています。

■私の投資戦略

以上の分析内容を簡単に表に整理すると、以下のようになります。

今期は子会社に関わる資産の減損損失計上によって純利益は減益となりましたが、売上高・営業利益の成長性、利益率の高さ、有利子負債のない無借金経営、安定した営業CF、とてもいい銘柄だと感じています。

同社の不安要素の一つは、ヤフー依存度の高さです。
同社株式の48.7%をZホールディングス中間株式会社が保有しており、販売面・仕入面でもヤフーに大きく依存しています。
ヤフー以外への展開、ヤフー依存のリスク軽減は同社も課題として認識しているようで、現在約7割を占めるヤフー向けの営業利益の比率を、将来的には50%に持っていく方針を掲げています。

※同社の決算説明資料より抜粋

これからの時代は、副業がますます増える時代でもあり、個人が商品の魅力を伝え販売することがますます増える時代になっていくと予想されますので、同社の成長は期待できると感じています。

PERも19倍と手を出してもいいと思える水準です。
ネックは取得単価で、現在の株価で買うとおよそ35万円、私の投資資産の6~7%ほどになります。
買付金額を投資資産の5%以内に抑えたいという気持ちがあり、そこがネックです。
★規律ある長期投資家を目指して★個別株投資8つのマイルール

5%はやや超えますが、もし3,000円まで下がれば(現在の株価▲15%)、買うのもありかなと思いますので、そこまで下がるまではじっくり観察したいと思います。
下がらない気もしますが、それならそれで縁がなかったということで仕方ないかなと思います。

以上が私の戦略です。

■まとめ

私はだいたい25銘柄程度の注目銘柄を決めて、決算発表内容と会社四季報を見比べながら、上記のような観点で継続的に観察しています。
そして5年で株価2倍が期待できる銘柄を、いいタイミングで買うことを目指しています。
上記の銘柄を推奨するわけではありませんが、銘柄選択の視点や考え方など、読者の皆さんの参考になれば嬉しいです。

毎年資産+10%達成を目指して、引き続き頑張ります!
ということで、本日は以上です!
お読み頂きありがとうございました!

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