皆さんこんにちは。
個別株投資で毎年資産+10%を目指すサラリーマン投資家、かたつむり君です。
(TWITTER:@posikatatsumuri)
通勤時間や平日の夜、週末の時間を使って、売買候補となる銘柄の研究を行っています。
日々様々な情報が飛び交いますが、年に4回(四半期に1回)行われる決算発表は、企業の業績・状態を把握し、今後の投資戦略を考える上で特に重要な情報です。
この記事では、私が保有中 or 気になっている銘柄の決算発表内容をチェックし、今後の投資戦略について私なりの視点で書いていきます。
記載している銘柄を推奨しているわけではありませんが、私の視点や考え方が読者の皆さんの参考になれば嬉しいです。
■本日のチェック銘柄
今日チェックするのはビジネスチャット事業を展開するChatwork(証券コード:4448)です。
東証グロース市場上場で、決算期は12月です。
直近の四季報より数値を抜粋すると、時価総額は153億円、従業員数は連結で267名です。
同社のコーポレートミッションは「働くをもっと楽しく、創造的に」です。
私がこの会社に注目している理由は、ビジネスチャットはビジネスにおけるインフラとしてなくてはならない存在になり得ると考えているからです。
現在私はChatworkの株を300株保有しています。
■決算発表内容の概要
2022/8/12(金)に発表した2022年12月期第2四半期決算の主な内容は以下の通りです。
なお、前期Q3より連結決算を採用しているため会社発表では前年同期の記載はありませんが、以下では単純に前期数値との増減比を記載しています。
■決算発表内容分析のものさし
決算発表内容について、私は主に①成長性、②収益性、③安全性、④キャッシュ創出力、の4つの観点からチェックをしています。
それぞれの観点について、主な指標とその計算方法、優秀と認定する目安は以下の通りです。
優秀と認定する目安をクリアした項目が多い銘柄ほど、買いたい銘柄、保有し続けたい銘柄ということになります。
★成長性
【主な指標】
増収率、増益率(営業利益・純利益)
【計算方法】
増収率(%)=(今期の売上÷前期の売上-1)×100
増益率(%)=(今期の利益÷前期の利益-1)×100
【優秀と認定する目安】
増収率、増益率ともに+10%以上
★収益性
【主な指標】
売上高営業利益率、売上高純利益率、ROE(自己資本利益率)
【計算方法】
売上高営業利益率(%)=営業利益÷売上高×100
売上高純利益率(%) =純利益 ÷売上高×100
ROE(%) =純利益÷自己資本×100
※四半期決算時は純利益を年換算し算定
【優秀と認定する目安】
売上高営業利益率:15%以上
売上高純利益率 :10%以上
ROE :15%以上
★安全性
【主な指標】
自己資本比率、現金>有利子負債か
【計算方法】
自己資本比率(%)=自己資本÷資産合計×100
【優秀と認定する目安】
自己資本比率:30%以上80%以内
現金>有利子負債であること
※ただし、一概に自己資本比率が高ければいいというわけではなく、有利子負債が多いとダメでもなく、業態や企業の成長フェーズによって個別に評価する必要がある、と考えています。)
★キャッシュ創出力
【主な指標】
営業CFがプラスか、営業CF>営業利益か
【優秀と認定する目安】
営業CFがプラスであること
営業CF>営業利益であること
■決算発表内容分析
それでは、上記のものさしに沿って、実際に決算発表内容を分析していきます。
●成長性のチェック
売上高は前年同期比+51.1%でした。
営業利益は前期▲120百万円から今期▲248百万円と、赤字幅が拡大しました。
純利益は前期▲121百万円から今期▲229百万円と、赤字幅が拡大しました。
主力であるChatworkセグメント売上高はQ2四半期では+53.7%、Q2累計では+55.7%と、KPIとして掲げているCAGR40%を上回っての成長となりました。
Chatworkセグメント売上高の構成要素である登録ID数も前年同期比+18.0%、1日当たりのサービス利用者(Daily Active User:DAU)は同+10.2%でした。
●収益性のチェック
営業利益、純利益ともに赤字のため、収益性のチェックは割愛します。
●安全性のチェック
自己資本比率は61.0%でした。
現金3,226百万円に対し、有利子負債は408百万円と、現金が有利子負債を上回りました。
過去4年(2018年12月期~2021年12月期)と今期Q2の貸借対照表の推移は以下の通りです。
2021年12月期に貸借対照表の規模が大きくなっています。
これは2021年Q3からクラウドストレージ事業が連結対象となったこと、2021年12月に20億円の増資を実施したことによるものです。
●キャッシュ創出力のチェック
営業CFは+35百万円と、キャッシュインとなりました。
キャッシュフローの概要を図にすると以下の通りです。
■業績予想(会社発表)に対する進捗度
同社ではこれまで今期業績予想を発表していませんでしたが、今回の決算発表にて通期業績予想が開示されました。
売上高の進捗度は47.2%~48.3%でした。
営業利益は通期予想▲1,086百万円から▲944百万円に対し、▲248百万円でした。
純利益は通期予想▲1,047百万円から▲905百万円に対し、▲229百万円でした。
■来期の業績予想(会社四季報情報)から見る将来成長性
会社四季報から、来期の業績予想を見ていきます。
今期の業績予想から、来期の四季報業績予想への成長性を見ていきます。
売上高は+42.4%~+45.6%、営業利益・純利益は来期も赤字ではあるものの、赤字幅はおよそ半減すると予想されています。
■株価水準とチャートの動き
8/26(金)の終値は403円。純利益が赤字のためPER情報はありません。
上場来の株価の動き(週足)は以下の通りです。
2019年9月の上場後半年もしないタイミングでコロナショックに直面し、上場来安値の645円まで下落しました。
その後テレワークの普及期待などから同社のビジネスへの期待も高まり、上場来高値の2,624まで上がりました。
最安値から4倍の水準です。
しかし、その後株価は大きく調整し、現在の株価は最高値から▲85%の水準です。
■私の投資戦略
以上の分析内容を簡単に表に整理すると、以下のようになります。
売上高は+51.1%と大幅増収、営業利益・純利益は赤字幅拡大、という決算でした。
中期経営計画でも2024年までは投資フェーズと掲げていますので、営業利益・純利益の赤字は織り込み済みです。
投資を優先するため営業利益・純利益の赤字は来期以降も続くと思いますが、中途半端に黒字にするのではなく、売上高の伸び、特にChatworkセグメントの拡大にフォーカスして経営されるようであれば、将来の大きな成長が期待できると考えていますので、今後の業績推移をじっくり見守りたいです。
ビジネスチャットの国内普及率は17.9%と、まだまだ開拓余地があります。
コロナ禍やDX推進の流れは間違いなく追い風です。
社員間のコミュニケーションに課題を感じる会社はますます増えていくと思いますので、今後の成長を期待しています。
今年に入ってから、2月、3月、5月と100株ずつ買付し、現在300株保有しています。
第2次買付は第1次買付から▲28%下落時、第3次買付は第2次買付から▲22%下落時と、マイルールを守りながら少しずつ買い増ししてきました。
参考:★規律ある長期投資家を目指して★個別株投資8つのマイルール
・【Chatworkを新規買付!】今週の株式投資ポートフォリオ振り返り#220218
・【ビヨンドミート・Chatworkを追加買付!】今週の株式投資ポートフォリオ振り返り#220311
・【Chatworkを追加買付!】今週の株式投資ポートフォリオ振り返り#220527
2024年までは投資フェーズですので、今後も赤字が続けばさらに株価が下落するかもしれません。
次の買付のターゲットは300円です。
将来の成長性を感じていますので、短期的な株価に一喜一憂せず、安くなればチャンスととらえて狙っていきたいです。
一方で、やみくもに追加買付を続けるのは危険ですので、取得原価に占める同社の比率を5%程度以内に抑えるように意識しながら、判断をしていきたいと思います。
これが私の戦略です。
■おわりに
私はだいたい25銘柄程度の注目銘柄を決めて、決算発表内容と会社四季報を見比べながら、上記のような観点で継続的に観察しています。
そして5年で株価2倍が期待できる銘柄を、いいタイミングで買うことを目指しています。
上記の銘柄を推奨するわけではありませんが、銘柄選択の視点や考え方など、読者の皆さんの参考になれば嬉しいです。
毎年資産+10%達成を目指して、引き続き頑張ります!
ということで、本日は以上です!
お読み頂きありがとうございました!
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■参考:同社に関する過去の記事
・【Chatwork】22/5/13決算発表内容と私の投資戦略
※22/5/13(金)に発表した2022年12月期第1四半期決算についての記事です。
・【Chatwork】22/2/10決算発表内容と私の投資戦略
※22/2/10(木)に発表した2021年12月期第4四半期決算についての記事です。
・【Chatwork】21/11/12決算発表内容と私の投資戦略
※21/11/12(金)に発表した2021年12月期第3四半期決算についての記事です。
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