直近の業績が好調なのか、不調なのか。
業績推移に安定感があるのか、ムラがあるのか。
利益率が高いのか、低いのか。
業績の推移を図解することで、様々なことが視覚的に読み取れます。
この記事では日本を代表する70銘柄を集めた「TOPIX Large 70」(トップ30を集めた「TOPIX Core 30」の次のカテゴリー)から、「不動産業」「建設業」業種の以下5銘柄の業績を図解します。
三井不動産≪8801≫、三菱地所≪8802≫
・建設業
住友不動産≪8830≫、大和ハウス工業≪1925≫、積水ハウス≪1928≫
本記事で図解する業績は以下の4点です。
・営業利益
・純利益
・EPS(一株純利益)
EPSは折れ線グラフ(右軸)にて、他の3つは棒グラフ(左軸)にて表現しています。
IFRS、日本基準、米国基準など、会計基準が会社によって異なるため、グラフの中の項目名が若干異なりますがご了承ください。
四季報記載のコメントも掲載します。
投資判断の一助になれば幸いです。
■三井不動産≪8801≫
三菱地所と並ぶ総合不動産の双璧。ビル賃貸主力。マンション分譲、非保有不動産事業を拡大
【最高益】ホテルやリゾートが好調。柱のビル賃貸も高稼働、八重洲など大型ビルが貢献。分譲はマンション着実。営業益続伸。固定資産等売却益で最高純益に弾みつく。25年3月期はビル賃貸、ホテルが高水準。 |
【サッカー】日本サッカー協会とパートナー契約締結。まずは東京ドーム活用し連携、スポーツ関連を強化。市況悪化する米国西海岸のオフィスビルはリーシングに注力。 |
■三菱地所≪8802≫
三菱グループの総合不動産。賃貸は東京・丸の内が基盤。大手町へ再開発展開中。海外にも特徴
【増 配】柱の賃貸はビル稼働棟数減り減退。収益物件売却も海外案件縮小、前期大型案件剥落。引き渡し増のマンションで補えず営業益反落。固定資産売却で純益増。25年3月期は収益物件売却が寄与し堅調。 |
【テーマパーク】横浜市の米軍通信施設跡地(敷地面積約70万平方m)で大型テーマパーク開発、31年開業目指す。シンガポール運用子会社は豪州で大型ファンド共同組成。 |
■住友不動産≪8830≫
総合不動産最大手級。東京中心にオフィスビル、マンション開発。住宅リフォームで独自の強み
【連続最高益】柱の賃貸は羽田複合施設が貢献し賃収拡大。粗利高水準のマンションも引き渡し3000戸程度と前期比3・9%増。連続営業増益。最高純益更新。25年3月期はオフィスビル稼働棟数増え堅調。 |
【インド】ムンバイ市で795億円投じ大型用地(約8万平方m)取得、複合開発目指す。ベンチャー企業対象の賃貸オフィスを展開、24年春までに東京、関西で9拠点開設。 |
■大和ハウス工業≪1925≫
賃貸住宅、商業施設、物流など事業施設の3本柱。戸建てや内外の都市開発も。配当性向35%超
【反 落】戸建ては国内低調も米国は底堅い。事業・商業施設売却が進捗、ホテル運営急回復。ただ年金債務数理差異(前期966億円)見込まず営業益反落。連続増配。25年3月期は米国戸建ての回復基調続く。 |
【事業拡大】米国で物流施設開発に参入。ヒューストンで25年3月竣工。物流需要大きい米国で収益源多様化進める。カリフォルニア州の戸建て住宅会社の事業譲受。 |
■積水ハウス≪1928≫
ハウスメーカーの雄。戸建てから賃貸住宅、マンション等に展開。国内外で不動産開発も
【連続増配】国内戸建て住宅販売は前半に資材高影響あるも、価格転嫁浸透し徐々に吸収。オフィスビル等の物件売却進捗。金利高の米国戸建ても復調兆し。最高純益更新。25年1月期は米国復調追い風に増益続く。 |
【拡 大】米国戸建て事業は展開済みの西部エリア強化と同時に、フロリダ州など南東部への進出検討。日本IBMと戦略提携、ITシステム開発運用体制を同社に集約。 |
■おわりに
直近の業績が好調なのか、不調なのか。
業績推移に安定感があるのか、ムラがあるのか。
利益率が高いのか、低いのか。
グラフから様々なことが視覚的に読み取れます。
投資対象として、興味が湧いた銘柄はありましたか?
私は注目している銘柄について、このグラフを定期的に更新し、株式投資のエントリー、利益確定の判断の参考にしています。
業績が下降トレンドなのに、株価が高いままであれば、売る準備をした方がいいかもしれません。
業績が上向き始めているにも関わらず、株価がさえないままであれば、仕込むのに良いタイミングなのかもしれません。
上記グラフの情報(売上高・営業利益・純利益・EPS)は、直近数年分であれば会社四季報から調べることができます。
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もっと長いスパンで調べたい方は、各社IRサイトの決算短信で調べることができます。
ぜひ活用してみて下さい。
投資判断においては、上記の業績の他にも、
・貸借対照表(BS)の状況
・キャッシュフローの状況
・配当などの株主還元方針
・ビジネスモデルの強さ
・競合他社の状況
・為替や金利などの外部環境
など、様々な要素が影響します。
少しずつ勉強を重ね、投資の精度を高めていきましょう。
本日もお読み頂きありがとうございました!
コメント
「三菱地所、三井不動産などの業績を図解【TOPIX Large 70⑨】」とても良く分かりました。ありがとうございます。
yoehiさん、いつも記事読んで頂きありがとうございます!三菱地所と三井不動産のEPSの右肩上がり感はとても魅力的に感じました。
気づきを投資に活かせるように今後もやっていきます!