直近の業績が好調なのか、不調なのか。
業績推移に安定感があるのか、ムラがあるのか。
利益率が高いのか、低いのか。
業績の推移を図解することで、様々なことが視覚的に読み取れます。
この記事では日本を代表する70銘柄を集めた「TOPIX Large 70」(トップ30を集めた「TOPIX Core 30」の次のカテゴリー)から、「輸送用機器」「ゴム製品」業種の以下6銘柄の業績を図解します。
デンソー≪6902≫、日産自動車≪7201≫、スズキ≪7269≫、SUBARU≪7270≫、シマノ≪7309≫
・ゴム製品
ブリヂストン≪5108≫
本記事で図解する業績は以下の4点です。
・営業利益
・純利益
・EPS(一株純利益)
EPSは折れ線グラフ(右軸)にて、他の3つは棒グラフ(左軸)にて表現しています。
IFRS、日本基準、米国基準など、会計基準が会社によって異なるため、グラフの中の項目名が若干異なりますがご了承ください。
四季報記載のコメントも掲載します。
投資判断の一助になれば幸いです。
■デンソー≪6902≫
自動車部品で国内最大、世界2位。トヨタ系。熱機器・エンジン・駆動系など広範囲。技術力に定評

【最高益】トヨタ車増産受け、電動化で需要増すパワトレや予防安全軸に数量増。操業度上昇、生産合理化が貢献。販価是正も寄与。原材料や燃料、労務費の負担増を重く見る会社計画は保守的。最高純益。増配。 |
【戦略商品】SiCパワー半導体を使ったインバーターを開発、EVの電力損失を大幅低減。半導体大手のUMC日本法人と組んで、電動車向けパワー半導体の量産開始。 |
■日産自動車≪7201≫
自動車大手。仏ルノー・三菱自と3社で企業連合。30年早期に主要市場の全新型車を電動車に

【続 伸】世界販売400万台(21%増)計画。半導体不足の緩和進み、国内と北米軸に台数増勢。車両の値上げで単価向上。金利上昇による販売金融減速でも増産効果で伸ばす。連続営業増益。特損減る。15円配。 |
【米 国】インフレ抑制法厳格化で『リーフ』が税控除の対象EVから除外へ。バッテリー部品の現地調達など対応進める。国内で4月に5車種対象に最大10%値上げ。 |
■スズキ≪7269≫
国内軽2強。2輪3位。インド4輪シェア4割弱占有。小型車開発に優位性。トヨタと資本提携

【小反落】4輪販売318万台(6%増)。インドはSUV新車種も寄与し続伸。国内復調続く。2輪堅調。が、充電設備設置加速や生産設備拡充で固定費膨張。研究開発費増も重い。円安一服も響き営業益小反落。 |
【EV台車開発】豪州のスタートアップと、自動運転可能なEV台車の共同開発で合意。交換式バッテリー用いる電動スクーターの実証実験を23年4月に東京で開始。 |
■SUBARU≪7270≫
水平対向エンジンや4駆車、安全技術に強み。米国比率高い。航空機も。トヨタが筆頭株主

【続 伸】世界販売101万台(18%増)前提。部材不足緩和での生産復調受け、柱の米国は12%増の66万台見込む。カナダや国内の増販も寄与。円安効果の一服や原燃料高止まり、販売奨励金増かわし連続増益。 |
【EV拡充】26年までにEV4車種の展開計画、26年に20万台販売目標。25年に稼働する矢島工場EV生産ラインの年産能力を従来予定の10万台から20万台に引き上げ。 |
■シマノ≪7309≫
速機、ブレーキ部品などの自転車部品で世界首位。釣り具も展開。海外生産、販売比率高い

【減 額】釣り具出足堅調。が、主力の自転車部品はコロナ特需一巡後に欧州インフレ進行痛打、完成車メーカーの在庫調整が下期想定以上。原材料費、燃料費、人件費上昇が負担。5月に自転車部品の値上げ実施しても前号比営業減益幅拡大。連続増配。 |
【株主還元】24年3月末まで70万株、175億円上限に自己株取得。体感什器設置店増やし電動変速『Di2』の認知度向上。 |
■ブリヂストン≪5108≫
タイヤで世界首位。米ファイアストン買収など世界展開。タイヤ管理などサービス型事業を加速

【快 走】自動車生産回復し、新車用が国内外で本数増。市販用は大口径タイヤが増勢。鉱山用、建設用とも堅調。高付加価値品の販売比率高まる。北米軸に値上げ浸透。原材料高や加工費増こなし営業増益。 |
【再エネ】国内10工場を100%再エネ電力に切り替え完了。サステナビリティ領域の共同研究に向け、九州大学と本格連携開始。国内市販の冬用タイヤは7月値上げ。 |
■おわりに
直近の業績が好調なのか、不調なのか。
業績推移に安定感があるのか、ムラがあるのか。
利益率が高いのか、低いのか。
グラフから様々なことが視覚的に読み取れます。

投資対象として、興味が湧いた銘柄はありましたか?
私は注目している銘柄について、このグラフを定期的に更新し、株式投資のエントリー、利益確定の判断の参考にしています。
業績が下降トレンドなのに、株価が高いままであれば、売る準備をした方がいいかもしれません。
業績が上向き始めているにも関わらず、株価がさえないままであれば、仕込むのに良いタイミングなのかもしれません。
上記グラフの情報(売上高・営業利益・純利益・EPS)は、直近数年分であれば会社四季報から調べることができます。
もっと長いスパンで調べたい方は、各社IRサイトの決算短信で調べることができます。
ぜひ活用してみて下さい。
投資判断においては、上記の業績の他にも、
・貸借対照表(BS)の状況
・キャッシュフローの状況
・配当などの株主還元方針
・ビジネスモデルの強さ
・競合他社の状況
・為替や金利などの外部環境
など、様々な要素が影響します。
少しずつ勉強を重ね、投資の精度を高めていきましょう。
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本日もお読み頂きありがとうございました!
コメント
スズキ、ブリヂストンなどの業績を図解して頂き、ありがとうございます。良く分かりました。
yoehiさん、記事読んで頂きありがとうございました!これからも色んな会社の業績を図解していこうと思います。よろしくお願いします!