直近の業績が好調なのか、不調なのか。
業績推移に安定感があるのか、ムラがあるのか。
利益率が高いのか、低いのか。
業績の推移を図解することで、様々なことが視覚的に読み取れます。
この記事では日本を代表する70銘柄を集めた「TOPIX Large 70」(トップ30を集めた「TOPIX Core 30」の次のカテゴリー)から、「サービス業」「情報・通信業」「その他製品」業種の以下6銘柄の業績を図解します。
エムスリー≪2413≫、オリエンタルランド≪4661≫、日本郵政≪6178≫、セコム≪9735≫
・情報・通信業
Zホールディングス≪4689≫
・その他製品
バンダイナムコホールディングス≪7832≫
本記事で図解する業績は以下の4点です。
・営業利益/経常利益
・純利益
・EPS(一株純利益)
EPSは折れ線グラフ(右軸)にて、他の3つは棒グラフ(左軸)にて表現しています。
IFRS、日本基準、米国基準など、会計基準が会社によって異なるため、グラフの中の項目名が若干異なりますがご了承ください。
四季報記載のコメントも掲載します。
投資判断の一助になれば幸いです。
■エムスリー≪2413≫
ソニーG関連会社。医療従事者向け情報サイトで製薬会社の情報提供支援。治験等周辺分野開拓

【反転増】コロナ関連の治験やワクチン接種支援の剥落が前半響く。ただ主力の製薬マーケ支援は着実増、外資系製薬企業のリストラ影響も徐々に薄まる。海外も買収子会社等寄与し拡大。営業益小反発。増配も。 |
【IPO】医療機関の経営支援等行う子会社シーユーシーが6月21日上場へ、株式の過半を継続保有方針。フランスとカナダで市場調査や論文校正を手がける企業買収。 |
■オリエンタルランド≪4661≫
入園者数世界有数の東京ディズニーランド・シー運営。ホテル、商業施設含めたリゾートを展開

【続 伸】柱のテーマパークは、周年イベント寄与し、前半から客足が好調。客単価は周年記念商品効果とチケット単価上昇で高水準。人件費や修繕費用増をこなし、営業大幅増益。会社計画やや保守的。増配。 |
【周年イベント】JALと連携した特別塗装機の運航やテレビCM投下などでディズニーランド40周年の認知拡大。インバウンド客取り込みなどで平日来場客増加狙う。 |
■日本郵政≪6178≫
日本郵政グループの持株会社。主要子会社に日本郵便、ゆうちょ銀、かんぽ生命。銀行に利益依存

【連続減益】銀行はファンド収益順調。生保はコロナ払い一巡し上向く。ゆうパックは数量反転増、後半値上げも効く。ただ郵便数量減少。人件費・委託費増も負担。経常益続落。ゆうちょ銀株の前期3割弱放出影響し非支配株主控除大幅増。純益急減。 |
【賃上げ】若年層に手厚く実施。月平均ベア4800円は07年の民営化後で最大。3・46億株、3000億円上限に自己株取得。 |
■セコム≪9735≫
警備業首位。センサー付きシステム警備(機械警備)が中心。防災、医療、損保へ展開。海外強化

【続 落】防災は工事採算が改善、BPOはデータセンター好調のうえ電力代一服が効く。だが主力のセキュリティで法人、家庭向けとも契約件数が伸びるが人件費やシステム費が増えて営業益続落。連続増配。 |
【出 資】映像監視と入退室管理を手がける米2社に第三者割当増資で260億円出資。丸紅と共同でアルテリア・ネットワークスに8月メドTOB、33%分を保有へ。 |
■Zホールディングス≪4689≫
ネットサービス国内先駆。広告やECが柱。金融育成中。傘下にヤフー、LINE、ZOZOなど

【反動減】柱の広告は市況悪く横ばい圏。ECはZOZO軸に快走。コスト削減徹底。が、前下期から連結のペイペイに絡む多額の評価益剥落、今期は同社本業の赤字が重し。営業益反動減。純益減でも配当は維持。 |
【連 携】23年10月の当社とヤフー、LINE合併と同時にヤフーとLINEのID連携へ。ペイペイとの連携は24年度中をメド。LINEBANKは開発断念し撤退。 |
■バンダイナムコホールディングス≪7832≫
バンダイとナムコが経営統合。玩具首位級。ゲーム、娯楽施設、映像ソフト等総合エンタメ企業

【好 転】ゲームは『アーマードコア』新作など好調。旧作も貢献。前期減益要因の開発品評価損なくなる。玩具は『ガンプラ』など大人層向けが好調。原価高騰や広告宣伝費増こなし営業益上向く。為替差益見込まず。 |
【中 国】アーケードゲーム『太鼓の達人』を中国で展開、23年秋の稼働開始目指す。新作オンラインゲーム『BLUE PROTOCOL』は6月からサービス開始。 |
■おわりに
直近の業績が好調なのか、不調なのか。
業績推移に安定感があるのか、ムラがあるのか。
利益率が高いのか、低いのか。
グラフから様々なことが視覚的に読み取れます。

投資対象として、興味が湧いた銘柄はありましたか?
私は注目している銘柄について、このグラフを定期的に更新し、株式投資のエントリー、利益確定の判断の参考にしています。
業績が下降トレンドなのに、株価が高いままであれば、売る準備をした方がいいかもしれません。
業績が上向き始めているにも関わらず、株価がさえないままであれば、仕込むのに良いタイミングなのかもしれません。
上記グラフの情報(売上高・営業利益・純利益・EPS)は、直近数年分であれば会社四季報から調べることができます。
もっと長いスパンで調べたい方は、各社IRサイトの決算短信で調べることができます。
ぜひ活用してみて下さい。
投資判断においては、上記の業績の他にも、
・貸借対照表(BS)の状況
・キャッシュフローの状況
・配当などの株主還元方針
・ビジネスモデルの強さ
・競合他社の状況
・為替や金利などの外部環境
など、様々な要素が影響します。
少しずつ勉強を重ね、投資の精度を高めていきましょう。
株式投資について外部のスクールで体系的に学びたい方、リアルな投資仲間を作りたい方は、ファイナンシャル・アカデミーの株式投資スクールもオススメです。
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本日もお読み頂きありがとうございました!
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