オリックス、第一生命などの業績を図解【TOPIX Large 70⑧】

業績図解・四季報記事

直近の業績が好調なのか、不調なのか。

業績推移に安定感があるのか、ムラがあるのか。

利益率が高いのか、低いのか。

業績の推移を図解することで、様々なことが視覚的に読み取れます。

この記事では日本を代表する70銘柄を集めた「TOPIX Large 70」(トップ30を集めた「TOPIX Core 30」の次のカテゴリー)から、「銀行業」「証券、商品先物取引業」「保険業」「その他金融業」業種の以下8銘柄の業績を図解します。

・銀行業
りそなホールディングス≪8308≫、三井住友トラスト・ホールディングス≪8309≫
・証券、商品先元取引業
野村ホールディングス≪8604≫
・保険業
SOMPOホールディングス≪8630≫、MS&ADインシュアランスグループホールディングス≪8725≫、第一生命ホールディングス≪8750≫
・その他金融業
オリックス≪8591≫、日本取引所グループ≪8697≫

本記事で図解する業績は以下の4点です。

売上高/売上収益/経常収益/営業収益
営業利益/経常利益
純利益
EPS(一株純利益)

EPSは折れ線グラフ(右軸)にて、他の3つは棒グラフ(左軸)にて表現しています。

IFRS、日本基準、米国基準など、会計基準が会社によって異なるため、グラフの中の項目名が若干異なりますがご了承ください。

四季報記載のコメントも掲載します。

投資判断の一助になれば幸いです。

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■りそなホールディングス≪8308≫

旧大和・あさひ。傘下にりそな、埼玉りそな、関西みらい、みなとの4行。グループ連携を加速

【一 服】外債実現損は一巡。貸出金は利回り低迷でも残高漸増。法人・個人とも役務手数料堅調。が、人件費やデジタル投資重い。株売却益一服。与信費用かさみ経常減益。増配。25年3月期は買収2社上乗せ。
【グループ経営】2割出資のリース会社2社を子会社化、M&A通じ収益力向上。中間持株会社の関西みらいFGを24年4月吸収合併、意思決定迅速化や間接部門一本化。

■三井住友トラスト・ホールディングス≪8309≫

傘下に三井住友信託銀行。銀行、資産運用・管理、不動産など手がける。信託財産残高首位

【大幅減額】柱の資産運用は信託報酬や管理手数料漸増。が、株高でベア投信の実現損が想定超。不動産や組合出資益も軟調。前号比で経常益大幅減額。連続増配。25年3月期はベア投信関連損失消え、急反発。
【政策保有株】縮減ペースを加速、24年3月期は前期を上回る簿価約500億円超を売却見込み。国内の再エネや公共施設などに投資するインフラファンドを組成。

■野村ホールディングス≪8604≫

証券国内最大手。異業種提携に意欲。個人向け営業重点強化。未上場株など非伝統商品も開拓

【好 転】市場部門は債券、株式ともに順調で費用抑制も徐々に効く。投資銀行や資産運用も底堅い。営業部門が富裕層向け人員増強効き大幅改善。税前益好転。25年3月期は市況悪化ない前提で営業部門好調。
【富裕層】特定投資家向け銘柄制度活用した私募ファンド取り扱い開始。富裕層向けラインナップ拡充へ。森林ファンドや気候変動のソリューション企業への出資拡大。

■SOMPOホールディングス≪8630≫

3メガ損保の一角。国内生保、海外損保の拡大推進。介護・ヘルスケアも収益の柱へと強化中

【最高益更新】火災保険料の引き上げで収支が改善。海外は有価証券運用が好調で利益に寄与。コロナ禍の収束で補償コストも縮小する。自然災害が平年並みであれば最高純益。25年3月期は利益柱の自動車保険で収支改善。連続最高純益。連続増配。
【行政処分】ビッグモーター不正問題と保険料カルテル問題めぐる行政処分の動向が焦点。24年春までに新たな中計を策定。

■MS&ADインシュアランスグループホールディングス≪8725≫

損保首位級。傘下に三井住友海上、あいおいニッセイ同和。生保育成、アジア軸に欧米も拡大

【連続増配】火災保険は料率改定で収支が改善。海外は欧州などで収益が大幅に拡大する。有価証券売却益の拡大も寄与。自然災害発生が平年並みを前提に最高純益。25年3月期は主力の自動車保険で料率を引き上げ収支が改善し純益拡大。連続増配。
【行政処分】23年度中に保険料カルテル問題で行政処分の見通し。自然災害の激甚化を踏まえ準備金残高の積み増しに課題。

■第一生命ホールディングス≪8750≫

生保大手。契約者は約800万人。M&Aで海外事業が急拡大。銀行窓販は子会社で展開

【増 勢】円安ドル高で一時払い外貨建て保険が大幅に伸びる。コロナ禍の収束で入院給付金などの支払いが大幅に減り収支改善。豪TALのトップライン拡大など好調な海外事業が寄与し純益増加。25年3月期は米国中心に海外事業が堅調で純益拡大。
【資産運用】投資信託の販売など資産運用を総合的に提案する営業人材の育成強化。人口減対策などで山梨県と包括連携協定。

■オリックス≪8591≫

リース手始めに生保、不動産など多角化、海外展開突出。エネルギー、空港運営など事業投資も

【最高益更新】コロナ給付金の減少で保険が伸びる。訪日観光客回復で旅館・ホテルが改善。下期に不動産や投資事業の資産入れ替え売却益計上し最高純益更新。増配。25年3月期は前期買収案件が利益貢献。
【投 資】経営再建中の東芝にファンドを通じた出資と劣後ローンで合計2000億円投資実行。事業投資加速の一環。静岡県熱海市に2件目となる高級旅館を開業。

■日本取引所グループ≪8697≫

国内唯一の総合取引所グループ。傘下に東証、大阪取引所、東京商品取引所(TOCOM)

【最高益】現物株取引は前半の1日平均売買代金4・52兆円(前年同期比19・3%増)と活況。後半勢いやや鈍るが高水準。システム費増こなし営業増益幅拡大。25年3月期は現物株取引に加えデリバティブ好調続く。
【新分野】10月開設のカーボン・クレジット市場は8営業日で売買高1万t超えるなど好調。資本コストや株価を意識した対応を開示済みの企業を24年1月から公表。

■おわりに

直近の業績が好調なのか、不調なのか。

業績推移に安定感があるのか、ムラがあるのか。

利益率が高いのか、低いのか。

グラフから様々なことが視覚的に読み取れます。

投資対象として、興味が湧いた銘柄はありましたか?

私は注目している銘柄について、このグラフを定期的に更新し、株式投資のエントリー、利益確定の判断の参考にしています。

業績が下降トレンドなのに、株価が高いままであれば、売る準備をした方がいいかもしれません。

業績が上向き始めているにも関わらず、株価がさえないままであれば、仕込むのに良いタイミングなのかもしれません。

上記グラフの情報(売上高・営業利益・純利益・EPS)は、直近数年分であれば会社四季報から調べることができます。

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もっと長いスパンで調べたい方は、各社IRサイトの決算短信で調べることができます。

ぜひ活用してみて下さい。

投資判断においては、上記の業績の他にも、

貸借対照表(BS)の状況
キャッシュフローの状況
配当などの株主還元方針
ビジネスモデルの強さ
競合他社の状況
為替や金利などの外部環境

など、様々な要素が影響します。

少しずつ勉強を重ね、投資の精度を高めていきましょう。

本日もお読み頂きありがとうございました!

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