日本郵船、ANAなどの業績を図解【TOPIX Large 70⑦】

決算分析

直近の業績が好調なのか、不調なのか。

業績推移に安定感があるのか、ムラがあるのか。

利益率が高いのか、低いのか。

業績の推移を図解することで、様々なことが視覚的に読み取れます。

この記事では日本を代表する70銘柄を集めた「TOPIX Large 70」(トップ30を集めた「TOPIX Core 30」の次のカテゴリー)から、「陸運業」「海運業」「空運業」業種の以下5銘柄の業績を図解します。

・陸運業
東日本旅客鉄道(JR東日本)≪9020≫、西日本旅客鉄道(JR西日本)≪9021≫、東海旅客鉄道(JR東海)≪9022≫
・海運業
日本郵船≪9101≫
・空運業
ANAホールディングス≪9202≫

本記事で図解する業績は以下の4点です。

売上高/売上収益
営業利益
純利益
EPS(一株純利益)

EPSは折れ線グラフ(右軸)にて、他の3つは棒グラフ(左軸)にて表現しています。

IFRS、日本基準、米国基準など、会計基準が会社によって異なるため、グラフの中の項目名が若干異なりますがご了承ください。

四季報記載のコメントも掲載します。

投資判断の一助になれば幸いです。

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■東日本旅客鉄道(JR東日本)≪9020≫

鉄道最大手。首都圏・東日本が地盤。不動産賃貸や駅ナカ物販事業が成長。『Suica』を育成

【増 配】鉄道は通勤定期客がコロナ禍前の8割程度で頭打ちだが、定期外客はほぼ回復。ホテルも観光需要でにぎわう。駅に人が戻り駅ナカ店舗や駅ビルが活況。鉄道動力費増や不動産販売の減少こなし増益。
【新路線】首都圏各所と羽田空港つなぐアクセス線は6月工事着手、当初計画から2年遅れ31年度開業目標。大井町駅周辺を再開発、地上26階建てビルなど25年度末開業。

■西日本旅客鉄道(JR西日本)≪9021≫

JR西日本。北陸、近畿、中国、九州北部で営業。山陽新幹線と上越妙高以西の北陸新幹線を運営

【回復続く】主柱の鉄道は近畿圏在来線が下期にかけコロナ禍前の9割まで回復。山陽・北陸新幹線はインバウンド取り込む。ホテルも観光軸に復調。駅に人戻り駅ナカの物販・飲食伸長、営業増益。税効果剥落。
【再開発】大阪駅の新駅ビルと、日本郵便・JTBとの共同開発ビルは24年夏開業。広島駅でも25年春開業目指し新駅ビル開発。JR東と新幹線自動運転で技術協力。

■東海旅客鉄道(JR東海)≪9022≫

JR東海。東海道新幹線と在来線12路線保有。新幹線が収益の約7割。流通、不動産事業も展開

【増益基調】大黒柱の東海道新幹線は出張需要冴えないが、観光・レジャー需要が復活。インバウンド戻る。電気代値上げや、大規模改修引当金取り崩し終了による修繕費大幅増を軽くかわし営業増益。連続増配。
【自動運転】新幹線の自動運転に本腰、28年実用化目標。運転士は残すが乗務員の役割見直し業務効率化へ。収益拡大目指し、グリーン車の上級クラス座席を導入検討。

■日本郵船≪9101≫

海運で国内首位。総合物流企業化、傘下に郵船ロジ。コンテナ船は18年4月事業統合し稼ぎ頭に

【剥 落】ばら積み船、航空貨物、物流など総じて市況が低迷。前年度上期まで荒稼ぎしたコンテナ船はコロナ禍での需給逼迫が解消し運賃水準が大幅下落。経常益大幅減。配当性向基準3割に引き上げるも減配。
【売 却】日本航空貨物のANAへの売却で合意。上期中に譲渡完了見込む。コンテナ船企業は市況踏まえ、投資計画を縮小へ。燃料転換に4年間で2900億円投資。

■ANAホールディングス≪9202≫

国内線、国際線ともに首位。傘下にLCCのピーチ。就航地の積極拡大は様子見。貨物を強化

【大幅増益】貨物は単価下落で軟調。柱の旅客は訪日客回復早く、国際線は北米路線好調。国内線レジャー客増で快走。価格改定も寄与。燃油費増こなし営業大幅増益。国内線慎重な会社計画堅め。税負担平常化。
【貨物強化】日本貨物航空(21年度売上高1893億円、営業利益744億円)の買収で基本合意書を締結。北米・欧州向けの貨物路線を強化。国内線一部運賃を値上げ。

■おわりに

直近の業績が好調なのか、不調なのか。

業績推移に安定感があるのか、ムラがあるのか。

利益率が高いのか、低いのか。

グラフから様々なことが視覚的に読み取れます。

投資対象として、興味が湧いた銘柄はありましたか?

私は注目している銘柄について、このグラフを定期的に更新し、株式投資のエントリー、利益確定の判断の参考にしています。

業績が下降トレンドなのに、株価が高いままであれば、売る準備をした方がいいかもしれません。

業績が上向き始めているにも関わらず、株価がさえないままであれば、仕込むのに良いタイミングなのかもしれません。

上記グラフの情報(売上高・営業利益・純利益・EPS)は、直近数年分であれば会社四季報から調べることができます。

もっと長いスパンで調べたい方は、各社IRサイトの決算短信で調べることができます。

ぜひ活用してみて下さい。

投資判断においては、上記の業績の他にも、

貸借対照表(BS)の状況
キャッシュフローの状況
配当などの株主還元方針
ビジネスモデルの強さ
競合他社の状況
為替や金利などの外部環境

など、様々な要素が影響します。

少しずつ勉強を重ね、投資の精度を高めていきましょう。

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本日もお読み頂きありがとうございました!

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