直近の業績が好調なのか、不調なのか。
業績推移に安定感があるのか、ムラがあるのか。
利益率が高いのか、低いのか。
業績の推移を図解することで、様々なことが視覚的に読み取れます。
この記事では日本を代表する30銘柄を集めた「TOPIX Core 30」から、「卸売業」「小売業」業種の以下4銘柄の業績を図解します。
三菱商事≪8058≫、伊藤忠商事≪8001≫、三井物産≪8031≫
・小売業
セブン&アイ・ホールディングス≪3382≫
本記事で図解する業績は以下の4点です。
・営業利益
・純利益
・EPS(一株純利益)
EPSは折れ線グラフ(右軸)にて、他の3つは棒グラフ(左軸)にて表現しています。
IFRS、日本基準、米国基準など、会計基準が会社によって異なるため、グラフの中の項目名が若干異なりますがご了承ください。
営業利益は、会社によっては記載がない場合がありますがご了承ください。
四季報記載のコメントも掲載します。
投資判断の一助になれば幸いです。
■三菱商事≪8058≫
総合商社大手。三菱グループ中核。原料炭等の資源筆頭に機械、食品、化学品等の事業基盤厚い

※2024年3月期の収益は非開示のため、四季報3月号より抜粋
【増 配】金属資源は今期も稼ぐが豪州原料炭、鉄鉱石市況下落。不動産運用会社の売却益剥落響く。が、海外電力資産売却が大きく貢献。LNG、東南アジア自動車販売持分益減りやや後退で純益減も高水準。 |
【株主還元】12月末まで8600万株、3000億円上限の自己株買い。取得株は消却。22年央稼働のペルー・ケジャベコ銅山は今年度中に年間約30万tのフル操業へ。 |
■伊藤忠商事≪8001≫
総合商社大手。非財閥系の雄。繊維や食料、中国に強い。傘下にファミリーマートなどの有力企業

※2024年3月期の収益は非開示のため、四季報3月号より抜粋
【連続増配】油価下落でエネルギー縮小。金属は北米鋼管後退、鉄鉱石・石炭市況下落も、カナダ権益取得効き落ち込み限定的。スポーツで繊維伸長。前期苦戦の青果回復。ファンド保有株評価も改善し、純益減は小幅。 |
【蓄電池】米蓄電システムベンチャーへ出資。EV充電器の設置工事短縮化で米物流会社等へサービス展開。ほけんの窓口への出資を76%から92%に引き上げ連携強化。 |
■三井物産≪8031≫
三井グループ中核の総合商社。鉄鉱石、原油の生産権益量は商社断トツ。インフラ等にも強み

※2024年3月期の収益は非開示のため、四季報3月号より抜粋
【反 落】前半に完全子会社化の給食事業が貢献。東南アの石炭火力発電売却も利益押し上げ。が、原料炭や鉄鉱石、原油・ガスの価格が高騰した前年より下落。肥料も販価下がる。高水準ながら純益後退。連続増配。 |
【新中計】一過性要因除くなど調整後純利益を25年度9200億円(前期7500億円)に拡大する新中計発表。3年間配当下限150円。エネルギー関連に1兆円投下。 |
■セブン&アイ・ホールディングス≪3382≫
国内首位の流通グループ。日米コンビニを核に総合スーパー、外食、銀行など展開。百貨店は売却

【横ばい圏】国内コンビニは人流増加や各種フェア商品が貢献。金融安定。スーパーも総菜強化で採算良化。ただ前期業績牽引の米コンビニはガソリン粗利縮小で減速。水準高いが営業益横ばい圏。配当据え置き。 |
【井阪体制】5月総会で株主ファンドの社長退任要求否決。井阪氏が再任。そごう・西武売却は無期限延期に。首都圏スーパー子会社は年内統合、共同インフラ整備へ。 |
■おわりに
直近の業績が好調なのか、不調なのか。
業績推移に安定感があるのか、ムラがあるのか。
利益率が高いのか、低いのか。
グラフから様々なことが視覚的に読み取れます。

投資対象として、興味が湧いた銘柄はありましたか?
私は注目している銘柄について、このグラフを定期的に更新し、株式投資のエントリー、利益確定の判断の参考にしています。
業績が下降トレンドなのに、株価が高いままであれば、売る準備をした方がいいかもしれません。
業績が上向き始めているにも関わらず、株価がさえないままであれば、仕込むのに良いタイミングなのかもしれません。
上記グラフの情報(売上高・営業利益・純利益・EPS)は、直近数年分であれば会社四季報から調べることができます。
もっと長いスパンで調べたい方は、各社IRサイトの決算短信で調べることができます。
ぜひ活用してみて下さい。
投資判断においては、上記の業績の他にも、
・貸借対照表(BS)の状況
・キャッシュフローの状況
・配当などの株主還元方針
・ビジネスモデルの強さ
・競合他社の状況
・為替や金利などの外部環境
など、様々な要素が影響します。
少しずつ勉強を重ね、投資の精度を高めていきましょう。
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本日もお読み頂きありがとうございました!
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