直近の業績が好調なのか、不調なのか。
業績推移に安定感があるのか、ムラがあるのか。
利益率が高いのか、低いのか。
業績の推移を図解することで、様々なことが視覚的に読み取れます。
この記事では日本を代表する30銘柄を集めた「TOPIX Core 30」から、「情報・通信業」「その他製品」業種の以下5銘柄の業績を図解します。
日本電信電話(NTT)≪9432≫、KDDI≪9433≫、ソフトバンク≪9434≫、ソフトバンクグループ≪9984≫
・その他製品
任天堂≪7974≫
本記事で図解する業績は以下の4点です。
・営業利益
・純利益
・EPS(一株純利益)
EPSは折れ線グラフ(右軸)にて、他の3つは棒グラフ(左軸)にて表現しています。
IFRS、日本基準、米国基準など、会計基準が会社によって異なるため、グラフの中の項目名が若干異なりますがご了承ください。
営業利益は、会社によっては記載がない場合がありますがご了承ください。
四季報記載のコメントも掲載します。
投資判断の一助になれば幸いです。
■日本電信電話(NTT)≪9432≫
NTTグループ持株会社。ドコモ主力。固定電話独占、光回線高シェア。海外開拓・提携に注力

【連続最高益】主力のドコモが官製値下げ影響一巡し、下期にかけ通信単価上向く。データは国内外SI好伸。東西も堅い。前期足引っ張った電力小売りの逆ザヤない。電気代高騰も一服。連続最高純益。増配。 |
【25分割】6月末基準日で株式25分割、若年層など個人投資家を拡大へ。約300億円投じ光電融合デバイスの製造会社を設立、6Gに向けた需要拡大に応える狙い。 |
■KDDI≪9433≫
総合通信大手。携帯・光回線を展開。物販など非通信伸ばしライフデザイン企業への脱皮模索中

【連続最高益】柱の通信は下期にかけ顧客単価が底打ちへ。前期足引っ張った基地局の電気代上昇一服。通信障害の返金ない。金融・法人DX好伸。楽天ローミングの減り幅小さく上振れ。最高純益更新。増配。 |
【慈 雨】楽天との新契約で、当社想定より今期100億円以上のローミング収入カサ上げ。IIJに1割出資、法人DX等で協業へ。チャットAIの業務利用を開始。 |
■ソフトバンク≪9434≫
『ソフトバンク』『ワイモバイル』展開の通信会社。ヤフー、ZOZO、ペイペイなど非通信強化

【反動減】柱の通信は顧客単価下げ止まり、契約数がワイモバ軸に順調増。法人向けはDX需要取り込む。ペイペイ赤字縮小。だが前下期のペイペイ評価益が消えて、営業益大幅反落。純益減でも配当額据え置き。 |
【中 計】26年3月期に最高純益となる5350億円目指す。通信収入回復やペイペイなど金融事業黒字化で達成へ。総還元性向85%超の目標は撤廃だが、高還元を継続。 |
■ソフトバンクグループ≪9984≫
孫正義氏創業。傘下にベンチャー投資のビジョンファンド、通信会社。中国アリババは非持分化

【黒字化】アリババ株の売却益が縮小。ただファンド事業は新規投資の厳選や投資先の地域分散など手堅く運用。市況回復で持ち直し。モバイルやネット事業も順調。最終黒字化。デリバティブ評価益見込まず。 |
【大 物】米証券取引委員会に英半導体設計大手アームの上場申請、引き続き子会社として連結の見通し。保有していたアリババ株は先渡売買契約でほぼすべて資金化。 |
■任天堂≪7974≫
ゲーム機ハード、ソフトで総合首位。海外シェア高い。ドル建て資産多く期末為替で経常益変動

【減 配】『ゼルダ』新作が絶好調。つれて前作の本数も伸ばす。映画効果もあり旧作や追加コンテンツがデジタル売上高増に貢献。だが、7年目スイッチが販売長期化で漸減。営業益続落。為替差益見込まず。 |
【伝 説】5月発売の『ゼルダ』新作は3日間で1000万本突破、海外比率約8割。前期発売『ポケモン』の有料追加コンテンツを2回に分けて配信。前編は今秋に配信。 |
■おわりに
直近の業績が好調なのか、不調なのか。
業績推移に安定感があるのか、ムラがあるのか。
利益率が高いのか、低いのか。
グラフから様々なことが視覚的に読み取れます。

投資対象として、興味が湧いた銘柄はありましたか?
私は注目している銘柄について、このグラフを定期的に更新し、株式投資のエントリー、利益確定の判断の参考にしています。
業績が下降トレンドなのに、株価が高いままであれば、売る準備をした方がいいかもしれません。
業績が上向き始めているにも関わらず、株価がさえないままであれば、仕込むのに良いタイミングなのかもしれません。
上記グラフの情報(売上高・営業利益・純利益・EPS)は、直近数年分であれば会社四季報から調べることができます。
もっと長いスパンで調べたい方は、各社IRサイトの決算短信で調べることができます。
ぜひ活用してみて下さい。
投資判断においては、上記の業績の他にも、
・貸借対照表(BS)の状況
・キャッシュフローの状況
・配当などの株主還元方針
・ビジネスモデルの強さ
・競合他社の状況
・為替や金利などの外部環境
など、様々な要素が影響します。
少しずつ勉強を重ね、投資の精度を高めていきましょう。
株式投資について外部のスクールで体系的に学びたい方、リアルな投資仲間を作りたい方は、ファイナンシャル・アカデミーの株式投資スクールもオススメです。
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本日もお読み頂きありがとうございました!
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