直近の業績が好調なのか、不調なのか。
業績推移に安定感があるのか、ムラがあるのか。
利益率が高いのか、低いのか。
業績の推移を図解することで、様々なことが視覚的に読み取れます。
この記事では日本を代表する30銘柄を集めた「TOPIX Core 30」から、「情報・通信業」「その他製品」業種の以下5銘柄の業績を図解します。
日本電信電話(NTT)≪9432≫、KDDI≪9433≫、ソフトバンク≪9434≫、ソフトバンクグループ≪9984≫
・その他製品
任天堂≪7974≫
本記事で図解する業績は以下の4点です。
・営業利益
・純利益
・EPS(一株純利益)
EPSは折れ線グラフ(右軸)にて、他の3つは棒グラフ(左軸)にて表現しています。
IFRS、日本基準、米国基準など、会計基準が会社によって異なるため、グラフの中の項目名が若干異なりますがご了承ください。
営業利益は、会社によっては記載がない場合がありますがご了承ください。
四季報記載のコメントも掲載します。
投資判断の一助になれば幸いです。
■日本電信電話(NTT)≪9432≫
NTTグループ持株会社。ドコモ主力。固定電話独占、光回線高シェア。海外開拓・提携に注力
【最高益】ドコモは通信単価下げ止まり、解約率も低い。データは円安効く。東西は上期足踏みも法人向けが下期増勢。上期にIIJ株売却益。最高純益更新。増配。25年3月期はドコモの単価上向き連続増益。 |
【NTT法】当社縛るNTT法改廃へ自民議連が提言。実現なら研究成果開示義務やグループ再編等足かせ減少。ドコモがマネックス証券とインテージHDを子会社化。 |
■KDDI≪9433≫
総合通信大手。携帯・光回線を展開。物販など非通信伸ばしライフデザイン企業への脱皮模索中
【着 実】柱の通信は高価格の新プランが効き、下落続いた顧客単価が反転増へ。金融・法人ともに好伸し、楽天ローミング収入減をこなす。最高純益更新。増配。25年3月期は通信単価の上昇が続き連続増益。 |
【生成AI】23年10月からAWSと提携しAI開発支援を開始、自社商材と支援企業のAIサービス併売するモデル構築模索。メタバースのコンテンツ拡充で呼び込み。 |
■ソフトバンク≪9434≫
『ソフトバンク』『ワイモバイル』展開の通信会社。ヤフー、ZOZO、ペイペイなど非通信強化
【後 退】柱の通信は契約数がワイモバ軸に着実増。新プラン奏功し顧客単価下げ止まる。法人堅調。が、前下期のペイペイ評価益ない。営業益反落。純益減でも86円配維持。25年3月期は通信が引っ張り反発。 |
【大 台】割安なワイモバが牽引し、23年11月にスマホ契約数が3000万件突破。23年10月始動のソフバン新プランはペイペイとの連携強化で訴求し顧客を囲い込む。 |
■ソフトバンクグループ≪9984≫
孫正義氏創業。傘下にベンチャー投資のビジョンファンド、通信会社。中国アリババは非持分化
【黒字復帰】アリババ株の売却益縮小。ただファンド事業は市況回復の追い風で増勢。投資基準厳格化、地域分散も重視。モバイル・ネット事業着実。デリバティブ評価益見込まず。最終黒字復帰。25年3月期は市況回復を前提にファンド事業伸びる。 |
【虎の子】英半導体設計子会社アームが米ナスダック上場、株10%放出。流動性高め資金調達の幅拡大。ウィーワークは経営破綻。 |
■任天堂≪7974≫
ゲーム機ハード、ソフトで総合首位。海外シェア高い。ドル建て資産多く期末為替で経常益変動
【横ばい圏】ゲームソフトは『ゼルダ』など好調で想定超え。下期にもマリオ新作など投入。ただ販売長期化のスイッチ漸減。円安が押し上げても営業益横ばい圏。為替差益。25年3月期はスイッチ漸減が続く。 |
【映画化】製作費50%以上出資し『ゼルダの伝説』実写映画化。IPの認知度拡大図る。今期マリオ映画はゲーム原作で歴代1位。関連タイトルやグッズの販売増に寄与。 |
■おわりに
直近の業績が好調なのか、不調なのか。
業績推移に安定感があるのか、ムラがあるのか。
利益率が高いのか、低いのか。
グラフから様々なことが視覚的に読み取れます。
投資対象として、興味が湧いた銘柄はありましたか?
私は注目している銘柄について、このグラフを定期的に更新し、株式投資のエントリー、利益確定の判断の参考にしています。
業績が下降トレンドなのに、株価が高いままであれば、売る準備をした方がいいかもしれません。
業績が上向き始めているにも関わらず、株価がさえないままであれば、仕込むのに良いタイミングなのかもしれません。
上記グラフの情報(売上高・営業利益・純利益・EPS)は、直近数年分であれば会社四季報から調べることができます。
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もっと長いスパンで調べたい方は、各社IRサイトの決算短信で調べることができます。
ぜひ活用してみて下さい。
投資判断においては、上記の業績の他にも、
・貸借対照表(BS)の状況
・キャッシュフローの状況
・配当などの株主還元方針
・ビジネスモデルの強さ
・競合他社の状況
・為替や金利などの外部環境
など、様々な要素が影響します。
少しずつ勉強を重ね、投資の精度を高めていきましょう。
本日もお読み頂きありがとうございました!
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