味の素、日本たばこ産業などの業績を図解【TOPIX Large 70①】

決算分析

直近の業績が好調なのか、不調なのか。

業績推移に安定感があるのか、ムラがあるのか。

利益率が高いのか、低いのか。

業績の推移を図解することで、様々なことが視覚的に読み取れます。

この記事では日本を代表する70銘柄を集めた「TOPIX Large 70」(トップ30を集めた「TOPIX Core 30」の次のカテゴリー)から、「食料品」「精密機器」業種の以下6銘柄の業績を図解します。

・食料品
アサヒグループホールディングス≪2502≫、キリンホールディングス≪2503≫、味の素≪2802≫、日本たばこ産業≪2914≫
・精密機器
テルモ≪4543≫、オリンパス≪7733≫

本記事で図解する業績は以下の4点です。

売上高/売上収益
営業利益
純利益
EPS(一株純利益)

EPSは折れ線グラフ(右軸)にて、他の3つは棒グラフ(左軸)にて表現しています。

IFRS、日本基準、米国基準など、会計基準が会社によって異なるため、グラフの中の項目名が若干異なりますがご了承ください。

四季報記載のコメントも掲載します。

投資判断の一助になれば幸いです。

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■アサヒグループホールディングス≪2502≫

ビール類国内シェア首位級。総合酒類・飲料メーカー。12年にカルピスを買収。欧州に進出

【最高益】欧州は数量停滞。ただ国内酒類は人流回復に伴い業務用反発続き増勢、10月追加値上げも利幅拡大に寄与。豪州も値上げや業務用復調で堅調増。減損損失消滅も効き営業増益続く。最高純益。連続増配。
【値上げ】10月にビールで缶と比べ粗利低い瓶・樽など追加値上げ。課題のチューハイは22年比1・5倍以上の25年売上600億円目指し、『生ジョッキ缶』活用商品も検討。

■キリンホールディングス≪2503≫

ビール類シェア国内首位級。ブラジル撤退で海外はアジア、豪州主力。傘下に医薬の協和キリン

【伸 長】期中に豪州健康食品企業上乗せ。国内酒類は数量やや苦戦でも追加値上げもあり増勢。豪州は業務用軸に拡大。前期協和発酵バイオ減損(430億円)消滅。営業益大幅増。中国持分飲料売却益ない。
【M&A】8月豪州の健康食品企業を子会社化(売上高約600億円)、ヘルスサイエンスで海外販路拡大。10月酒税改正で減税のビールは缶は価格下落も瓶・樽は値上げ。

■味の素≪2802≫

調味料最大手。アミノ酸技術で飼料・医薬等多角化。海外で家庭用食品を拡大。M&Aに積極的

※2024年3月期予想の営業利益は非開示

【一 服】国内調味料・食品は数量増、値上げ効果で反発。海外は円安影響薄れても伸ばす。半導体絶縁材料は後半にかけ一段増、データセンター向けなど伸長。バイオも貢献。ただマーケや研究開発費、償却負担増。固定資産売却益見込まず営業減益。
【投 資】バイオファーマサービスやアミノ酸関連など成長投資。食品部門横断のマーケ組織軸にデータ活用の商品開発強化。

■日本たばこ産業≪2914≫

たばこ事業が中核。M&Aで海外たばこ事業拡大、加熱式の拡販も本腰。食品、医薬品事業も展開

※2012年12月期、2013年12月期は営業利益の情報確認できず、グラフなし

【上振れ】たばこは欧州軸に数量増、各国値上げも効く。原料高に加え後半にかけ加熱式のマーケ費増だが、たばこ数量減や円高見込む会社計画は保守的で横ばい圏に上振れ。ただ金融損益は想定ほど改善せず。
【戦 略】国内はキャメル・クラフトなど低価格帯テコ入れが奏功。加熱式たばこデバイスはイベント等リアル重視し訴求。ロシアは5月時点、通期で事業継続見込み。

■テルモ≪4543≫

医療機器大手。カテーテルなど心臓血管分野に強み。医薬品類も。米国、中国などで生産拡大

【最高益更新】心臓血管はカテーテル、ステントなど高収益品中心に堅調維持。価格転嫁も奏功。好採算の製薬製造受託が伸長し構成比向上。前期の製造受託の出荷遅れや感染対策製品の在庫調整は解消。増配。
【成 長】26年度までに営業利益率20%以上の中計に向け、製品ミックス改善とM&A積極化。コスタリカへの生産拠点移管による生産効率化が今期本格的に効果発揮。

■オリンパス≪7733≫

世界シェア7割の消化器内視鏡など医療分野に集中。デジカメに続き、祖業の顕微鏡も売却へ

【反 落】柱の内視鏡は米国で下期に新製品効果発現で伸長。治療機器は中国で反動増。が、FDA(米国食品医薬品局)関連対応費用が約220億円発生。土地売却益も剥落で営業益反落。科学事業売却益。増配。
【費 用】内視鏡工場の製品検証方法についてFDAから警告、25年度までに600億円の対応費用発生。24年1月末まで5500万株、1000億円上限に自己株買い。

■おわりに

直近の業績が好調なのか、不調なのか。

業績推移に安定感があるのか、ムラがあるのか。

利益率が高いのか、低いのか。

グラフから様々なことが視覚的に読み取れます。

投資対象として、興味が湧いた銘柄はありましたか?

私は注目している銘柄について、このグラフを定期的に更新し、株式投資のエントリー、利益確定の判断の参考にしています。

業績が下降トレンドなのに、株価が高いままであれば、売る準備をした方がいいかもしれません。

業績が上向き始めているにも関わらず、株価がさえないままであれば、仕込むのに良いタイミングなのかもしれません。

上記グラフの情報(売上高・営業利益・純利益・EPS)は、直近数年分であれば会社四季報から調べることができます。

もっと長いスパンで調べたい方は、各社IRサイトの決算短信で調べることができます。

ぜひ活用してみて下さい。

投資判断においては、上記の業績の他にも、

貸借対照表(BS)の状況
キャッシュフローの状況
配当などの株主還元方針
ビジネスモデルの強さ
競合他社の状況
為替や金利などの外部環境

など、様々な要素が影響します。

少しずつ勉強を重ね、投資の精度を高めていきましょう。

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本日もお読み頂きありがとうございました!

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