直近の業績が好調なのか、不調なのか。
業績推移に安定感があるのか、ムラがあるのか。
利益率が高いのか、低いのか。
業績の推移を図解することで、様々なことが視覚的に読み取れます。
この記事では日本を代表する30銘柄を集めた「TOPIX Core 30」から、「銀行業」「保険業」業種の以下4銘柄の業績を図解します。
三菱UFJフィナンシャル・グループ≪8306≫、三井住友フィナンシャルグループ≪8316≫、みずほフィナンシャルグループ≪8411≫
・保険業
東京海上ホールディングス≪8766≫
本記事で図解する業績は以下の4点です。
・経常利益
・純利益
・EPS(一株純利益)
EPSは折れ線グラフ(右軸)にて、他の3つは棒グラフ(左軸)にて表現しています。
四季報記載のコメントも掲載します。
投資判断の一助になれば幸いです。
■三菱UFJフィナンシャル・グループ≪8306≫
国内最大の民間金融グループ。銀行、信託、証券、カード、リース等。米州、アジアでの展開進む

※2024年3月期予想は純利益目標「13,000億円」の開示のみ。
※2024年3月期のEPSは純利益予想を2023年3月期末発行済株式数で割って算出。
【最高益更新】国内外とも貸出金残高は法人軸に高水準。海外向け融資の利ザヤ拡大続く。法人役務や資産運用手堅い。モルスタ期ずれ分上乗せ。前期売却の米銀剥落影響大。与信費用減、経常益は急反発。連続増配。 |
【ベンチャー融資】イスラエルのフィンテック企業に出資、ベンチャー企業向け融資ファンドで協業へ。金融情勢を考慮し自己株取得を見送り、中間期に改めて判断か。 |
■三井住友フィナンシャルグループ≪8316≫
傘下に三井住友銀、SMBC日興証券、カードなど。3大金融グループの一角、効率性トップ

※2024年3月期予想は純利益・EPSのみ。
【横ばい圏】国内は大企業向け融資や投資銀行業務好調。海外は預貸金利ザヤ拡大。決済手数料伸びる。日興が黒字浮上。ただ株売却益一服、与信費用微増で経常益は横ばい圏。特損減る。配当性向4割メドに増配。 |
【新中計】26年3月期純益9000億円目標、個人業務デジタル化や手数料ビジネス拡大に力点。米ジェフリーズに追加出資、持分を4・5%から最大15%へ引き上げ。 |
■みずほフィナンシャルグループ≪8411≫
3メガバンクの一角。旧富士、第一勧業、日本興業の3行が前身。銀行・信託・証券の連携加速

※2024年3月期予想は純利益・EPSのみ。
【連続増配】国内大企業や海外向け貸出が好調、利ザヤも拡大基調。米州軸に投資銀行業務が回復する。市場運用は前期の外債実現損一巡が追い風。与信費用の抑制続く。円高想定でも経常益は好伸。連続増配。 |
【新中計】26年3月期純益7500億円前後目標。好採算の大企業や米州、運用軸に投資、人員配置も強化。前期末約1兆円の政策保有株は3年で約3000億円縮減。 |
■東京海上ホールディングス≪8766≫
メガ損保で首位級、東京海上日動が主体。欧米柱の海外保険事業はM&Aで急拡大。生保も育成

※2024年3月期予想は経常利益・純利益・EPSのみ。
【最高益】主力の自動車保険で損害率が悪化するも火災保険で赤字幅縮小。海外は米HCCなどの引き受け強化で北米地域が好調に推移。アジアは台湾でのコロナ関連費用が減り収支が大幅に改善。自然災害の平年並み前提に最高純益を更新。増配続く。 |
【営業改革】あんしん生命の4億円詐欺事件で営業改革の実効性に課題。人工衛星のデータ活用で宇宙関連の商品開発を推進。 |
■おわりに
直近の業績が好調なのか、不調なのか。
業績推移に安定感があるのか、ムラがあるのか。
利益率が高いのか、低いのか。
グラフから様々なことが視覚的に読み取れます。

投資対象として、興味が湧いた銘柄はありましたか?
私は注目している銘柄について、このグラフを定期的に更新し、株式投資のエントリー、利益確定の判断の参考にしています。
業績が下降トレンドなのに、株価が高いままであれば、売る準備をした方がいいかもしれません。
業績が上向き始めているにも関わらず、株価がさえないままであれば、仕込むのに良いタイミングなのかもしれません。
上記グラフの情報(売上高・営業利益・純利益・EPS)は、直近数年分であれば会社四季報から調べることができます。
もっと長いスパンで調べたい方は、各社IRサイトの決算短信で調べることができます。
ぜひ活用してみて下さい。
投資判断においては、上記の業績の他にも、
・貸借対照表(BS)の状況
・キャッシュフローの状況
・配当などの株主還元方針
・ビジネスモデルの強さ
・競合他社の状況
・為替や金利などの外部環境
など、様々な要素が影響します。
少しずつ勉強を重ね、投資の精度を高めていきましょう。
株式投資について外部のスクールで体系的に学びたい方、リアルな投資仲間を作りたい方は、ファイナンシャル・アカデミーの株式投資スクールもオススメです。
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本日もお読み頂きありがとうございました!
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