「株は、安く買って、高く売るだけ。」
よく言われる株式投資の真理ですね。
株価が下がったら、買う。
私も基本はこのスタンスです。
(下がったら買い?下がったら売り?個人投資家がとるべき下落との付き合い方)
さて、高齢者向けに配食サービスを展開するシルバーライフ(9262)。
現在200株保有中ですが、上場来安値圏で推移しています。
「ここまで下がったら追加で買付してもいいかな」
と考えていた水準よりも下がってきましたが、少し気になる点もあり、様子見を続けています。
今買うとやばいのか??
週明け3/11(月)の2024年7月期第2四半期決算発表を前に、現在気になっている点を整理します。
■株価の推移は?(過去5年間)
シルバーライフの過去5年間の推移は以下の通りです。
(私の過去2回の買付タイミングも添えて。)
3/8(金)の終値は863円と、上場来の安値圏で推移しています。
「さすがに下がり過ぎだね」ということで、反転するのか・・・。
それとも「この銘柄に将来性はないね」と見放され、さらに安値を更新していくのか・・・。
来週の決算発表が大きな転換点になるかもしれませんね。
■私の追加買付のマイルール
私は安易なナンピンをしないように、「買付のマイルール」を定めています。
■第2次買付は、第1次買付の株価から▲15%以上下落した場合はOK。
■第3次買付は、第2次買付の株価から▲10%以上下落した場合はOK。
■複数回にわたって買付する場合、できるだけ1回以上の決算発表をまたぐこと。
■年初来で▲30%以上大幅に下落していたら、上記に限らず買付OK。
昨年8月の第2次買付もこのルールに沿って判断しました。
そして、当時から株価は▲28%程下落しており、マイルール的には第3次買付に動いてもOK、という水準まで下がっており、現在次のアクションを検討中という状況です。
■追加買付に踏み切っていない3つの理由。気になっていること。
株価の水準としては追加買付してもいいと思える水準まで下がっていますが、それでも今追加買付に踏み切っていないのは、以下の3つの理由からです。
(1)加盟店の減少が気になる・・・
(2)株主優待の廃止が気になる・・・
(3)相場全体の過熱感が気になる・・・
■気になること①加盟店の減少
気になることの1点目は、加盟店の減少です。
現在同社では「まごころ弁当」「配食のふれ愛」「宅食ライフ」という3ブランドをフランチャイズで展開しています。
そのFC加盟店数の四半期推移はこちらです。
(積み上げ棒グラフと横に並べる形と、2パターンで示しています。)
全体の加盟店数が伸び悩み、特に主力の「まごころ弁当」と「配食のふれ愛」の加盟店が減少傾向にあることは非常に気がかりです。
背景としては、競合の激化があるようです。
第1四半期の決算短信にも「冷凍弁当における販売市場においては、既存企業のほか新たに参入する企業が増加しており、競争が激化しております」という記載がありました。
同社の売上高は、「FC加盟店」「高齢者施設」「直販・その他」の3つの販売区分に大きく分かれますが、約65%を「FC加盟店」が占めます。
四半期推移は以下の通りです。
加盟店数の伸び悩みと同様に、「FC加盟店」売上高も伸び悩んでいます。
「直販」は伸びていますが、売上高に占める比率は24%程です。
もし今後FC加盟店の売上が大きく減少した場合、直販がカバーするほどの規模はまだありません。
主力事業の伸び悩みは同社の経営にとって非常に重要なインパクトをもたらします。
・加盟店数は増加に転じるのか
・加盟店数には依存せずに売上を伸ばす方策が示されるのか
など、来週の決算発表で注目したいと思います。
なお、増収率、営業利益・純利益、利益率にも苦戦の色が出ていますので、このあたりの変化もじっくり確認したいと思います。
■気になること②株主優待の廃止
気になることの2点目は、株主優待の廃止です。
昨年末、2023年12月26日に、株主優待制度の廃止を発表しました。
「より公平な利益還元を実現するという観点から、資金を投資や事業基盤の強化に活用 することで、安定的かつ継続的な成長と中長期的な企業価値の向上を重視する」ため、と説明がありました。
優待が廃止になること自体は構わないのですが、発表後の株式市場の評価をほぼ気にしていないようなIRの姿勢にやや不安を覚えました。
株主優待の廃止だけを発表すれば当然株価は下がります。
そんなことは経営陣もわかっているはずです。
・株主優待は廃止するけど、その分増配を発表して公平に配分する姿勢を示す
・株主優待は廃止するけど、その分自社株買いを発表して株主への還元姿勢を示す
といった企業も多い中、優待だけなくなるアナウンスメントは、多くの投資家をがっかりさせたのではないでしょうか。
今年2月に楽天グループが配当金の無配を発表しました。
一方、株主優待で楽天モバイルの音声+データの1年間無料を打ち出し、株式市場でも大きく評価されました。
無配は厳しい財務状態を乗り切るための施策であり、優待の新設も含めて赤字であるモバイル事業の普及を推し進めテコ入れしていくんだ、と目指す方向性が極めて明確で、好感が持てました。
もちろん企業体力はまったく違いますが、それにしてもシルバーライフは無策感が強く、もしかして何も追加的に手を打てないぐらい将来に不安抱えてるの?という感じにも見えてしまいます。
今後増配などが発表されればひとまず不安は解消されますが、しばらくは慎重に見つめていこうと思っています。
■気になること③相場全体の過熱感
気になることの3点目は、相場全体の過熱感です。
半導体関連銘柄への期待が沸騰し、日経平均は史上最高値を更新、一時40,000円の大台を突破と、非常に盛り上がっています。
年初来ではすでに18%も上昇しています。
このまま上昇が続くとは思えませんので、そのうち調整する局面が来るのではないかと思っています。
ガクッと急激に下がるのか、ダラダラ下がるのか、そもそも下がるのか、それは神のみぞ知るところではありますが、もし相場全体が下落することがあれば、これまで急激に上昇した銘柄が下がるだけでなく、これまで株価がさえなかった(シルバーライフのような)銘柄もつられて下がることは十分に起こり得ます。
投資においては「木」を見る視点と「森」を見る視点とどちらも大切ですが、今はちょっと「森」の動きが気になっています。
■おわりに
私が追加買付に踏み切っていない3つの理由を書かせて頂きました。
(1)加盟店の減少が気になる・・・
(2)株主優待の廃止が気になる・・・
(3)相場全体の過熱感が気になる・・・
週明け月曜日の決算発表を見て、また投資戦略を再考していこうと思います。
決算発表を受けて、株価は大きく上がるかもしれませんし、下がるかもしれません。
もし決算発表後に株価が大きく上がったら・・・
「保有している200株の評価額が増えるのでOK!」と考えます。
もし決算発表後に株価が大きく下がったら・・・
「さらに安く仕込める可能性がでてきたぞ!」と考えます。
どっちに転んでもいいように考える。
そういう心の準備をした上で、決算発表を待ちたいと思います。
結果を見ていちいち一喜一憂してたら長く株式市場と付き合っていけませんからね。
ちなみに、12月に発表した第1四半期決算では、通期予想に対してまずまずの進捗率を示しました。
売上高、営業利益、純利益、いずれも通期予想の25%を上回り、営業利益については32%にまで達していました。
さて、第2四半期をどう予想しますか。
私は予想してもわからないので、結果を見てからまた考えます(笑)
もちろん決算発表前にギャンブル的に追加で買うこともしません。
(昔、痛い目にあったので・・・)
投資家の皆さんはどう動きますか?
皆さんにとって少しでも参考になる考え方を示せたのであれば幸いです。
本日もお読み頂きありがとうございました!
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