個別株投資で毎年資産+10%を目指し、気になっている銘柄の決算発表内容を分析し、今後の投資戦略について私なりの視点で書いていきます。
株式投資を学ぶならファイナンシャルアカデミー■本日のチェック銘柄
今日チェックするのは世界的な飲料メーカーであるコカ・コーラ(ティッカーシンボル:KO)です。
ニューヨーク証券取引所(NYSE)上場で、決算期は12月です。
SBI証券お客様サイト内の銘柄サマリー情報より数値を抜粋すると、時価総額は2,549億ドル、従業員数は79,000人です。
「コカ・コーラ」「ダイエット・コーク」「ファンタ」「スプライト」など、有名な炭酸飲料ブランドの他、水、スポーツドリンク、ジュースなど、様々な飲料を幅広く取り扱い、世界中200を超える国と地域に流通させています。
あの投資の神様、ウォーレン・バフェットが、コカ・コーラが大好きなこと、コカ・コーラ株を大量に保有していることも有名ですね。
私がこの会社に注目している理由は
①世界的な知名度と確固たるブランド力をもっているから
②ビジネスモデルが強固で利益率が高いから
③連続増配を継続しており株主還元意識が高いから
です。
なお、現在私はコカ・コーラの株は保有していません。
■決算発表内容の概要
2022/10/25(火)に発表した2022年7~9月期(第3四半期)決算の主な内容は以下の通りです。
【各数値の定義】(決算書のどの数値からとっているか)
売上高:Net Operating Revenues
営業利益:Operating Income
純利益:Net income Attributable to Shareowners
資産合計:Total assets
自己資本:Equity Attributable to Shareowners
現金:Cash and cash equivalents
有利子負債:Current maturities of long-term debt, Long-term debt
営業CF:Net Cash Provided by Operating Activities
投資CF:Net Cash Provided by(Used in) Investing Activities
財務CF:Net Cash Provided by(Used in) Financing Activities
■決算発表内容分析のものさし
決算発表内容について、私は主に①成長性、②収益性、③安全性、④キャッシュ創出力、の4つの観点からチェックをしています。
それぞれの観点について、主な指標とその計算方法、優秀と認定する目安は以下の通りです。
優秀と認定する目安をクリアした項目が多い銘柄ほど、買いたい銘柄、保有し続けたい銘柄ということになります。
■決算発表内容分析
それでは、上記のものさしに沿って、実際に決算発表内容を分析していきます。
●成長性のチェック
Q3の売上高は前年同期比+10.2%、営業利益は同+6.6%、純利益は同+14.3%でした。
Q3累計の売上高は前年同期比+12.6%、営業利益は同+2.3%、純利益は同+2.1%でした。
売上高と純利益は目安の+10%を上回りました。
Q2では営業利益・純利益が減益でしたが、Q3は増益となりました。
Q3累計の売上高、営業利益を地域別に見ると、以下の通りです。
売上高トップは北米(North America)で、営業利益トップはヨーロッパ・中東・アフリカ(Europe, Middle East & Africa)でした。
●収益性のチェック
Q3の売上高営業利益率は27.9%、売上高純利益率は25.5%でした。
Q3累計の売上高営業利益率は26.9%、売上高純利益率は22.8%でした。
それぞれ指標としている15%、10%を大きく上回り、高い収益性を示しました。
過去10年(2012年12月期~2021年12月期)と今期Q3累計の利益率推移は以下の通りです。
2017年12月期の売上高純利益率だけは、ガクッと低下していますが、それ以外の年は安定して高い利益率を残しています。
ROEは43.9%でした。
こちらも指標の15%を大きく上回りました。
株主の資本を効率よく利益に結びつけています。
●安全性のチェック
自己資本比率は24.7%でした。
30%を切っているため自己資本比率は高くありません。
保有している現金は10,127百万ドル、有利子負債は36,191百万ドルと、有利子負債が現金を大きく上回りました。
指標だけ見ると安全性については少し心配もありますので、安定して利益を出せているか、利益に伴ってキャッシュが生み出せているか、今後も注目していきたいと思います。
過去4年(2018年12月期~2021年12月期)と、今期Q3の貸借対照表の推移は以下の通りです。
安定して利益を出し続けているものの、積極的な株主還元もあり、純資産はあまり増えていません。
●キャッシュ創出力のチェック
Q3累計の営業CFは+8,068百万ドルと、キャッシュインとなりました。
Q3累計営業利益8,834百万ドルは下回りました。
キャッシュフローの概要は以下の通りです。
営業CFの範囲内で投資活動、財務活動を行っており、とても良いキャッシュのサイクルです。
財務CFが▲5,078百万ドルと大きいです。
主な要因は配当金の支払い(Dividends:▲3,910百万ドル)と自社株買い(Purchases of stock for treasury:▲1,412百万ドル)です。
積極的な株主還元姿勢が表れています。
PL、BSと並び注目を集める財務諸表が「キャッシュフロー計算書」です。
キャッシュフロー計算書を読み解く上で大切な8つのパターンについてまとめました。
興味がある方は以下の記事をご参照下さい!
危ない会社への投資を回避できる!キャッシュ・フロー8つのパターン!
■業績予想に対する進捗度
SBI証券お客様サイト内の「財務詳細」情報に記載されている今期業績予想に対する進捗度をチェックします。
業績予想に対する進捗度は、売上高が:77.9%、営業利益:75.4%、純利益:74.8%でした。
■来期の業績予想から見る将来成長性
SBI証券お客様サイト内の「財務詳細」情報より、来期の業績予想をチェックします。
今期の業績予想を起点に、来期の成長性を見ていきます。
来期の成長率は、売上高:+3.0%、営業利益:+9.6%、純利益:+5.9%と予想されています。
目安の+10%には届きませんが、来期も増収増益が予想されています。
■株価水準とチャートの動き
10/27(木)の終値は59ドルです。PERは26倍です。
過去5年の株価の動き(週足)は以下の通りです。
2020年のコロナショックで一時的に大きく下落しましたが、その後は安定して右肩上がりで上昇しています。
今年9月あたりから移動平均線を大きく割り込み下落し、移動平均線も上向きから下向きに転じ始めています。
今後移動平均線の上に株価を戻せるのか、移動平均線を抵抗に低迷していくのか、注目です。
■私の投資戦略
以上の分析内容を簡単に表に整理すると、以下のようになります。
売上高・純利益は+10%を上回っての増収増益と、好決算となりました。
Q2では営業利益・純利益が減益でしたが、Q3は増益となりました。
製品の値上げによって、コスト増加を吸収しました。
値上げをしても売上高が減らない製品力の強さ、ブランド力の強さ、素晴らしいですね。
Q3累計で売上高は+12.6%の増収となっていますし、今期は増収予想です。
純利益・EPSは2017年12月期に大きく下落しましたが、この年を除けば非常に安定して利益を出し続けています。
株価の動きは比較的ゆるやかで、上下動が少ない銘柄ですので、キャピタルゲインを狙うというよりは、長期保有を前提にインカムゲインを狙っていくのが戦略です。
「配当利回り3%以上」を一つの目安にしており、58ドルを割ったあたりでその水準はクリアしましたが、為替が1ドル150円に迫るほどの円安水準ですので、まだ手は出していません。
買付の目安は50ドル(現在の株価から▲16%の水準)で考えています。
じっくり待ち構えたいと思います。
以上が私の戦略です。
■おわりに
私はだいたい25銘柄程度の注目銘柄を決めて、決算発表内容と会社四季報を見比べながら、上記のような観点で継続的に観察しています。
そして5年で株価2倍が期待できる銘柄を、いいタイミングで買うことを目指しています。
上記の銘柄を推奨するわけではありませんが、銘柄選択の視点や考え方など、読者の皆さんの参考になれば嬉しいです。
毎年資産+10%達成を目指して、引き続き頑張ります!
ということで、本日は以上です!
お読み頂きありがとうございました!
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■参考:同社に関する過去の記事
・【コカ・コーラ】22/7/26決算発表内容と私の投資戦略
※22/7/26(火)に発表した2022年4月~6月期(第2四半期)決算についての記事です。
・【コカ・コーラ】22/4/25決算発表内容と私の投資戦略
※22/4/25(月)に発表した2022年1月~3月期(第1四半期)決算についての記事です。
・【コカ・コーラ】22/2/10決算発表内容と私の投資戦略
※22/2/10(木)に発表した2021年10月~12月期(第4四半期)決算についての記事です。
・【コカ・コーラ】21/10/27決算発表内容と私の投資戦略
※21/10/27(水)に発表した2021年7月~9月期(第3四半期)決算についての記事です。
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