個別株投資で毎年資産+10%を目指し、気になっている銘柄の決算発表内容を分析し、今後の投資戦略について私なりの視点で書いていきます。
■本日のチェック銘柄
今日チェックするのはシステム開発コンサルティング事業を行うサインポスト(証券コード:3996)です。
東証スタンダード市場上場で、決算期は2月です。
暫定的にプライム市場に上場されていましたが、「流通株式時価総額」の基準を満たせなかったこともあり、2023年10月20日に市場変更しました。
直近の四季報より数値を抜粋すると、時価総額は56億円、従業員数は連結で174名です。
同社が掲げる企業理念は、
「ご満足いただけるソリューションを提供、社会の一隅を照らす存在でありたい」
です。
同社の事業は
①コンサルティング事業(前々期までの「ソリューション事業」はコンサルティング事業に統合)
②イノベーション事業
③DX・地方共創事業
の3つに分かれます。
現在の売上高の約95%が①コンサルティング事業です。
私がこの会社に注目している理由は、同社が展開するAI搭載セルフレジ「ワンダーレジ」が小売店舗の生産性向上に貢献するとともに、人口減少・人手不足といった社会課題解決に貢献する可能性があると考えているからです。
なお、現在私はサインポストの株を300株保有しています。
■決算発表内容の概要
2023/10/13(金)に発表した2024年2月期第2四半期決算の主な内容は以下の通りです。
■決算発表内容分析のものさし
決算発表内容について、私は主に①成長性、②収益性、③安全性、④キャッシュ創出力、の4つの観点からチェックをしています。
それぞれの観点について、主な指標とその計算方法、優秀と認定する目安は以下の通りです。
優秀と認定する目安をクリアした項目が多い銘柄ほど、買いたい銘柄、保有し続けたい銘柄ということになります。
■決算発表内容分析
それでは、上記のものさしに沿って、実際に決算発表内容を分析していきます。
●成長性のチェック
売上高は前年同期比+9.4%でした。
営業利益は▲29百万円と前年同期(▲52百万円)に続き赤字となりましたが、赤字幅は縮小しました。
純利益は▲41百万円と前年同期(▲69百万円)に続き赤字となりましたが、赤字幅は縮小しました。
売上高の96.6%を占めるコンサルティング事業は、前年同期比+11.7%の増収、セグメント利益は同+16.0%の増益となりました。
前期下半期以降、IT部門のプロジェクト推進支援に対するニーズが活況で、受注が高水準で推移しました。
イノベーション事業は、売上高は同▲42.4%の減収、セグメント損失は▲97百万円(前年同期:▲75百万円)と、まだまだ投資フェーズです。
株式会社明文堂プランナーへの「ワンダーレジ-BOOK」の販売やSELFURUGIへの「EZレジ」の販売がありました。
前期より新設されたDX・地方共創事業は、まだ売上高はわずか9百万円(前年同期比+172.2%)、セグメント損失は▲7百万円(前年同期:▲34百万円)と、小規模です。
Q2累計の営業利益・純利益は赤字ですが、四半期で見るとQ2はわずかに黒字に転じました。
Q3以降も四半期黒字が続けば、通期での黒字化も期待できそうです。
●収益性のチェック
営業利益、純利益ともに赤字のため、収益性のチェックは割愛します。
●安全性のチェック
自己資本比率は59.8%でした。
保有している現金は1,176百万円、有利子負債は362百万円と、現金が有利子負債を上回りました。
過去4年間(2020年2月期~2023年2月期)と今期Q2のBSの推移は以下の通りです。
前期まで4年連続の赤字となり、利益剰余金のマイナス幅は拡大していますが、自己資本比率は現在も59.8%と問題のない水準です。
流動負債・固定負債の合計(925百万円)よりも現金(1,176百万円)が多く、安全性は問題ありません。
●キャッシュ創出力のチェック
営業CFは▲67百万円と、キャッシュアウトとなりました。
キャッシュフローの概要を図にすると以下の通りです。
前期までは通期で3期連続での営業CFマイナスです。
営業利益の黒字転換、そして営業CFがプラスに転じるかどうか、Q3以降の決算を注目します。
■業績予想(会社発表)に対する進捗度
業績予想に対する売上高の達成度は47.5%でした。
目安の50%には届きませんでした。
営業利益、純利益、いずれも黒字予想となっていますが、Q2時点では赤字です。
■来期の業績予想(会社四季報情報)から見る将来成長性
会社四季報から、来期の業績予想を見ていきます。
今期の会社予想から来期の四季報予想への伸び率は、売上高:+13.2%、営業利益:+166.7%、純利益:+194.1%です。
営業利益・純利益は今期黒字化予想で、まだその金額が小さいため、増益率は大きく予想されています。
まずは今期黒字化を実現できるか、Q3以降の決算を見守ります。
■株価水準とチャートの動き
10/20(金)の終値は488円、PERは300倍を超えます。
過去5年間の株価の動き(週足)は以下の通りです。
2018年11月に上場来高値5,620円をつけて以降下落が続き、現在も低迷しています。
2020年2月期から4期連続赤字が続いていますので、無理もありません。
2021年9月には、同社とJR東日本スタートアップ(株)によって設立された(株)TOUCH TO GOが東芝テックと資本業務提携することが発表され、出来高が大きく増加しました。
今回の決算発表を受けて、翌週(10/16~10/22)の株価は+15.1%と上昇しました。
黒字化が現実味を帯びてくれば、株価も見直されるかもしれません。
Q3決算、注目ですね。
■私の投資戦略
以上の分析内容を簡単に表に整理すると、以下のようになります。
黒字化が期待されながら赤字に沈み、4年連続の赤字で着地した前期から半年。
今期こそは黒字化に期待したいところで、このQ2の3カ月では黒字化を果たしました。
Q3以降、累計での黒字化も期待させる動きとなり、決算発表後の株価はいい反応をみせました。
今後上昇気流に乗れるのであれば、約5年間低迷していた分面白い展開になるかもしれないですね。(希望的観測を大いに含みますが。)
現在300株保有しています。
相場全体が崩れる雰囲気もありますので、今後下落すれば、450円を目安に追加買付を検討しています。
低迷からの反転攻勢、期待しています!
以上が私の戦略です。
■おわりに
私はだいたい25銘柄程度の注目銘柄を決めて、決算発表内容と会社四季報を見比べながら、上記のような観点で継続的に観察しています。
そして5年で株価2倍が期待できる銘柄を、いいタイミングで買うことを目指しています。
上記の銘柄を推奨するわけではありませんが、銘柄選択の視点や考え方など、読者の皆さんの参考になったのであれば嬉しいです。
毎年資産+10%達成を目指して、引き続き頑張ります!
ということで、本日は以上です!
お読み頂きありがとうございました!
■参考:同社に関する過去の記事
・【サインポスト】会社四季報の業績記事・材料記事を時系列で見てみよう!
※会社四季報の記事を時系列で並べてみました!
・継続前提に重要事象!サインポストに大逆転はあるか?!
※継続企業に重要事象、からの大逆転はあるか?
・『日経マネー』でも紹介!サインポストの将来性は?!
※『日経マネー』2023年8月号の中でサインポストが紹介されました!
・【サインポスト】23/4/14決算発表内容と私の投資戦略
※23/4/14(金)に発表した2023年2月期決算についての記事です。
・【サインポスト】23/1/13決算発表内容と私の投資戦略
※23/1/13(金)に発表した2023年2月期第3四半期決算についての記事です。
・【サインポスト】22/10/14決算発表内容と私の投資戦略
※22/10/14(金)に発表した2023年2月期第2四半期決算についての記事です。
・【サインポスト】22/7/15決算発表内容と私の投資戦略
※22/7/15(金)に発表した2023年2月期第1四半期決算についての記事です。
・【サインポスト】22/4/14決算発表内容と私の投資戦略
※22/4/14(木)に発表した2022年2月期第4四半期決算についての記事です。
・【サインポスト】22/1/14決算発表内容と私の投資戦略
※22/1/14(金)に発表した2022年2月期第3四半期決算についての記事です。
コメント
私も5年で株価2倍が期待できる銘柄を買いたいと思います。
yoshiさん、コメント頂きましてありがとうございます!
これから相場が崩れれば、そのチャンスも増えるかもしれないですね。
虎視眈々と狙っていきましょう!