【決算書比較】NTTとKDDI、あなたはどちらがお好み?(2024年3月期第1四半期)

決算分析

【更新記事あり!】
本記事以降の決算発表についても記事を書いています!
興味がある方は、以下の記事をご参照下さい。

最新の決算比較 こちらからどうぞ!

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読者の皆さん、スマホはどこの通信会社で契約していますか?

主要な通信会社のシェアは以下の通りです。

※総務省「移動系通信の契約数における事業者別シェア」(令和4年度第4四半期(3月末))の数値をもとにグラフ化


最大手のNTTドコモAU(KDDI)ソフトバンクが追いかけ、そこに新興の楽天が登場している、というのが現在の構図です。

3社の寡占状態に楽天が風穴を開けられるのかが注目されますが、この記事ではNo.1、No.2の2社に注目し、決算書を比較します。

NTTKDDI

複数の会社の決算書を比較することで、その会社の個性がよりわかるようになります。

この記事を通して両社の違いを感じ、少しでもあなたの投資の参考になれば嬉しいです。

なお、この記事では、8月に発表された2024年3月期第1四半期決算の数値を用いて比較します。

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■PL(損益計算書)の比較

まずはPLを比較します。

・売上高

2024年3月期第1四半期の売上高と増収率は以下の通りです。

売上高はNTTが2.3上回りました。
四半期で3.1兆円、凄いですね。

増収率ではNTTが1.4%の微増、KDDIが1.4%の微減。
通期業績予想に対する進捗率は両社とも23%台でした。

過去9年(2015年3月期~2023年3月期)と今期Q1の売上高の推移は以下の通りです。

両社ともじわじわと増収しています。

・営業利益・純利益

2024年3月期第1四半期の営業利益、純利益、増益率は以下の通りです。

営業利益は1.8、純利益は2.1、NTTが上回りました。

営業利益は両社とも減益だった一方、純利益はNTTが増益となり、通期予想に対する進捗率も29.9%と高い進捗となりました。

営業利益には含まれない「金融収益」が前年同期の約4.4倍(前期:29,048百万円 今期:126,796百万円)と大きく増加したことが要因です。

NTTのセグメント別売上高(営業収益)、営業利益の増減要因は以下の通りです。

※NTTの決算説明資料より抜粋

総合ICT事業が増収増益となった一方、地域通信事業は減収減益、グローバル・ソリューション事業は増収減益と、セグメントごとに濃淡がありました。

KDDIの営業利益の増減要因は以下の通りです。

※KDDIの決算説明資料より抜粋

ローミング収入減や、前期の会計処理影響などにより、減益となりました。

過去9年間(2015年3月期~2023年3月期)と今期Q1の営業利益の推移は以下の通りです。

両社とも安定的に利益を出しています。 NTTは2020年3月期こそ▲7.8%の減益でしたが、それ以外の年は増益を達成しています。

・利益率・ROE

2024年3月期第1四半期の利益率・ROEは以下の通りです。

利益率はKDDIが上回りROEはNTTが上回りました。

過去9年間(2015年3月期~2023年3月期)と今期Q1の営業利益率の推移は以下の通りです。

両社とも利益率の推移は非常に安定しています。

近年は通信料値下げの影響で利益率も低下してるのかなと思っていましたが、その兆候は見られません。

■BS(貸借対照表)の比較

2024年3月期第1四半期の資産合計、自己資本、現金、有利子負債、自己資本比率は以下の通りです。

資産合計はNTTが2.1、自己資本は1.7、現金は2.3、有利子負債は6.5でした。

NTTは有利子負債の比率が高いですね。

資産規模は小さいものの、財務の安全性ではKDDIの方が上回ります。

両社のBSを図にすると以下の通りです。

短期的な安全性を示す流動比率(流動資産÷流動負債×100%)は、NTTが97.0%、KDDIが77.2%と、両社とも目安の100%を下回っています。

携帯電話基地局や通信設備に対する投資により、両社ともに有形固定資産が大きいですが、資産合計に占める割合は、NTT:38.4%(9,717,103百万円)、KDDIは21.8%(2,595,721百万円)と、NTTの方が有形固定資産の割合が多いです。

■その他の項目(株価、配当など)

株価、配当など、そのほかの項目を比較すると以下の通りです。

・PER・株価

PERは、NTT:11.4、KDDI:13.6です。

両社とも割安の目安とされる15倍を下回っています。

両社の株価の推移は以下の通りです。

まずはNTTです。

※NTTの株価チャート。SBI証券お客様サイトより抜粋。

続いて、KDDIです。

※KDDIの株価チャート。SBI証券お客様サイトより抜粋。

・配当利回り・配当性向

配当利回りは、NTT:2.97%、KDDI:3.22%です。

配当性向は、NTT:33.8%、KDDI:43.7%です。

配当利回りはKDDIの方がやや高いですが、配当余力はNTTの方があると言えます。

両社の1株配当・増配率の推移は以下の通りです。

増配率を見ると、両社ともに増配を続けていることがわかります。

9年前の2015年3月期と1株配当を比べると、NTTは2.8、KDDIは2.5と、長期保有の株主にとっては素晴らしい株主還元を続けています。

■おわりに

通信大手No.1、No.2の比較、いかがでしたでしょうか?

グラフや決算説明資料を多く用いて、視覚的に両社の違いを感じて頂けるように意識しました。

売上高・営業利益・純利益・営業利益率の安定感、継続的な株主還元姿勢、両社ともに素晴らしい銘柄であると感じました。

NTTは今年6月に1:25の株式分割を発表したことでも話題になりました。

雑誌などでも多く取り上げられ、来年から新NISAが始まる中で、長期保有向きの安定配当銘柄として、個人投資家の注目度も高いように感じます。

私自身も、とても興味を持っている銘柄です。

小さい単位で買えるので、まずは少し買い、今後株価が下がればまた追加で買い、というイメージを持ちながら、今後の決算発表もチェックしていきたいと思っています。

皆さんはいかがですか?

この記事を通して、複数の会社を比較する面白さを感じて頂けたら嬉しいです。

本日もお読み頂きありがとうございました!

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