直近の業績が好調なのか、不調なのか。
業績推移に安定感があるのか、ムラがあるのか。
利益率が高いのか、低いのか。
業績の推移を図解することで、様々なことが視覚的に読み取れます。
この記事では日本を代表する70銘柄を集めた「TOPIX Large 70」(トップ30を集めた「TOPIX Core 30」の次のカテゴリー)から、「電気機器」業種の以下4銘柄の業績を図解します。
三菱電機≪6503≫、オムロン≪6645≫、富士通≪6702≫、ルネサスエレクトロニクス≪6723≫
本記事で図解する業績は以下の4点です。
・営業利益
・純利益
・EPS(一株純利益)
EPSは折れ線グラフ(右軸)にて、他の3つは棒グラフ(左軸)にて表現しています。
IFRS、日本基準、米国基準など、会計基準が会社によって異なるため、グラフの中の項目名が若干異なりますがご了承ください。
四季報記載のコメントも掲載します。
投資判断の一助になれば幸いです。
■三菱電機≪6503≫
総合電機大手。FA、自動車機器や昇降機が収益柱。パワー半導体や空調『霧ヶ峰』など家電も
【最高益】中国経済の減速影響大きく柱のFA下振れ。ただ自動車機器やインフラ関連が大幅改善。供給制約軽減し空調が伸長。開発費増こなし連続営業増益。増配か。25年3月期もインフラ等の収益性改善続く。 |
【分社化】24年4月に自動車関連機器事業を分社化。他社との協業や意思決定加速、カーナビからは撤退へ。米コヒレントに5億米ドル出資、SiC半導体関連の調達強化。 |
■オムロン≪6645≫
感知・制御技術が基盤。稼ぎ頭は制御機器。リレー等電子部品や鉄道システム、ヘルスケアも展開
【急 落】中国市場が誤算。半導体、2次電池などで設備投資の延期が相次ぎ、柱の制御機器は想定以上に減少。電子部品も家電向け軟調。為替効果あるも営業益半減まで下振れ。株評価特損。増配は維持。25年3月期は上期に制御機器の滞留在庫解消。 |
【子会社化】持分適用だった医療データ会社JMDCの株を追加取得し、連結子会社化。ヘルスケア中心に新サービス創造狙う。 |
■富士通≪6702≫
ITサービス国内首位。官公庁・金融・流通向け多い。コンサル機能を強化し、DX関連に注力
【微減益】国内ITはキャリア向け鈍いが官公庁等の活発なDX投資が追い風。システム開発の標準化進み採算改善。が、デバイスの市況低迷痛い。営業小幅減益。増配。25年3月期は国内IT牽引し営業益反転増。 |
【再 編】利益率悪いドイツ事業の一部を売却へ。海外は標準化システムのソリューション開発等へ資源を集中。JTBと訪日富裕層向け観光サービスの研究で協業。 |
■ルネサスエレクトロニクス≪6723≫
日立、三菱電、NECの半導体が統合。車載マイコン世界首位級。米英3社を計1・7兆円で買収
※2016年12月期より、12月決算に変更
※会社では通期予想非開示のため、2023年12月期予想は四季報予想数値。
【横ばい圏】産業・インフラはPC・スマホ需要軟調で苦戦。ただ車載伸び続き、火災保険金も利益底上げ。24年12月期は車載、産業・インフラとも尻上がり。ただ甲府工場稼働で償却増、保険金も剥落で横ばい圏。 |
【買 収】セルラーIoT半導体のフランス企業買収、通信領域の製品群を拡充。経営難に伴う巨額出資から10年経て、政府系INCJが当社株のほぼ全株売却を完了。 |
■おわりに
直近の業績が好調なのか、不調なのか。
業績推移に安定感があるのか、ムラがあるのか。
利益率が高いのか、低いのか。
グラフから様々なことが視覚的に読み取れます。
投資対象として、興味が湧いた銘柄はありましたか?
私は注目している銘柄について、このグラフを定期的に更新し、株式投資のエントリー、利益確定の判断の参考にしています。
業績が下降トレンドなのに、株価が高いままであれば、売る準備をした方がいいかもしれません。
業績が上向き始めているにも関わらず、株価がさえないままであれば、仕込むのに良いタイミングなのかもしれません。
上記グラフの情報(売上高・営業利益・純利益・EPS)は、直近数年分であれば会社四季報から調べることができます。
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もっと長いスパンで調べたい方は、各社IRサイトの決算短信で調べることができます。
ぜひ活用してみて下さい。
投資判断においては、上記の業績の他にも、
・貸借対照表(BS)の状況
・キャッシュフローの状況
・配当などの株主還元方針
・ビジネスモデルの強さ
・競合他社の状況
・為替や金利などの外部環境
など、様々な要素が影響します。
少しずつ勉強を重ね、投資の精度を高めていきましょう。
本日もお読み頂きありがとうございました!
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